エリザベス女王杯 2023 出走馬分析
【京都・芝2200m】
スタート地点は正面スタンド前直線入り口付近。1角までの距離は約400あって、1~2角は平坦なコーナー。2角以降から3角に向けての向こう正面は約500mで、3角手前から徐々に上り坂となって3角で頂上。3角から4角に向けては高低差約4.3mの下り坂を下ることになり、約400mの平坦な直線へと向かう事になる。直線入口には内回りコースの合流部分の広い所を衝いてのイン突きを狙えるコース形態でもある。1角の進入までの距離があるものの、意外と先行争いが激化すると序盤からペースがあがる恐れあり。基本的にはやや緩めから平均寄りの流れになりやすいが、向こう正面から3角手前ででペースが落ちる傾向あり。そこから3角からの下り坂を使って加速していく形になり、後半SP持続力(特に後半4FのSP持続力勝負)が問われる事になりやすい。
【エリザベス女王杯 レース傾向詳細】
レース傾向としてはひと昔ほどの超スローの瞬発力勝負という感じはなくなりつつあるが、それでも全体的に見るとややスローの流れからの後半の加速勝負という流れそのものは続いている印象。ただ年々後半SP持続力勝負という形にシフトしていて、近年では明確に後半4FのSP持続力勝負となる傾向が強く、コース特性面に合った展開になっている。更にここ最近は4角から直線入口で鋭い加速を問われる傾向が強く、後半4Fは46秒台は当たり前という感じになっている。過去の傾向からも後半4FのSP持続力型の好走例が多いのは明白だが、中でも毎年のように人気薄の先行機動力型の好走が目立っている印象あり。
過去10年平均ラップ推移
過去10年PCI平均値
【推奨タイプ】
後半型
要所加速型
SP持続力・一瞬加速型
SP持続力・総合万能型
ブレイディヴェーグ SM2
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【加速型】
【専用メモ】出負け癖 後半型 加速良
【所感メモ】ゲート不安定も二の足は速い 後半要素で底見せず?
【最終更新日】2023.9.11
【前走結果・レース展開】
ローズS・2着(0.2秒差)
M(ミドル)平均型 SP持続・瞬発型 45.7-45.7
【前走決め手】
4角~直線半ばまで包まれ手進路なし・最後1F猛追も差し届かず(見直しの余地アリ)
【前走関係者コメント】
(C.ルメール騎手)「スタートは上手ではないですね。いい脚を使ってくれたし、秋華賞に向けて、すごくいい競馬でした。距離も大丈夫です」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
前走のローズSは出負けで位置取りを悪くしたことと、勝負所から直線半ばまで包まれ通しだった事が致命傷。ただ後半要素で高いものを見せており、ここは古馬相手でも後半型の競馬でどういう競馬を見せるかに注目が集まる。現状では勝負所から直線での馬群の捌きかた次第という感じ。
ルージュエヴァイユ SM1
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【前後半型】【持続型】
【専用メモ】持続型 末脚確実
【所感メモ】かなり長く脚を使える印象 速い脚や時計を問われると? 現状では左回り専用という印象
【最終更新日】2023.6.12
【前走結果・レース展開】
府中牝馬S・2着(0.0秒差)
S(スロー)後半型 瞬発型 48.0-46.1
【前走決め手】
発馬後の不利で後方の位置取りが致命傷・直線鋭く伸びるも惜敗
【前走関係者コメント】
(横山武史騎手)「残念です。調教では四肢がバラバラでチップが合わないのかと思いましたが、芝の走りは凄く良く、実戦で良さを出す馬です。スタートを上手く切ることができず、後手後手に回りましたが、上手くリカバリーできて最後は本当にもう少しでした」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
前走の府中牝馬Sで加速の鋭さを披露したが、発馬後の不利が致命傷となった形。前々走のエプソムCでは先行して一瞬の脚を効果的に使う形を見せるなど好走歴あり。現状右回りにやや不安があるものの、ある程度上手く噛み合う形であれば浮上があってもおかしくはない。
ハーパー SM1
【競走馬特性面】
【SP持続力・総合万能型】【後半型】【万能型】
【専用メモ】先行力 加速、SP持続力兼備型
【所感メモ】エンジン掛かり若干遅め 後半持続力高め
【最終更新日】2023.2.13
【前走結果・レース展開】
秋華賞・3着(0.5秒差)
S(スロー)後半型 瞬発型 61.9-59.2
【前走決め手】
ワンテンポ仕掛け遅れ、直線キレ負け・スローの加速勝負では分が悪く?
