
競走馬個別メモ 2022 天皇賞秋 イクイノックス
天皇賞秋 勝ち馬 イクイノックス
主な戦績:天皇賞秋(G1・2022) 東京スポーツ杯2歳S(G2・2021)
作成日:2022.10.31
競走馬特性面
SM2 【SP持続力・後半型】【後半型】【加速型】
【専用メモ】先行力 反応良 加速力
【所感メモ】鋭い脚は限定的? 根本的には持続型の印象
作成日:2022.5.30
過去成績・データ(2022.10.31時点)
前走:天皇賞秋(G1・東京芝2000m)
タイム・着順・馬場状態・着差
1.57.5 1着(良)-0.1秒差
レース展開
H(ハイ)前半型 SP持続・失速型 57.4-60.1
前半から流れる展開のSP持続力勝負の展開で最後は失速ラップ。ただこれは逃げたパンサラッサのもので、2番手以降はかなり離れていたので別次元のレースとなっている。2番手以降は恐らくスローの後半加速勝負の展開で、近年の傾向通りの後半特化型の天皇賞秋という感じ。
予想コメント
【休み明け初戦】飛躍の秋迎え・今度こそ
【調教】抜群の動き
★調教○ 位置取りカギ どこまで後半要素を高められるか
個別レース回顧
【決め手】ハイペースも後半型の競馬に徹し・後半要素で他馬との違い見せる
【中団待機】【4角~直線入口で外】【直線序盤で大外】【直線半ばで鋭く伸びる】【最後1Fで先頭】【G前前を捉える】
発馬五分から中団中目を追走。逃げるパンサラッサが作る大逃げのペースの中をジッと中団中目で追走。4角で売外から動き出して直線入口から序盤で外に誘導して坂の上りで追い出しを開始。追われてからは外からグンと加速を見せて2番手以降の集団を外から一気に交わし切る形。残り1F地点で手前を替えると更にもうひと伸びを見せて逃げ馬を猛追。ゴール前で勝ち馬を捉え、後続の追撃も同時に封じての優勝だった。
パンサラッサの作るハイペースにも動ぜずに自分の形の競馬に徹する。中団で構えたこの馬の位置でも緩い流れの後半SP持続力勝負という形で(推定でも逃げ馬寄よりも3秒は後方だった)、その中で後半要素をフルに出し切る形での勝利。直線に入っても逃げるパンサラッサとの位置がとんでもなく離れていたので、この馬としても直線は若干早めの仕掛けをしているが、それでも直線半ばの加速は群を抜いていたし、最後1Fからの伸びも申し分なく加速と持続力の両面で強みをフルに発揮してきた印象。
まぁ2.3番手の馬が前を追いかけずにある程度一つの集団になった事(この集団ではスローの後半加速勝負)でかなりレースはし易かったと思うし、思わってみればその2番手以降の集団の中では後半要素で他馬との違いを見せたのだから文句なしの形。ただ見た目には2着馬(パンサラッサ)を力で捉えた感じに見えるが、実際に前を捉えきれたのはただの偶然。誰もがもっと早くバテるという見立てだったと思うし、終わってみれば僅かに1馬身(0.1秒差)だしね。正直勝てたのは運が良かったと思う。
陣営・騎手コメント
(C.ルメール騎手)「パンサラッサが前に行ったけれど、イクイノックスはすごくいい脚で伸びてくれました。素晴らしい馬です。(パンサラッサの大逃げは)本当に見ていなかった(笑)。直線に向いてから結構心配しました。イクイノックスの反応はとても良かったけれど、15馬身(くらいの差が)あって心配しました。イクイノックスには最初のGIですけど、最後じゃないので。改めてGIを勝てると思います。無事に帰ってきたらどこでもいけると思います。スタミナがありますので、ジャパンCや有馬記念に出たら大きなチャンスがあると思います。春はアンラッキーだったけど、きょうは本当のイクイノックスを見られました。応援ありがとうございます」
(木村哲也調教師)「やっとファンの期待に応えられました。G1の一番人気でしたし、それ(春2冠連続2着)でもこうやって支持してくれる。信じて支持してもらったのはありがたいです。(JRA・G1は)1番人気で結果が出ていないのは分かっていましたし、1番人気が勝てばファンもほっこりした気持ちで帰ってもらえますから、ホッとしているのが正直な気持ち。(ゲートを)出るように(馬は)作ってあったけど、ちょっとごちゃついたのか、(位置を)下げざるを得ない状況でした。厳しいなと思って見ていました。もうちょっと前で楽に行けるんじゃないかと思っていたけど、厳しかったですね。ルメールさんは馬のリズムを思ってやっていた。すごい落ち着いているなと思いました。(逃げ馬に大きく離されて)普通なら焦らないかなと。イクイノックスであればこその脚だったと思います。(次走は)しっかりリカバーできたのを確認してからになりますが、次に行くのに時間のかかる馬です。なんとか年内使えるように努力はしていきたい。G1を勝ったので、変な状態で使うわけにはいかないですからね。ジャパンカップや有馬記念をなんとか選択肢の中に入れられるようにやっていきたい」
2走前:日本ダービー(G1・東京芝2000m)
タイム・着順・馬場状態・着差
2.21.9 2着(良)0.0秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 後半SP持続型 58.9-59.0
