京都記念 2022 回顧
【レース展開】
S(スロー)後半型 後半SP持続型 61.7-57.5
12.7-11.3-12.0-12.9-12.8-12.7-11.6-11.4-11.4-11.0-12.1
緩い流れから後半5FのSP持続力勝負の展開。その中で最後の2F目で11.0秒台の鋭い加速を問われ、流石に最後の1Fは12.1秒と落とした形になる。稍重の馬場状態だったはずだが、ロングスパート戦にも拘わらずスピード面をかなり問われた形になった。
アフリカンゴールド 1着
【出し切る形・主導権握る・開幕週の馬場向く・スピード面で強み見せる・後半SP持続力で違いを見せる・直線半ばでの加速で勝負決める・完勝】
【主導権握る】【4角で動く】【直線序盤で後続引き離す】【直線半ばしぶとく伸びる】【最後1F押し切る】【完勝】
発馬五分から押して先行策で比較的楽にハナを取り切る形。前半1000mを61.7秒で進めて3角手前からジワッとペースを上げ始めて後半のSP持続力勝負に持ち込んで、直線序盤で後続を引き離すとそのまま最後まで押しきっての完勝。
比較的楽にハナを取り切れたし後続も絡んで来ずで、終始自分の形を崩すことなくレースを進めた印象。ペース配分も完璧だったし、何よりも稍重の馬場とロングスパートの展開でありながら直線半ばで11.0秒の加速を引き出して後続を寄せ付けなかったのは立派。ちょっと稍重という馬場状態とは思えぬスピード面を問われた展開だが、むしろ高速馬場のスピード勝負向きのこの馬には好都合だったかもしれない。後続の出方や開幕週の馬場、出走メンバーのレベル(明確なSP持続型が少ないメンバー構成だった)などこの馬に向いた要素が多く揃っていたとは言え、この馬自身のSP持続力と直線半ばでの加速が生きた結果であり、自力でつかみ取った勝利と言えると思う。
タガノディアマンテ 2着
【出し切る形・終始内々立ち回り・道中掛かり気味も最後まで粘り込む・前々の位置取り好影響・立ち回り噛み合う・勝ち馬には完敗】
【好位追走】【道中掛かり気味】【3~4角内通す】【直線序盤で伸びる】【直線しぶとく伸びる】【G前追撃封じる・2着】【完敗】
発馬五分も序盤からやや行きたがる素振りを見せるが、何とか抑え込んで好位のインを追走。それでも3~4角を内を通して直線入口から序盤ででスッと加速を見せて伸びを見せる。最後の1Fもしぶとく伸びを見せて、勝ち馬(アフリカンゴールド)に追いすがるが中々差が詰まらず、ゴール前は後方待機の馬が外から一斉に襲い掛かったが何とか退けて2着を確保。
内々を上手く立ち回って直線しぶとく脚を使って粘り込む形の2着。道中やや掛かり気味だったにも拘らず最後は良く粘り切ったし、勝負所から内々を回ったが意外とスムーズな加速態勢を得られたのも大きいと思う。開幕週の馬場や内々を回る形は向いたと思うし、そこまで良い発馬ではなかったが前目の位置を確保できたのも好影響を与えたと思う。ただこの形で直線序盤で勝ち馬に突き放される格好になっていて、結果的にも0.2秒もの差がついてしまい完敗と言える内容。ただ後続の馬の脚が不発気味だったにせよ、ある程度前目で進められればそこまで大きく崩れるタイプではないというのを再認識させられた内容だと思う。
サンレイポケット 3着
【出し切る形・後半要素で強み見せる・貯める形で他馬と違う末脚見せる・展開噛み合い切らず・右回りで一定の結果と内容を残す】
【中団待機→中団・後】【4角内から動く】【直線ジリ伸び】【最後1F伸びる】【G前接戦も・3着】
発馬五分で控えて中団からの競馬。道中は中団やや後方でジックリ構えて、4角でようやく内目から動いて行く形。直線は中目からジリ伸びながら脚を伸ばしてきて、最後の1Fで内の馬が苦しくなったところを外から一気に差を詰めて3着。
道中は脚を貯めるのに専念して勝負所でもじっくりと構えて、4角で内目から動き出して直線しぶとく伸び脚を見せてきた感じ。動き出しをかなり遅くする事で他馬とは違う脚を使ってくることが出来たのだが、先行した上位2頭(アフリカンゴールド、タガノディアマンテ)を捉えきることが出来ず、結果的に自身の位置取りと展開が噛み合い切れずに差し届かずという感じ。自身の脚は出し切ったと思うし、コース取りなどを考えてもこれが精一杯という印象。ただゴール前の感じからも直線がもう少し長ければ…という感じは見せているし、結果論ながらもう少し前目の位置ならば…という感じはある。ただ右回りを特に問題とせずに自分の形で出し切ったという面は今後に繋がると思う。
ジェラルディーナ 4着
【出し切る形・勝負所から外回る形・直線で加速とSP持続力見せるも・上位馬とはコース取りの差・開幕週の馬場で大外からでは】
