チャンピオンズカップ 2021 回顧
【レース展開】
M(ミドル)平均型 後半SP持続型 49.3-48.3
12.5-11.1-12.9-12.8-12.1-12.3-12.2-11.8-12.0
平均寄りのスローという流れから後半5FのSP持続力勝負で、結構高い次元でのSP持続力を問われた展開。
テーオーケインズ 1着
【出し切る形・終始スムーズな競馬・後半SP持続力の高さ見せる・直線の脚色際立つ・6馬身差圧勝】
【好位追走】【4角で動く】【4角~直線入口包まれ気味】【直線半ばで抜け出す】【最後1F後続突き放す】【圧勝】
まずまずの発馬から好位集団の中目という位置取り。道中は少しだけ行きたがる感じも見られたが、鞍上がガッチリと抑え込んで追走。3~4角はそのまま中目を通したので少し包まれ気味も、4角で前が開いてから動いて行く形。しかし直線入口から序盤で再度前が塞がると一旦外に出すロスが生じるも、直線半ばで逃げるインティ(4着)を並ぶ間もなく交わし切って先頭。残り1Fは完全に抜け出して後続を突き放す一方で、終わってみれば2着以下に6馬身(1.0秒)もの差をつける完勝だった。
終わってみればメチャクチャ強かったなという内容。平均寄りの流れだったが後半のスピード持続力を遺憾なく発揮した形。個人的に懸念したコーナーの加速はほとんど問題にせず馬なりで回ってこれたし、直線序盤で反応よく加速しただけでほぼ勝負を決めたような感じだった。正直なところ高速ダートでしか高いパフォーマンスを見せないと思っていただけに、普通の良馬場でここまでの内容を見せるとは思っていなかった。6馬身の差が示すように現状この馬に太刀打ちできそうな馬はいないかもしれない。ダート界ではしばらくのこの馬の天下が続く可能性は高いかも。
チュウワウィザード 2着
【出し切る形・得意の展開も・後半SP持続力の差出る・勝ち馬には完敗】
【中団待機・外】【3角で外から動く】【4角~直線入口で大外】【直線序盤ジリ伸び】【直線半ばで伸びる】【最後1F前捉えるも】【完敗】
発馬五分から中団外目を追走。3角過ぎから徐々に動いて行って、4角から直線入口で大外に振って追い出しを開始。しかし直線序盤から半ばでの加速が鈍く伸びきれないという感じ。しかし坂を上ってから最後の1Fで外からグイグイと伸びてきて残り50m付近で3.4着馬を纏めて交わしてきたが、勝ち馬には遠く及ばずの2着。
中団で脚を貯める形から直線外からしぶとく伸びを見せる形だったが、中目から抜け出した勝ち馬の加速には及ばず6馬身差の2着。勝ち馬の方が中目を立ち回ってこちらは外を回す形だから…というのあるにせよ、6馬身(1.0秒)差という結果なのだからもう完敗としか言いようがない。形としてはこの馬向きの流れになったし、末脚もいつも通りというか期待通りの脚は使って来たと思う。最後の1Fで3.4着馬しっかりと捉えた事で普通なら勝ちパターンだったはずだろうから…。
アナザートゥルース 3着
【出し切る形・終始外を回る展開も・前半型の厳しい展開・SP持続力の高さ見せる・善戦】
【押して好位追走】【3角外から動く】【3~4角外回す】【直線序盤で伸びる】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前接戦制す・3着】
発馬五分から押して押しての先行策で好位の外目を確保。3角で外からジワッと動き始めて行って、そのまま外々を回る形で4角から直線入口へと向かう。4角の出口である程度スピードに乗せることが出来ていて直線序盤の加速もスムーズ。序盤から半ばで2.3番手の一角まで押し上げていたが、内から伸び始めた勝ち馬(テーオーケインズ)の脚色には抵抗できず。それでもしぶとく伸び続け最後の1Fは内で粘り込みを図るインティ(4着)との激しい争いを演じたが、残り50m付近で今度は外からチュウワウィザード(2着)に交わされてしまう。しかしゴール前で内のインティを競り落とす格好で3着を確保した。
