富士Ｓ　2022　回顧

【レース展開】
Ｍ（ミドル）平均型　SP持続型　46.0-46.0
12.2-10.8-11.3-11.7-11.8-11.3-11.2-11.7

平均ペースのＳＰ持続力勝負の展開。4角から直線半ばにかけての加速力が問われる形で、いかにも東京1600ｍらしい展開。

 

セリフォス　1着

【決め手】直線半ばまで包まれる苦しい展開・最後１Ｆ鋭い末脚で差し切り

【中団待機・後→後方待機】【4角～直線序盤で包まれる】【直線半ばで外に誘導】【最後１Ｆ鋭く伸びる】【Ｇ前差し切る】

発馬五分から少し下げて中団やや後方の中目を追走。道中はしっかりと脚を貯める形で3角では後方まで下がるというか包まれ気味で身動きが取れない感じに。3～4角を包まれたまま中目を回って直線入口は外目に誘導するもに向くも明確な進路は得られず、持ったままの状態でジワッと加速状態で外々へと誘導。半ばで2着馬（ソウルラッシュ）の後方から外目に進路を得ると最後の１Ｆで一気に加速して前を猛追。内から抜け出したダノンスコーピオン（3着）、外から伸びを見せたソウルラッシュ（2着）をゴール前で纏めて交わしての勝利。

中団で脚を貯める形も勝負所から直線半ばまで進路に恵まれずに苦しい展開。進路を得たのはほぼ最後の１Ｆのみだったが、それでも最後は加速で上回る所を見せての差し切り勝ち。直線半ばまで追えなかったので結果的にかなり脚を貯める格好になったとは言え、最後の１Ｆだけでかなり鋭く脚を使って来た印象。今回は完全な平均ペースの中で鋭く脚を使えたし、僅かではあるが時計面でも進境を見せた形で収穫のあった一戦と言える。今回の内容からも道中ははかなり貯めきった方が鋭い末脚を使えそうな感じで、本番のマイルＣＳでも道中の位置取りと勝負所の進路取りが大きなカギを握りそう。

ソウルラッシュ　2着

【決め手】平均ペースで総合力生きる形・最後は勝ち馬の末脚に屈す

【好発】【中団待機・外】【3～4角外回る】【直線入口で大外】【4角～直線半ば馬なり】【最後１Ｆで伸びる】【Ｇ前接戦も・2着】【惜敗】

好発から中団外目の位置を追走だが、ただ道中は若干押っ付け気味の感じも見せる。3～4角は外々を回る形も馬なりの手応えのまま直線入口で大外に出して直線に向く。序盤でも持ったままの手応えでダノンスコーピオン（3着）に並びかけに行って、坂を上り切ってから満を持して追い出しを開始。最後の１Ｆは内のダノンスコーピオンと併せ馬状態のまま馬群を抜け出し、ゴール前にかけて激しい争いを展開。残り100ｍ付近では僅かに劣勢だがゴール前数十メートルで僅かに前に出たところを外から勝ち馬に来られて2着まで。

終始外々を回ってスムーズな形から直線満を持しての追い出しだったが、最後の１Ｆでまで加速が持続しないのか最後は外から来た勝ち馬に僅かに交わされての2着。4角～直線半ばまでの11秒だの加速ラップは馬なりで対応できているのだが、手応えの割には最後の１Ｆで加速しなかったなという印象。最後の１Ｆ区間では一時は完全に3着のダノンスコーピオンに前に出られていて、最終的に何とか持続力の面で上回って3着馬をねじ伏せたが、外から来た勝ち馬の加速には抗えなかったという感じに。この感じだと高いレベルになってくると後半要素、特に加速を問われる形の勝負になると少し見劣りする感じはあると思う。元々速い脚をは無いタイプでもあり、今回も平均ペースで前後半のバランスを問われた中の勝負だから何とか対応できたという印象もある。まぁもう少し前目で運べる形になると良いのだろうが、今回の流れでも序盤で若干押っ付け気味だったのは気になる要素ではある。

ダノンスコーピオン　3着

【決め手】好位追走から正攻法の競馬も・後半要素で見劣り

【好発】【好位追走】【3～4角外回る】【4角～直線序盤馬なり】【直線半ばで伸びる】【最後１Ｆしぶとく伸びるも】【Ｇ前接戦も・3着】

好発も少し控える感じで好位外目を追走。道中は好位外目で折り合いに専念する形から3～4角は馬なりで外を回って直線に向く。直線序盤で外に誘導すると半ばで追い出しを開始。追い出されると少し内にモタれつつも伸びを見せて最後の１Ｆ地点で先頭に。しかし外から2着馬（ソウルラッシュ）が馬体を併せるように接近するがこれに激しく抵抗。最後の100ｍでは僅かに突き放したかに見えたがゴール前で少し甘くなったところを2着馬に、さらにはその外から来た勝ち馬（セリフォス）にも交わされて3着まで。

