見出し画像

競走馬個別メモ 2022 札幌記念 ジャックドール

 
札幌記念 勝ち馬 ジャックドール
主な戦績:札幌記念(G2・2022) 金鯱賞(G2・2022)

作成日:2022.8.22

競走馬特性面

M1 【前後半型】【後半型】【持続型】【SP持続力・瞬発型】【総合力勝負型】
平均寄りの流れでの後半SP持続力勝負型。ある程度流れる展開でも脚が削がれないタイプだが、前目で運んで直線で再加速する展開が理想形
【専用メモ】前後半型
【所感メモ】前半無理をしない形が理想 総合力勝負型の一面も?   
作成日:2022.8.22

過去成績・データ(2022.8.22時点)

前走:札幌記念(G2・札幌芝2000m)

タイム・着順・馬場状態・着差
2.01.2 1着(良)-0.0秒差
レース展開
H(ハイ)前半型 持続型 59.5-61.7
前半からある程度流れる展開での後半持続力勝負の形。後半は4F目でグンと加速してからゴール前までが原則していくラップ推移で、比較的純粋な持続力を問われる形。

予想コメント
【休み明け初戦】金鯱賞も同レベル・好レース期待
【調教】推進力ある走り
★持続力問われる形に? 力の要る馬場(洋芝)で? 右回り?

個別レース回顧
【決め手】後半の持続力で2着馬ねじ伏せる・好位からの競馬で進境見せる
【好位追走】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前接戦制す】

まずまずの発馬から好位追走の形。道中はペースを作るパンサラッサの3馬身ほど後方でレースを進め、3角過ぎで外目からジワッと進出を開始。4角で一気に仕掛けて前を追いかけに行って直線に向く。直線は逃げるパンサラッサを捉まえに行くが思った以上に抵抗されて中々差が詰まらない。それでも最後の1Fで一完歩づつ差を詰めてようやく並びかけるとゴール前でようやく交わして先頭でゴール。

ある程度流れる展開での持続力勝負という形だったが、直線は持続力の高さを見せて最後の最後で2着馬をねじ伏せるようにしての勝利。どちらかと言えば今までは直線の再加速戦で良いレースを見せていたので、純粋な持続力勝負になってどうか?という疑問があったのだがそれを問題としなかった感じ。まぁ流れる展開と言ってもペースを作ったパンサラッサの3馬身ほど後炉の位置で流れに乗っており、この馬自身の位置取り的にはそこまで速い流れにはなっておらず、前後半のバランス的には丁度いい位置にいた感じはある。確かに前走の大阪杯での結果と内容からも展開不問の逃げ馬では無く、前後半型のバランス型の印象を強くしていたのでこの形で強さを見せた事には納得できると思う。まぁそういう意味でも好位からの競馬(あくまでも前後半のバランスが良い位置)で運べた意味も大きく、今後の脚質の幅が出たと捉えると秋のG1では更に前進が期待できるかもしれない。

陣営・騎手コメント
(藤岡佑介騎手)
「非常に注目を集めていたレースでしたし、秋に向けていい競馬ができて良かったです。パンサラッサが行くことはある程度想定していましたし、ユニコーンライオンの出方次第だと思っていました。ジャックドールが僕が思っていた以上に折り合ってくれた。それが一番の勝因です。一度出た首差を最後まで守って頑張ってくれました。いいメンバーでいいレースで勝てましたし、この馬にはG1という目標があります。十分勝てる素質はあると思うので、一緒に頑張っていきたいですね」
 

2走前:大阪杯(G1・阪神芝2000m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.58.9 5着(良)0.5秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 SP持続・失速型 58.8-59.6
平均ペースの後半SP持続力勝負の展開。最後の1Fで12.5秒とかなり落としていて最後の最後で持続力の有無が問われた形。

予想コメント
破竹の快進撃・内回り歓迎
【調教】馬体充実目を引く
★5連勝中勢いに乗る 自分の形になれば 直線の再加速戦なら勝機十分

個別レース回顧
【速い流れで脚削がれる?・後半持続力引き出せず・直線失速・渋馬場の適性面で?・完敗】
【主導権握る】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【直線半ば脚色鈍る】【最後1F失速気味】【完敗】

僅かに出負けした感じだが内から押して主導権を取りきる形に。2角からは12秒台前半の持続ラップを刻み続け、3角からジワッとペースを引き上げる後半4FのSP持続力勝負の形に持ち込む。4角でリードを取って直線序盤で加速を見せて後続を突き放す勝ちパターンだったが、直線半ばで後続馬に食い下がられ最後の1F地点で脚色が鈍った所を外から2着馬(レイパパレ)に並ばれる。最後の1Fも何とか抵抗を見せたが、残り100mで甘くなって脱落。結果は0.5秒差の5着だった。

