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中日新聞杯 2021 回顧

【レース展開】

緩めの流れからの後半SP持続力勝負の形。後半5F目から11秒台の突入して後半3F~2F目で11秒台前半の加速を問われている展開。前目で運んで直線でひと足使えた馬が上位に来た事になるが、中団以降の馬でこれを差せる馬が存在しなかったというような印象。


ショウナンバルディ 1着


【出し切る形・自分のリズムの競馬・後半SP持続力勝負で・4コーナー、直線半ばでの加速効く・後続差し馬の不発に恵まれる?】

【好発】【主導権握る】【4角で一気に動く】【直線序盤後続突き放す】【直線赤羽で伸びる】【最後1F押し切り態勢】【G前追撃封じる】

好発から押して前に行く形で1角までにハナを取り切る。向こう正面からペースを緩めに落してレースを引っ張り、3角で外からアフリカンゴールドが迫ってきたのを契機にペースを上げていく形。4角で一気にペースを上げて直線入口で後続を突き放す格好になる。直線序盤からは後続に2馬身程度の差をつけ完全に抜け出した態勢で、直線半ばの坂でも脚色が鈍ることなく伸びて来る。最後の1Fはさすがに脚色が鈍ったが、それでも後続に半馬身の差をつけての逃げ切り勝ちだった。

後半のSP持続力勝負に持ち込んで綺麗な逃げ切り勝ち。特筆すべきは4角と直線半ばでの加速で、ラップ推移を見ても11.8-11.1-11.3-12.6と後半の3~2F地点で見事11秒台前半の加速を引き出している。元々そんなに加速に自信のあるタイプには見えなかったし、特にコーナーでの加速に疑問符のつく馬では合ったが、自身のリズムを刻んだこともあって新たな一面を引き出してきたと思う。ちょっと中団以降で控えていた差し馬がだらしなかった面があり、最後の1Fで大きくラップを落しても差されなかったのはその辺りの面で恵まれたような気もする。

アフリカンゴールド 2着

【出し切る形・要所での加速効く・前目の位置取り効く・後続差し馬の不発に恵まれる?・善戦】

【押して好位追走】【3角で動く】【4角~直線入口で突き放される】【直線しぶとく伸びる】【最後1F脚色鈍るも】【G前追撃振り切る・2着】【善戦】
発馬五分も押して押しての積極策でハナを伺う勢いで仕掛けていくが、最終的には1角で内のショウナンバルディ(1着)に行かせて自身は2番手追走の形。3角で外から少し動いて行く形になって逃げるショウナンバルディに馬体を併せにってペースが上がり、4角で一気に仕掛けて被せ位に行くが4角から直線入口では逆にショウナンバルディに突き放されてしまうような格好に。それでも直線はしぶとく伸びを見せて3番手以下の追撃を許さず。最後の1Fは流石に脚色が鈍ったがそれでも3~5着の馬の追撃を振り切って2着を確保した。

確かに後半のSP持続力勝負の中で加速を引き出しているのだからこの馬向きの展開だった…という事だろう。緩めのペースで加速面を強く問われたのが良い結果に繋がったのかなという印象。ちょっと時計も掛かっていたのもこの馬向きだったと思うし、後続差し馬の不発にも助けられた一面があるので、そういう意味でも今回は前々で運んだのも功を奏した感じ。とはいえ17人気でここで2着激走とは…驚きました。

シゲルピンクダイヤ 3着

【出し切る形・発馬五分、好位追走効く・前残りの展開向く・かつての末脚は影を潜め】

【好位追走】【4角で動く】【直線序盤ジリ伸び】【直線半ばで伸びる】【最後1F脚色鈍る】【G前接戦も・3着】

発馬五分でスッと好位に付ける。道中は好位中目で追走して4角手前からジワッと外から動き出していく形で、4角で一気にペースアップして本仕掛け。直線入口で前との差を若干離された感じもあるが、半ばの坂の上りで加速を見せて前との差を詰め始める。しかし坂を上り切ってからはそれまでの脚色が鈍った感じになるも、最後の1Fも何とかしぶとく粘りを見せて3着。