序盤から積極的に前に行って好位の外目を確保。勝負所では外々を回る形だがスムーズな加速態勢を得られてそのまま直線もしぶとく伸びる形。元々揉まれ弱いという面もあって、外々を回りながらも他馬に被されることが一切なかったというのが功を奏していると思う。ただこの流れを外々を回る形だから相当長く脚は使っているし、最後の最後でインティを交わし切った事は大いに評価されるべき。加速よりもスピードの持続力を問われる形は向いたと思うが、それを含めても3着以内に来たことは少々驚きである。
インティ 4着
【出し切る形・得意の形に持ち込む・SP持続力で見劣る?・最後1F伸びを欠く・完敗】
【好位追走】【4角で動く】【直線序盤で先頭】【直線半ばで伸びる】【直線半ばで交わされる】【最後1Fしぶとく伸びるも】【G前接戦も・4着】【完敗】
発馬五分から押して先行策でハナを切るかに見えたが、内から逃げに出たソダシに譲る形で2番手追走。4角でジワッとソダシ(12着)に並びかけに行って直線入口で先頭に立って直線序盤でスッと加速して抜け出してくる。。しかし坂の上り付近で外から勝ち馬(テーオーケインズ)に並ぶ間もなくアッサリと交わされてしまう。最後の1Fはそのまま勝ち馬に突き放されてしまうが、その後もしぶとく伸び続ける形。しかし残り50mほどで外から来たチュウワウィザード(2着)に交わされると、ゴール前ではアナザートゥルース(3着)にも交わされて4着までだった。
まぁこの馬のパターンというか理想に近い形の競馬は出来たと思う。4角から直線半ばまでの流れは完全にこの馬のパターンだったが、ここまで高い次元のスピード持続力を問われてしまうと少し厳しい感じになってしまい、案の定最後の1Fの粘りを欠く形の結果に。思えば一昨年(3着)、昨年(3着)とほぼ同様の内容で、しかも年々最後の1Fの粘りが足りなくなっていく…という内容だと思う。この辺りは流石に年齢からくる衰えかもしれない。
サンライズノヴァ 5着
【出し切る形・外を回る展開・距離長い?・直線他馬との違い引き出せず・完敗】
【後方待機】【3角で動く】【4角~直線入口で外】【直線序盤で大外】【直線半ばジリ伸び】【最後1Fバテ差し】【力負け】
発馬五分から控えて後方からの競馬。3角過ぎからジワッと押し上げて行くが外には出さず中目を狙っていく感じ。4角から直線で外に出そうとするがケイティブレイブ(13着)が壁になって出し難くなる。それでも何とかケイティブレイブを外に弾きだすようにして進路を確保すると、そこからしぶとく脚を使って伸びて来る。直線半ばからは完全に上位の馬と離された位置にいたが、最後の1Fで内の先行馬がタレてきたところを外からバテ差しの形で接戦の5着争いを制した。
後半勝負の形だったが直線での脚色は終始ジリ伸びで、他馬との違いは引き出せなかった印象。外々を回った事もあるし、距離的な要素が大きく出たのかな?という印象。5着だけど勝ち馬からは1.3秒差で2着馬にも0.3秒差だからまぁ完敗と言っていいだろう。
ソダシ 12着(2人気)
【出し切る形?・主導権握って理想の形も・直線脚色余裕無く・ダート適性に疑問・力負け】
【主導権握る】【4角で動く】【直線入口で交わされる】【直線伸びきれず】【最後1F失速】【力負け】
発馬五分から二の足が効いて比較的楽な感じでハナを取り切ることに成功。そこからは砂を被らない状態で平均寄りのスローという感じの流れを演出。4角でインティ(4着)が外から被せに来てこれに抵抗する形で動いていくが反応があまり良くなく直線入口でインティに前に出られてしまう。直線序盤ではもう手応えに余裕が無く、後続勢に次々と交わされてしまい最後の1Fからは完全な失速状態でゴール。結果は12着大敗だった。
まぁハナを切れた時点でもしかしたら…という感じで見ていたが、やはり直線ではもう脚色に余裕がなく早々と失速状態に。3角までの動きは問題なかったと思うが、4角から直線入口の反応と加速で明らかに見劣っているし、直線も殆ど抵抗できないままだから根本的なダート適性はやはり疑わしいと思う。まぁ道中中団で揉まれて惨敗してしまうよりも、ある程度理想の形(揉まれない・砂を被らない)で惨敗した方が分かりやすくて良かったと個人的には思うのだが。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?