降雨の影響を受けた馬場状態で前半58.8秒の流れは結果的に速かったという事だろうか。また前走ほど直線序盤から半ばでの加速も引き出せず、タフな馬場で自身の脚も削がれてしまったという印象は強い。この展開で後半の持続力を引き出せなかったという事で、同型のレイパパレと比較しても馬場と展開適性面の差が出たと思う。馬場、展開不問の逃げ馬ではないという事になると、今後は好位でバランスの取れた競馬が出来るかどうかが最大のポイントになると思われる。
 
陣営・騎手コメント
(藤岡佑介騎手)
「スタートがいつもほど進みが良くなかったですね。緩い馬場が影響したんだと思います。その分出していっているので道中はペースが速くなってしまいました。それでも初めてのGⅠで自分の競馬はできたし、いい経験だったと思います。仕切り直して、またチャレンジしたいです」     
(藤岡健一調教師)「落鉄していた影響もあった。馬場が思った以上に悪かった。前半のペースも速かったけど、馬場が良ければ、違ったかなと思います。今後は放牧に出して、秋に頑張ります

3走前:金鯱賞(G2・中京芝2000m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.57.2 1着(良)-0.4秒差
レース展開
S(スロー)後半型 SP持続・瞬発型 59.3-57.9 
緩めの流れからのSP持続力勝負の展開で、4角から直線半ばで鋭く加速を問われた形。前半が59.3秒の流れだがこれでもバランス的にはスローで、後半が57.9秒とこれもかなり速い。かなりレベルの高いSP持続力を問われる形になったと見ていい。

予想コメント
ここが試金石・開幕週の馬場合う
【調教】好調持続
★4連勝中勢いに乗る 中京好相性 後半SP持続力勝負で 
 
個別レース回顧
【出し切る形・得意の後半SP持続力勝負・4角~直線で再加速・後続寄せ付けず・レコード勝ち・完勝】
【好発】【主導権握る】【4角で動く】【直線序盤~半ばで鋭く伸びる】【最後1F押し切る】【時計面優秀・レコード】【完勝】

好発から比較的スンナリとハナを取り切る形だが、1角でシフルマン(13着)に絡まれる感じになってペースを上げる感じ。2角から向こう正面で単独先頭を保って11秒台後半のラップを刻む流れを演出。4角手前からペースを上げて直線序盤から半ばで脚を使って後続を一気に突き放し、最後の1Fも勢いそのままに押し切ってゴール。結局後続に2馬身半の差をつける完勝だった。

前半が59.3秒という流れにも拘らずバランス的に見るとこれでも緩い流れに。そのペースを作りながらも4角から直線半ばで加速を見せるなど、全くと言っていいほど他馬につけ入る隙を与えなかったのは凄い。高い次元のSP持続力を見せつつも4角から直線で11.0秒の脚も使えているし他の馬には太刀打ちできないレース内容だったと思う。
この感じだと下手にペースを緩めて加速勝負となるよりも、ある程度ペースを引き上げて後続の脚を削ぐ展開がベストの形だろうか。1000mを59秒台前半で走っても直線で11.0秒の加速を使える訳で、最後の1Fの甘さもこのレベルまで来るとそこまで心配する材料でもないだろう。大阪杯や宝塚記念が最大目標と思われるが、後は牡馬のG1馬相手との力関係をどう見るかだろう。

陣営・騎手コメント
(藤岡佑介騎手)
「道中もペースを緩めなかったので、4コーナーの手応えは苦しそうだったが、ターフビジョンを見て、相当強いなと思いました。(ここまでの)勝ちっぷりや勢いで、(1番人気に)支持していただいたと思っていて、それに応えられてよかった。(力を)出し切れれば、このくらいの時計で走れる能力のある馬ですし、そのなかでいかに楽にゴールまでたどりつけるようにエスコートするのが僕の仕事ですが、今日は厳しい競馬をさせてしまった。(直線は)後ろの馬というよりは、苦しくはなったが、最後もラップを緩めずにしっかり走ってくれて、本当にすごい馬だと思います。とても軽くて、力強い馬。あまり他の馬では感じたことのないストライドですね」
 

【競走馬個別データに関する注意事項】

☆ここで掲載している競走馬個別メモは個人的な予想メモと見解を纏めたものです
☆予想コメントと調教は当時の専門紙のもので、★欄のコメント、レース回顧は羽柴の個人的なメモになります。
☆各種コメントは主に重賞レースのものになります。オープン、条件戦などは予想、レース回顧をしておりませんし、騎手コメントもありません

いいなと思ったら応援しよう!