【前走関係者コメント】
(C.ルメール騎手) 「すごくいい競馬をしてくれました。3番手、良いポジションでした。この位置から速い脚は使えず、ジワジワ伸びていました。精一杯走っての3着、仕方ないですね」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
秋華賞はスローの加速勝負の展開で3着。勝負所でワンテンポ仕掛けが遅れたし、加速で他馬に見劣った内容。今回は京都外回り2200mに条件が替わる事で自身の力を出し切れるかどうかと、古馬牝馬相手の力関係をどう見るかが鍵になる。
ローゼライト M1
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【前後半型】【持続型】【コーナー加速型】
【専用メモ】先行力 前後半型 持続型
【所感メモ】スローの加速勝負になると?
【最終更新日】2023.7.17
【前走結果・レース展開】
新潟牝馬S・3着(0.3秒差)
【前走決め手】
---
【前走関係者コメント】
---
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
高い先行力は魅力だが、加速を問われる展開で苦労しているタイプ。G3でも苦労している現状を考えるとG1の舞台で噛み合ったとしてもどこ迄…。
イズジョーノキセキ SM2
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【万能型】
【専用メモ】後半特化型?
【所感メモ】展開不問? 貯める形で末脚の質を高めるタイプ
【最終更新日】2022.10.17
【前走結果・レース展開】
府中牝馬S・9着(0.6秒差)
S(スロー)後半型 瞬発型 48.0-46.1
【前走決め手】
中団追走、道中掛かり気味・直線伸びず・前半抑え利かず、状態面?
【前走関係者コメント】
「ペースもあるが、道中で力んでいた。能力的にはまだまだやれる。ただ、ちょっと最近は力むところが出てきている」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
折り合い面も含めて道中ある程度貯めることが出来るかどうかが鍵になる。タメが効いて直線で加速を引き出すことが出来れば。
ディヴィーナ A1
【競走馬特性面】
【SP持続力・一瞬加速型】【前後半型】【後半型】【加速型】
【専用メモ】出負け癖 反応、加速良 展開対応力高い
【所感メモ】直線の再加速戦向きの印象 東京、新潟の長い直線は脚の使い処が? 後半4Fで45秒台となると甘くなる?
【最終更新日】2023.8.14
【前走結果・レース展開】
府中牝馬S・1着(-0.0秒差)
S(スロー)後半型 瞬発型 48.0-46.1
【前走決め手】
掛かってハナに立つも逃げ切り・後続馬の出方に助けられた感?
【前走関係者コメント】
(友道康夫調教師)「レース前に、ペースが遅くなるかもしれないのでリズム良く行かせて下さいとデムーロ騎手が言っていたので、行ってもらいました。最初は2頭で行って引っ掛かり気味でしたが、1頭になってからは折り合いがつきました。お母さんのヴィルシーナもヴィクトリアマイルを勝っていますが、この馬も抜かせない勝負根性を見せてくれました。確実に走ってくれる血統で、最近は安定して走ってくれています。デムーロ騎手はここ3回乗ってくれて、すごく手が合っている感じがしましたし、返し馬から折り合いがついていました。オーナーともう一度相談しますが、距離は大丈夫だと思うので、エリザベス女王杯に行けそうです」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
府中牝馬Sはちょっと恵まれた感はあったが、それでも先行しての加速勝負で勝利。後半SP持続力勝負の中で加速を効かしての浮上可能性は十分にあると思うが、それでも2200mの距離に対する適性面をどう見るかが鍵になる。
ジェラルディーナ SM2
【競走馬特性面】
【SP持続力・持続型】【後半型】【万能型】
【専用メモ】高速馬場向き? 末脚安定
【所感メモ】貯める形なら加速力は引き出せる
【最終更新日】2022.9.26
【前走結果・レース展開】
オールカマー・6着(0.5秒差)
S(スロー)後半型 SP持続・失速型 61.1-58.5
【前走決め手】
中団後方から勝負所で外回す形・仕掛け遅れ、4角のコースロス響く(見直しの余地アリ)
【前走関係者コメント】
(団野大成騎手)「流れに乗り切れませんでしたし、前残りの競馬で、最初の位置取りが悪かったと思います」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
牝馬限定戦ならば実績は最上位も、近走は位置取りを悪くした上に仕掛けのタイミングが?がつく形ばかり。当然今回は道中の位置取りと仕掛けのタイミング次第になると思う。ただ昨年のこのレースを見ても高速馬場よりもタフな馬場での持続力勝負向きという見方もできる。週末の天候と当日の馬場も一つのポイントになるかもしれない。
シンリョクカ MH2
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【万能型】【直線加速型】
【専用メモ】持続型 エンジン掛かり遅め
【所感メモ】長い直線向き
【最終更新日】2022.12.12
【前走結果・レース展開】
府中牝馬S・10着(0.8秒差)
S(スロー)後半型 瞬発型 48.0-46.1
【前走決め手】
直線ジリ伸び最後1Fで後退・後半要素で見劣り、完敗、力負け?