【後方待機】【3角で外から進出】【4角~直線入口で大外】【直線外から伸びる】【最後1F脚色鈍る】【G前接戦も・4着】
発馬五分から後方を追走。3角手前で各馬が動き出しても自身はワンテンポ仕掛けを待って、3角過ぎから外を回って一気に進出して4角~直線入口も大外を回して直線へ。直線はそとから良い脚色で伸びて来るが、最後の1Fで若干脚色が鈍った感じになり、ゴール前は内から3着馬(サンレイポケット)に交わされて4着止まり。
道中シッカリと貯める形から勝負所から外々を回って直線半ばまで伸びを見せたが、最後の1Fで若干脚色が鈍ったかな…?という感じ。11.4-11.4-11.0-12.1というラップ推移の中で3角から外々を回る形だから、流石に最後は脚色が鈍っても仕方ないかなという感じはする。位置取りやコース取りを考えても他の馬とは異なる加速とSP持続力を見せたし、0.3秒差の4着で結果的に差し届かずという内容ではあるが見所十分だったと思う。今回は折り合い面で難しさも見せなかったし、距離にも対応してきたこと自体は今後に向けて繋がると思う。
ユーバーレーベン 5着
【出し切る形?・積極策で後半要素に影響が?・スピード面問われる形に?・完敗】
【出負け】【好位追走】【4角で動く】【直線ジリ伸び】【最後1Fしぶとく伸びるも】【G前後続に差される】【完敗】
若干出負け気味だが序盤から積極的に位置を取りに行って好位の位置を確保。3角からジワッと動き出して行って4角で本格的に動いて直線に向く。直線序盤で勝ち馬(アフリカンゴールド)に突き放される格好になるもしぶとく伸びを見せ、最後の1Fでジワッと前との差を詰め始めるがゴール前で外から来た3.4着馬(サンレイポケット、ジェラルディーナ)に一気に交わされて5着まで。
いつもよりかなり前目の位置で進めたものの、後半要素での強みが削がれた感じがあって結局直線での伸び脚を欠いた感じ。阪神の内回りコースだし後方からの競馬では厳しいと見たのだろうが、結果として後半要素で見劣る形になったと思う。それ以上に稍重の馬場状態でありながらも意外とスピード面を問われる形になっていて、その辺りがこの馬向きの感じでは無かったようにも思える。純粋に後半勝負の形になっていない上での結果なので度外視できなくもないが、後半勝負に徹した所でサンレイポケット(3着馬)、ジェラルディーナ(4着馬)のように後半要素で強みを引き出せたかどうかは正直微妙な所だと思う。
レッドガラン 6着(3人気)
【出し切る形・決め手、SP持続力勝負で見劣り・展開向かず?・完敗】
【中団待機・内】【3角で動く】【4角~直線入口で外】【直線ジリ伸び】【最後1F後続に差される】【完敗】
まずまずの発馬から中団内目を追走。3角過ぎから動き出して行って4角から直線入口で外目に出して直線へ。しかし直線の伸びは終始ジリ伸びで、最後の1Fでもしぶとく脚を伸ばしたがゴール前で後続の馬に一斉に交わされて6着まで。
ある程度自分の形の競馬は出来たと思うが、前が止まらない形だったし最終的には決め手で見劣ったような印象。まぁ思った以上にスピード面を問われた上での持続力勝負になっているし、直線半ばで11.0秒の加速を問われるなどこの馬には向かない展開だったかもしれない。
レッドジェネシス 13着(2人気・個人的本命馬)
【3~4角で置かれる・右のコーナーリングが苦手?・コーナー加速の弱み見せる・完敗】
【出負け】【最後方待機】【向こう正面で動く】【3角で置かれる】【3~4角で後退】【直線ジリ伸びも】【完敗】
若干出負け気味で二の足も効かず最後方からの競馬。向こう正面に入ってから外から徐々に位置取りを上げて行き、3角手前で中団の外まで押し上げてくる。しかし3角に入ると急に手応えが悪くなって置かれ始め、3~4角ではもう後方へと下がってしまう形になり直線入口ではもう最後方はズリ落ちる。その後直線では失速こそしなかったもののジリっとした末脚しか使えずに結局は13着殿負け。
出負けと行き脚がつかずの最後方からの競馬になったが、向こう正面で早めに位置取りを上げていく作戦そのものは悪くなかったと思う。ただ3角の進入と同時に置かれ始めて、3~4角のコーナー区間で一気に最後方まで下がってしまう格好になっており、結果的に右周りのコーナーリングに弱みがある可能性が高い。漠然と右回りでどうか?という懸念はあったものの、ここまで顕著に表れるとは思ってもいなかった。この結果を踏まえても菊花賞大敗の要因は右回りコースであったと見ていいだろう。
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