好位外目からスムーズな競馬。直線も満を持して追われて伸びを見せ、最後までしぶとく伸びる形だったが最後の最後で若干甘くなったのと、上位2頭の後半要素が優れていたのもあって僅差の3着。まぁ想定以上に流れる（平均ペースだが）になった事によって一定の内容を示した形になるが、それでも後半要素（特に加速面）を問われる形で僅かに見劣ったという印象。正直なところ自身がある程度得意としている展開で負けたのは痛いと思う。ただこれはあくまでも高い次元での話だし、上位2頭は前半で貯める競馬だったのに対し自身は好位追走からの正攻法で唯一好走した馬でもある。また勝ち馬との比較でみれば斤量面で2キロ重かった事なども考慮に入れれば決して悪い内容ではない。まぁタイプ的には阪神向きの感じはあるし、コース替りと展開の噛み合い方次第で逆転の可能性は十分に残っていると思う。

ピースオブエイト　4着

【決め手】上位馬相手には完全なキレ負け・後半型で一定の内容示すも

【後方待機】【4角馬なり】【4角～直線入口で大外】【直線半ばジリ伸び】【最後１Ｆしぶとく伸びるも】【完敗】

発馬五分も下げて後方からの競馬。4角から外を回す形でジワッと進出して直線入口で大外に持ち出して直線に向く。直線序盤で追われるも加速で目立ったものを見せられず、伸びそのものはジリジリとしたもの。半ばでは完全に先に抜け出した上位馬に突き放される格好となったが、エンジンが掛かった最後の１Ｆでグッと伸びを見せたが上位馬との差を詰めるには至らずに0.4秒差の4着まで。

後方待機から直線勝負のような形だったが、直線の伸びで他馬と明確な違いを作れずという感じ。要は直線序盤から半ばでのキレ負けであるが、それでも持続的な末脚を引き出す感じで最後の１Ｆではそれなりの伸びを見せた格好に。元々一瞬の脚は使えても根本的には末脚は持続型の印象が強く、ここは後方からの競馬を試してみた（距離的にもマイルを試すという意図もあったかも）という形だと思う。まぁそれでも0.4秒差の4着で一定の内容を示したという風にも受け取れなくもない。
 

エアロロノア　5着

【決め手】直線半ばの加速で見劣り・純粋な力負け？

【出負け】【リカバー・中団待機・後】【3～4角内通す】【4角馬なり】【直線ジリ伸び】【最後１Ｆ伸び見せるも】【完敗】

出負けも若干リカバーが効いて中団後方の内目を追走。道中は中団後方で脚を貯める形から、3～4角は内々を回って馬なりの状態で直線へ。直線序盤で追い出しの態勢に入るものの、中々ハミが掛からないのか伸びそのものはジリジリとしたもの。最後の１Ｆでようやくエンジンが掛かったかに見えたが外から来た上位馬の脚色には及ばずの0.5秒差の5着まで。

勝負所から内々を立ち回る格好で直線も当然内目を衝く形。進路的に壁になるかと思いきや比較的スムーズに馬群を抜け出せる状況ではあったものの、反応と加速がイマイチで抜け出すのに時間を要する感じになったのは痛い。まぁ直線内を衝く形で大きな不利は無いし、スピードの乗せ方に多少苦労した感じはあるも致命的なものでは無くここでは純粋に後半要素で見劣っての力負けの感あり。本質的にはもう少し緩めのペースや時計を要する馬場が向いているのだと思われる。

ピースワンパラディ　6着

【決め手】出負け気味最後方から・直線内目で終始進路なし・脚余した印象

タイムトゥヘヴン　7着

【決め手】下げて後方待機で直線勝負・直線キレ負け・直線仕掛け遅れ？

ラウダシオン　8着

【決め手】好発、好位外目追走・終始しムーズな競馬・直線キレ負け

アオイクレアトール　9着

【決め手】好発、二の足を効かせて主導権握る・最後１Ｆ脚鈍る

リレーションシップ　10着

【決め手】好発も下げて中団中目・直線キレ負け・距離的要因大きく

アルサトワ　11着

【決め手】好発、好位追走・最後１Ｆ脚止まる・積極的な競馬も前半で消耗？

ノルカソルカ　12着（同着）

【決め手】出負け、押してリカバー、好位追走・直線半ばで一杯・前半で消耗

ルフトシュトローム　12着（同着）

【決め手】中団中目追走・直線キレ負け・最後１Ｆ前詰まる

ダイワキャグニー　14着

【決め手】押して好位追走・後半要素で見劣り、直線半ば早々に諦める

レインボーフラッグ　15着

【決め手】発馬五分、下げて後方待機・直線伸びきれず