京都2歳S 2021 回顧
【レース展開】
S(スロー)後半型 持続力・瞬発型 62.8-60.5
緩い流れからの後半勝負の展開だが、馬場状態の兼ね合いもあって持続力勝負寄りの形。後半4Fのラップ推移が12.2-11.7-11.6-12.4であり、一応4角から直線半ばで加速を問われているのだが、最後の1Fがガクッと落ちている。
ジャスティンロック 1着
【出し切る形・後半持続力の高さ見せる・終始外を回る形・時計平凡も】
【出負け】【後方待機】【3角で外から動く】【4角~直線入口大外】【直線序盤モタつく】【最後1Fしぶとく伸びる】
そこそこの出負けで後方からの競馬。3角で動いて外から進出を開始し、4角では大外から好位集団の外まで押し上げて直線へ。直線序盤で追われてから内にモタれるなど反応と加速の悪さを見せたが、残り100mで内の先行馬の脚色が鈍った所を自身はしぶとく伸びきる形で差し切り勝ち。
出負け癖と二の足の遅さは、さらに直線での反応と加速の悪さも目についたが、動き出した地点から考えるとかなり長く使って来た印象。最終的に内の先行馬が止まった形だが、後方から終始外々を回ってという内容で差し切りだからそれなりの評価は必要だと思う。ただ馬場状態や展開もあるが時計的にはそこまで評価できないというのが現時点での評価。メンバー構成もやや低調であり、そこまで強いと思わせる内容では無かったと思う。今回のように持続力を問われる形や長い距離での活躍は十分に見込めそうな内容を示したが、今後はある程度前半要素を問われる展開、高速馬場や速いラップを問われる加速勝負の展開に対応できるかがポイントになりそうな感じ。
ビーアストニッシド 2着
【主導権握る・要所で加速力見せる・最後1Fで甘く・時計平凡】
【好発】【主導権握る】【4角で動く】【直線しぶとく伸びる】【最後1F脚色鈍るも】【G前追撃振り切る・2着】
好発から楽にハナを取り切る形になり、そのまま緩めのペースの流れを演出。3角過ぎでようやくジワッとペースを上げ始め、4角で外から一斉に各馬が襲い掛かってきた所で一気にペースアップ。4角では後ろから来た馬の方が脚色が良いようにも見えただ、直線でもしぶとく伸び続ける感じ。最後の100m付近でやや脚色が鈍った所を勝ち馬に交わされてしまうが、直線序盤から激しい攻防を見せたフィデル(3着)との争いを制して2着を確保した。
緩いペースの中で最後まで粘り切る形だが、ラップ推移でみても後半4F目と3F目の間が12.2-11.7だからそれなりの加速は引き出している印象。前走の未勝利戦でも後半の3F戦という展開である程度の鋭い加速を見せていて、要所での加速力が最大の武器という感じの印象を受けた。ただ総合的に見て展開面、時計面で今後に向けて強調できる材料が少なく、今回は手薄なメンバー構成が向いた中での2着という印象は強い。直線で争った3着のフィデルもそこまで比較的似たタイプの馬だし、共に最後の100mで甘くなっていて持続力の面でもやや平凡な感じ。現状では緩い流れの後半勝負の中で加速の違いで優位性を作り出して勝負したい馬だろうか。
フィデル 3着
【出し切る形・絶好位からの競馬も・上位馬に後半要素で見劣り?・ワンパンチ不足?・時計平凡】
【好位追走・外】【4角で外から動く】【直線伸びる】【最後1F脚色鈍る】【G前接戦も・3着】
発馬五分から好位外目を追走。4角手前で外からジワッと動きを見せ、4角で強めに仕掛けて先頭に並びかけに行く感じ。直線で追われてそれなりの伸びを見せるが、内で逃げ粘りを図るビーアストニッシド(2着)を中々交わせない状態。最後の1Fで若干脚色が鈍って2着馬に少し突き放されてしまい、さらに残り100mで外から来た勝ち馬ジャスティンロック交わされる。それでもその後もしぶとく伸び続け、最後は2着馬に再度際どく迫ったがハナ差及ばず3着まで。
好位追走から4角で動いて前を捉えに行ったが、最終的に捉えられずでしかも勝ち馬にも交わされてしまう。結局勝ち馬ジ(ャスティンロック)との比較で持続力でやや見劣っており、さらに2着馬(ビーアストニッシド)には最後の1Fでで突き放されていてやや見劣った感じになっている。位置取り的には絶好位で4角から満を持して追われた割には直線で見所が少なかった内容であり、現状ではワンパンチ不足という印象は強い。今後は成長力でどこまでカバーできるようになるかがポイントになると思う。
トゥデイイズザデイ 6着(1人気)
【出遅れ・前回と真逆の位置取り・3角で不利・4角置かれ気味・後方からの競馬では良さ引き出せず?】
【出負け】【最後方待機】【3角で動く】【3角不利あり】【4角~直線入口で内】【4角置かれ気味】【直線ジリ伸び】【最後1Fバテ差し】
出負けして最後方からの競馬。緩い流れを道中は最後方で待機して、3角で外を回って進出の構えを見せるも、目の前にいたキャンデセント(9着)が躓いて大きくバランスを崩したのを見て、外からの進出を諦め内に進路変更。4角から直線入口を内からの進出を図るが反応と加速力に乏しくやや置かれ気味。直線もジリ伸びという感じだが、最後の1Fで前の馬が揃って脚色が鈍った所をバテ差しの様な格好で突っ込んで6着。
まず出負けして後方から…という競馬の時点で終わっていたのかもしれない。3角で勝ち馬ジャスティンロックのように外から押し上げ態勢に入ったが、前の馬が躓いてその煽りを喰らう感じでワンテンポ仕掛けが遅れた。しかしその後の反応と加速もイマイチで4角では置かれ気味だったことからも、意外と後半の加速で勝負できるタイプではないのかもしれない。前走と比較しても真逆の位置取りでの競馬になっているし、反応の良さと加速の面でも思ったほど良さを引き出せていないのは気になる。次走先行策で改めて見直したい感じ。
キャンデセント 9着(3人気)
【3角での不利が致命的・直線追われず・度外視】
【中団待機・外】【3角で外から動く】【3角で躓く不利】【4角置かれ気味】【直線追われず】
発馬五分から中団外目からの競馬。3角で外から押し上げ態勢に入って進出するが、そこで他馬に挟まれて躓く不利あり。立て直して再度外から進出を図るが完全に置かれる形になって直線へ。ここから鞍上は完全に諦めて直線は僅かに追わう素振りを見せただけ。結局勝ち馬からは1.3秒差の9着敗退となった。
3角で不利を受けて落馬寸前の躓きがあって、その後立て直しにやや時間を要した事もあって直線はほぼ追われないままゴール。まぁ完全に勝負所から競馬になっていないので度外視していい内容だと思う。元々後半持続型の馬でもあり、3角で真面なら勝ち馬(ジャスティンロック)と一緒になって直線でそれなりの脚を見せて来たと思う。まぁ次戦改めてという所だろう。