【前走関係者コメント】
(吉田豊騎手)「キツい競馬でした。外枠でどこかで内に入りたかったです。もっと下げるか2番手につけるか、極端な競馬をすれば良かったかもしれません」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
前走の府中牝馬Sは力負けの感あり。今回は更に相手強化されるものの、距離延長で変わり身を見せる可能性は僅かにありそう。
アートハウス S1
【競走馬特性面】
【SP持続力・一瞬加速型】【後半型】【万能型】【要所加速型】
【専用メモ】ゲート良 加速良
【所感メモ】前半から流れる展開やタメが作れない形に?
【最終更新日】2022.1.16
【前走結果・レース展開】
中山牝馬S・4着(0.5秒差)
M(ミドル)平均型 SP持続型 46.6-47.2
【前走決め手】
道中若干掛かり気味の追走・直線での反応と加速で見劣り
【前走関係者コメント】
(中内田充正調教師)「道中、リキんで走っていたり、ハンデの57㎏もあって、いつもの伸びが見られませんでした。輸送で体も減って(12㎏減)いたのもあったと思います。今後は、馬の様子を見て、オーナーと相談してからになると思います」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
先行できて一瞬の加速を引き出せるタイプはこのレースでは魅力。ただ前走の中山牝馬Sが案外な内容で、ここでの敗戦が道中掛かり気味だった事なのか、中山コースとの相性なのか、57キロの斤量が影響したのか…と敗因をどこに求めるかが鍵。流れる展開になると厳しそうだが、緩い流れでの中で持ち味を生かし切れば結構面白そうな馬。
ククナ SM1
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【前後半型】【後半型】【持続型】【要所加速型】
【専用メモ】反応、加速良 先行機動型
【所感メモ】前半が緩くなる長距離戦向き? 流れる展開に不安あり
【最終更新日】2023.7.10
【前走結果・レース展開】
小倉記念・6着(1.1秒差)
M(ミドル)平均型 SP持続型 46.6-47.2
【前走決め手】
中団中目追走、3~4角包まれ気味・直線伸びきれず・位置取り?
【前走関係者コメント】
(岩田望来騎手)「良い感じで雰囲気良く、直線もスムーズでした。現状の力は出せたと思いますし、うまく走ってくれています」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
得意の先行機動力を生かす形がベストで、直線入口から半ばでいかに他馬との違いを作れるかがポイント。まずは自身と同タイプの馬に対していかに位置取りと加速面で違いを作れるかが大きなカギになる。
ライラック M2
【競走馬特性面】
【後半勝負型・バテ差し型】【後半型】【万能型】
【専用メモ】使える脚は短め?
