フィリーズレビュー 2022 回顧
【レース展開】
H(ハイ)前半型 SP持続型 33.5-35.0
序盤から結構流れる展開でのSP持続力勝負。結果的に前半で貯めを作った馬が総じて上位に来たという印象。
サブライムアンセム 1着
【後方待機、展開向く・内を回る形・直線加速引き出す・直線馬群を割って進出・時計面優秀】
【出負け】【後方待機・内】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線序盤で馬絵が壁】【直線半ば馬群を割る】【最後1F差し切り】
出負けもあって後方内目を追走の形。道中は後方のインで脚を貯めて3~4角もあくまでインを伺う感じで内を回って進出。直線序盤で前が壁になって少し外に持ちだすがここでも壁に阻まれる。しかし半ばで馬群の間を割って伸びを見せ、最後の1Fでグンと加速を見せて外から来た2着馬(ナムラクレア)を内から差す形でゴール。
後方で脚を貯める形になった分だけ最後の伸びは他馬と違う脚色を見せたし、4角から直線序盤であくまでも内に拘ってコースロスを最小限に食い止める形が嵌り切ったと思う。それでも直線は馬群を割って来たし、何よりスピード勝負の中を出負けしながらも綺麗な差し切り勝ちであり、さらに時計面も1分20秒を切ってきたのだから十分に評価されていい内容。ただ桜花賞で…となるとここまでスピード面を全面に問われる形になるか?という疑問もあるし、ちょっと慎重に判断する必要があるかもしれない。
ナムラクレア 2着
【出し切る形・出負け・道中置かれ気味?後半型の競馬で違い見せる・時計優秀・勝ち馬とは勝負所からのコース取りの差・惜敗】
【出負け】【リカバー・中団待機】【3角置かれ気味】【4角で外に持ち出す】【4角~直線入口で大外】【直線伸びるも】【最後1F内から差される】
出負けもある程度押していって中団のインを確保。しかし3角手前あたりから少し置かれる感じになって押っ付け気味に追走。4角手前から外々に持ち出して、4角で外に持ち出すと一気に進出を開始。4角から直線入口では大外に出す形から直線序盤から半ばにかけてグンと加速。最後の1Fも加速を見せて外から差し切った…かに見えたが、中目から伸びた勝ち馬(サブライムアンセム)に内を掬われる格好になってアタマ差の2着まで。
流れる展開でのスピード勝負で後半型の競馬で強みを引き出してきた感じ。4角でやや強引に外に出す際のロスの間に、勝ち馬が内から上手く進出できていて最後の1Fでその分だけの差が出た…という見方で良いと思う。後半型の競馬ではあるがスピード勝負の中で1分20秒を切る走破時計をマークしたし内容としては十分なものを示したと思う。ただ道中は速い流れにやや追走に苦労する感じも垣間見えて、前半要素を強く問われる形は得意ではないという印象は強い。確かに戦績的には1400以下がベストのように感じもあるが、もしかしたらマイルくらいの距離がベストかも…というの可能性を残しておきたい。
アネゴハダ 3着
【出し切る形・前半でスピード見劣らず・勝負所で馬なり・最後1F脚色甘くなるも・上位馬は後半勝負の形で・善戦】
【好発】【好位追走】【3~4角馬なり】【直線序盤馬なり】【直線半ばで伸びる】【最後1F後続に差される】
まずまずの好発から前に行って好位を確保。3角からジワッと前との差を詰めるが3~4角は比較的手応えが良く馬なりの状態で前に取り付き、直線に入っても序盤はまだ持ったままの構えで追い出しのタイミングを計る余裕ぶり。直線序盤を馬なりで伸びてきて半ばでムチが飛んで完全に抜け出す形。最後の1Fはそのまま押し切り態勢にはいるが、残り100mで脚色が鈍った事と外から来た上位2頭の末脚に屈する形で3番手後退。それでもゴール前は4着以下の追撃を封じて3着を確保した。
最終的に上位2頭の末脚に屈する格好になるも、速い流れを前々で流れに乗って踏ん張った唯一の馬。前半からスピード面を問われても見劣りしなかったし、勝負所では絶好の手応えで馬なりで進出するなど見所は十分の内容。最後の1Fは上位馬の末脚と自身の甘さが重なった結果ではあるが、このペースを好位で追走して…だから終いの甘さは仕方ない所。時計面でも進境を見せているし、1400mまでなら十分に勝負になる所は見せたと思う。
マイシンフォニー 4着
【後半勝負で一定の内容見せる・直線の加速力で見劣り・最後1Fで伸び見せる・距離不足の可能性?・1400mに対応見せる】
【中団待機・後】【3角外から動く】【4角~直線入口で大外】【直線序盤ジリ伸び】【最後1Fで伸びるも】
発馬五分から序盤は控えて中団後方の位置取りで脚を貯める感じ。3角過ぎで外から動き出して行って4角から直線入口で大外に振って直線へ。しかし直線序盤から半ばの伸びで見劣る感じで上位2頭に突き放されてしまう感じ。それでも最後の1Fで伸びを見せて内の先行馬を数頭交わして4着でゴール。
後方で脚を貯めて後半勝負の形だが、4角で大きく外に振らざるを得なくなった事と同時に上位2頭(サブライムアンセム、ナムラクレア)との加速の差が明確に出て直線で突き放される形で、この区間で勝負がついたという感じだった。しかし最後の1Fでは前との差を詰めてきており、これを只のバテ差しと見るかようやくエンジンが掛かって伸び始めたと見るかで評価は変わると思う。まぁある程度前半で流れに乗れていたようにも見えるし、1400mの距離自体には対応できるところは見せたと思うが、本質的な距離適性をどう見るか…が今後の大きなポイントになるかもしれない。
ラブリネスオーバー 5着
【出し切る形・後半型の競馬で一定の内容見せる・直線キレ負け・最後1F伸び見せる・完敗】
【出負け】【後方待機】【4角で動く】【直線序盤で外】【直線ジリ伸び】【最後1F伸びるも】【完敗】
大きく出負けして後方からの競馬。道中は後方のインで脚を貯める形から3~4角を中目を通してきて4角で一気に仕掛けて直線へ。直線序盤から半ばで少し外目に出しつつジリジリながらも伸びを見せ、最後の1Fもしぶとく伸びきる感じで接戦の5着争いを制した。
出負けもあって後方からの競馬に徹する形であり、後半要素である程度の内容を引き出してきたと思う。序盤の伸びはジリジリとしたものだったが、最後の1Fでの伸びは目立ったし、この感じなら距離が伸びても…という雰囲気すらあった。とは言え上位馬とは加速性能の差は明確に出たし、後方待機の競馬で0.5秒差だから完敗である事には違いが無いと思う。今回後半型の競馬でこういう内容を示した事自体は今後に繋がると思うし、時計面でもある程度の進境を見せたと見れば決して悪い内容と結果では無かったと思う。
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