平均寄りのやや速めの流れから後半のSP持続力勝負の展開。前半のスピードと後半の持続力と総合的能力が問われる形に。その中で直線半ばからゴール前にかけて決め手を問われた形
予想コメント
調教○ 上積み大きく・東京替りプラス
【調教】推進力ある走り
★叩き2走目上積み見込め 東京替りプラス 加速勝負で一気に浮上 またも大外枠だが
個別レース回顧
【出し切る形・後方待機・4角内通す・直線伸びるも・G前差し届かず・平均ペースで使える脚は限定的?・勝ち馬とは直線持続力の差?・完敗?】
【後方待機】【4角で内通す】【直線序盤で外】【直線半ばで伸びる】【最後1F鋭く伸びるも】
発馬五分も序盤から控えるような感じで後方待機策。道中は後方でジックリと構える形から4角からは内を回って進出し、直線序盤から外に誘導して半ばでようやくゴーサイン。追われてから即座には反応しきれなかった感じで勝ち馬に突き放されてしまうが、エンジンの掛かった残り1Fからは加速を見せてゴール前にかけて勝ち馬に詰め寄ったが最後はクビ差及ばずの2着。
道中は後方で脚を貯める形の競馬で、直線で進路の確保に若干手間取ったものの直線はしっかりと脚を使うことは出来たと思う。ただ後方待機は良いとしても4角で内目に進路を取ってコースロスを防ごうとしているように、末脚の使い処をかなり慎重に図っていたような印象も受けた。実際に見た目には少し脚を余したかな…?という感じもあるのだが、ゴール前の伸びそのものは勝ち馬が最後にもうひと伸びを見せた事もりそこまで際どい着差でもなかったと思う。まぁ加速の鋭さがウリの馬だけにどうしても持続力には?がつくタイプでもあるし、根本的に平均ペースで(後方待機の馬にとっても平均寄りの流れだったと思う)自身の脚もやや削がれ気味になったという見方も出来ると思う。そういった中で外々を回して直線伸びきった勝ち馬に対して、後方待機で脚を貯めてしかも脚の使い処を図って届かずの2着という結果なので、クビ差と言えども完敗と言えるかもしれない。
陣営・騎手コメント
(C.ルメール騎手)「前半のペースが忙しく流れに乗れなかった。リズム重視で我慢させたのであの位置に。3、4角から手応えは良かった。ドウデュースの後ろでマークして、外に出した時はいいと思ったが、相手がもうひと伸びした。凄くいい競馬をしたので仕方がない。結果的に18番枠は難しかった」
3走前:皐月賞(G1・中山芝2000m)
タイム・着順・馬場状態・着差
1.59.8 2着(良)0.1秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 瞬発力・一瞬型 47.4-47.2
平均的に流れる展開だが中盤で相当緩む形になってそこからの直線の加速勝負という感じの展開。馬場状態の兼合いも多少はあるだろうが、全体的に若干仕掛け遅れという感じである程度の位置でスムーズさを保った馬が上位に来たという感じ
予想コメント
調教○【休み明け初戦】臨戦異例だが・能力の高さで
【調教】好気配示す
★右回り対応カギ 加速力を生かす形で 流れる展開は未知数
個別レース回顧
【出し切る形・大外枠・終始外回る展開・正攻法の競馬も・後半要素で勝ち馬に見劣る・勝ち馬とは適性の差?・完敗】
【出負け】【中団待機・外→好位・外】【3角で動く】【4角~直線入口で大外】【直線外から伸びる】【G前後続に差される・2着】【完敗】
若干出負け気味から中団外目を追走。2角から向こう正面で少し位置を上げて好位の外目の意図を確保してから、3角過ぎから外を回ってジわと進出を開始。4角から外目から先頭に並びかけに行って、直線序盤から半ばでスッと反応して伸びを見せる。直線はそのまま伸びて最後1F地点で単独先頭に立ってそのまま押し切る勢いだったが、坂を上り切ってからの伸びで勝ち馬(ジオグリフ)に見劣って1馬身差の2着完敗だった。
大外枠から終始外々を回る形ながらも3角過ぎからジワッと動いて、4角から直線でも反応よく良い加速を見せてきたと思う。しかしゴール前で勝ち馬の方がさらに加速を引き出しており、こちらにはそこまでの脚色に余裕が無かった…という感じの2着。見た目にも後半要素で完敗のテイだが、平均ペースの中では勝ち馬の方に分があったと見るべきだろう。ただこの展開でも一定の後半要素は引き出せたと見えるし、休み明け初戦、大外枠などの条件があった中で0.1秒差の2着は完敗と言えども悪くない内容だし、むしろ地力の方さを証明した形になったと思う。最大の持ち味は緩めの流れからの後半の加速勝負という形だと思われ、ダービーでは条件的にはかなり好転するように思える。
陣営・騎手コメント
(C.ルメール騎手)「休み明けでも、いい競馬をしてくれたが、残念です。僕の馬は前に馬を置いて、我慢ができなかった。勝った馬はそれができていたし、その差がでてしまった。ダービーはチャンスがあると思います」
【競走馬個別データに関する注意事項】
☆ここで掲載している競走馬個別メモは個人的な予想メモと見解を纏めたものです
☆予想コメントと調教は当時の専門紙のもので、★欄のコメント、レース回顧は羽柴の個人的なメモになります。
☆各種コメントは主に重賞レースのものになります。オープン、条件戦などは予想、レース回顧をしておりませんし、騎手コメントもありません