ゲートは出たし早々と好位を確保するなど前半部分の運びは良かったと思う。ただ前半は無理をしていないし、直線半ばでそれなりの加速は見せたのだが、緩い流れの中を追走した事を考えるとやはり直線の伸びの足りなさというのは目立ったと思う。さすがにかつての爆発的な末脚は影を潜めた印象で、今回は結果的に前残りの展開が功を奏した感じの3着という雰囲気。

ボッケリーニ 4着

【出し切る形・得意の展開も・位置取りの差・直線加速見せるも】

【好位追走→中団待機】【4角で動く】【直線序盤で内】【直線半ばで伸びる】【最後1F脚色鈍る】【G前接戦も・4着】

発馬五分から好位を確保したかに見えたが、1~2角進入で外から被せられて中団中目の位置を追走。3角過ぎからジワッと中目から押し上げ態勢に入り、4角で動いて行って直線へ。直線序盤で内目に進路を切り替えてしぶとく伸びを見せ、坂の上りで加速して一気に伸びて来る。最後の1Fも内からの牡切るかに見えたが残り100m付近で脚色が鈍って最終的に前の馬を交わし切れずで4着止まり。

自身が得意とする展開と思えたが結局最後は差し届かずの4着。結果論ながら1~2角の進入で外から被せられる形で位置を下げており、これが最終的に響いたかな…という印象。道中の運びもそこまで悪い感じは無かったとは思うし直線半ばでそれなりの加速は見せてはいるが、やはり最終的には位置取りの差大きく出たと思う。

キングオブコージ 5着

【出し切る形・1~2角で位置取り上げる・鞍上好判断・直線伸びきれず】

【出負け】【後方待機→好位・外】【道中若干掛かり気味】【4角で動く】【直線しぶとく伸びる】【最後1F脚色鈍る】【G前接戦も・5着】

出負けして序盤は後方からの競馬も、2角の進入時に外から一気に位置取りを上げて行って好位外目の位置。道中は何とか折り合いに専念して4角で外から動いて行く形。直線序盤で前の馬との差をやや離され気味になるも、坂の上りでジリっと伸びを見せて差を詰める。最後の1Fは外にいたシゲルピンクルビー(3着)、内に潜り込んできたボッケリーニ(4着)との争いになるが、残り100m付近で脚色が鈍ってその2頭に交わされて5着まで。

出負けしたものの1~2角で外から一気に好位まで押し上げたのは大正解で、最終的にこの位置取りが掲示板付近までこれた要因だろうか。ただその1~2角進入時からも若干掛かり気味の感じもあって、道中は折り合いに専念する感じになって勝負所でも4角までジッと我慢する形になっている。まぁこの辺りの一連の動きが直線の最後で伸びを欠いた要因なのかもしれない。ただ展開的に後方にいては話にならなかっただろうし、自身もそこまで高い加速を備えた馬でもない。前半で好位を確保できたことが功を奏した感じの5着だろう。

アドマイヤビルゴ 10着(1人気)

【力出し切れず?・位置取りの差・加速力で見劣り・完敗】

【中団待機・内】【3~4角内通す】【3角馬なり】【4角で動く】【直線ジリ伸び】【最後1F脚色鈍る】【G前失速】【完敗】

発馬五分から前半は無理をしない感じで中団内目を追走。道中は終始中団のを内を追走し、3~4角も内々を立ち回って進出の機会をうかがう感じ。4角で内から動き出していって直線入口から序盤でラチ沿いに進路を取って伸びを見せる。ただ坂の上りでそれなりの加速を見せたが、坂を上ってからの脚色に伸びが無い。最後の1Fはボッケリーニ(4着)にアッサリと前に入られてその後は突き放される感じで後退。結局勝ち馬から0.6秒差の10着敗退となった。

結果的に位置取りを考えると厳しかったと思うし、展開的に4角から直線半ばである程度の加速を問われる形になっているのもこの馬には向いていなかったように思える。急な加速が苦手な分だけ加速時のスムーズさを求められるタイプでもあり、終始内々で運ぶ形になったのも合わなかった印象あり。まぁ意外と時計の掛かる馬場でもあり様々な要素でこの馬向きの感じにはならなかった印象が強い。しかしあまりにも安定感に欠けて、ちょっと注文がつきすぎるタイプの馬という印象はさらに強くなった。6億円の高馬とは言えちょっと我が儘すぎないか…(気性が荒いという意味ではない)?


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