【所感メモ】22年エリ女王杯で後半勝負に徹する形で進境見せる
【最終更新日】2022.11.14
【前走結果・レース展開】
府中牝馬S・3着(0.1秒差)
【前走決め手】
道中~直線半ばまで包まれ通しで・最後1Fで猛追も差し届かず(見直しの余地アリ)
【前走関係者コメント】
(戸崎圭太騎手)「久々に乗せてもらったが、けいこの感触が良くて、それが競馬につながればと思っていました。東京の切れ味勝負は少し分が悪いけど、よく頑張ってくれました」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
昨年の2着馬。後半型の競馬に徹する形で好走を見せている馬で、前走の府中牝馬Sでも直線半ばまで包まれ気味だった事で脚が貯まった感じで、最後1Fで鋭く伸びを見せて来た。貯めれば一瞬ではあるが鋭い脚を使えるので、まさに足の使い処ひとつで浮上があってもいい。
ゴールドエクリプス SM1
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【前後半型】【万能型】【要所加速型】
【専用メモ】反応、加速良
【所感メモ】後半3F戦向き
【最終更新日】2023.6.12
【前走結果・レース展開】
大原S・1着(-0.1秒差)
H(ハイ)前半型 持続力・瞬発型 46.3-48.0
【前走決め手】
---
【前走関係者コメント】
---
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
現状では格下感はあるものの、京都コースの相性の良さと加速の鋭さを生かしての浮上の可能性はある。実績馬との力関係をどう見るかが最大の焦点になるが、ある程度前目の位置と立ち回りが噛み合えば…。
サリエラ SM2
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【加速型】【直線加速型】
【専用メモ】エンジン掛かり遅め 後半SP持続力型
【所感メモ】長い直線向き 右回り対応未知数
【最終更新日】2022.9.20
【前走結果・レース展開】
新潟記念・7着(0.4秒差)
S(スロー)後半型 後半SP持続型 60.6-58.4
【前走決め手】
中団待機も直線馬群捌ききれず・馬群抜け出すだけの脚色が無く?
【前走関係者コメント】
(C.ルメール騎手)「返し馬の時から良い感じではなく、スタートしてもハミを取らず進んでいきませんでした。段々と加速しましたが、瞬発力を見せられませんでした」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
前走の新潟記念は直線を馬群を捌ききれずの内容。当然今回は巻き返しが期待されるし、キャリアは浅いものの後半要素の高さは証明済み。最大の焦点は右回りに対応できるかどうかだろう。
マリアエレーナ SM1
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【前後半型】【加速型】
【専用メモ】左回り向き 平均ペース向き
【所感メモ】急加速を問われる形に不安あり
【最終更新日】2023.1.16
【前走結果・レース展開】
オールカマー・4着(0.2秒差)
S(スロー)後半型 SP持続・失速型 61.1-58.5
【前走決め手】
直線でしぶとく持続力見せる・コーナー、直線の加速で見劣りの感
【前走関係者コメント】
(三浦皇成騎手)「いい内容でした。今日は急坂2回が課題でしたから、いつもよりリズム重視で運びました。最後は差を詰めていますし、これが良い経験になったと思います」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
近走何かが噛み合わないという形のレースが続いていたが、前走オールカマーが持続力を見せるなどマズマズの内容。ただコーナーと直線序盤での加速で見劣っているのでちょっと強気になれないものの、持続力勝負寄りの展開になって浮上の余地を残す。
ビッグリボン SM2
【競走馬特性面】
【SP持続力・後半型】【後半型】【持続型】
【専用メモ】反応、加速良 後半SP持続力型
【所感メモ】流れる展開を追いかける形に? 後半特化型
【最終更新日】2023.4.17
【前走結果・レース展開】
京都大賞典・8着(0.9秒差)
S(スロー)後半型 後半SP持続型 重馬場 61.6-59.8
【前走決め手】
中団待機・直線伸びきれず・後半要素で見劣り、馬場影響?
【前走関係者コメント】
(西村淳也騎手)「凄くいい内容で走れていました。馬場の影響もあって、伸び切れないところはありましたが、決して悲観する内容ではなかったと思います」
【エリザベス女王杯に向けてのポイント】
マーメイドSが後半型の競馬に徹して快勝。前走は京都大賞典で牡馬との戦いだがタフな馬場で末脚が削がれた印象。良馬場と牝馬同士の争いなら加速で勝負できても不思議ではない。
【注意事項】
前走が海外競馬、地方競馬、重賞以外のレースに出走していた場合、前走決め手、前走関係者コメントの掲載はありません。また一部の重賞競走ではレース回顧をしていないケースもあり、その場合も決め手、回顧、関係者コメントは掲載しておりません。