阪神大賞典　2022　回顧

【レース展開】

Ｓ（スロー）後半型　SP持続・失速型　63.1-59.0

緩めの流れから後半のＳＰ持続力勝負の展開。後半5Ｆ目から明確にペースが上がって最後の１Ｆで失速する形。最後は持続力そのものを問われた印象

ディープボンド　1着

【出し切る形・展開向く・4角で一気に仕掛ける・最後は持続力でねじ伏せる・完勝】

【好発】【好位追走・外→中団・外】【3角外から動く】【4角外から一気に動く】【直線ジリ伸び】【最後１Ｆしぶとく伸びきる】

好発からある程度前目に行く感じを見せるも前半は中団やや前目の外という位置取り。道中は少し位置取りを下げるも折り合ってスムーズな追走を見せ3角過ぎからジワッと押し上げに掛って、4角で一気に仕掛けて外から進出して直線入口では3番手まで押し上げる。直線はややモタついた感じでジリ伸びという感じだったが、最後の１Ｆでしぶとく伸びを見せて先に抜け出した2着馬（アイアンバローズ）を捉えてゴール。

後半のＳＰ持続力勝負だが最後は持続力にモノを言わせて2着馬をねじ伏せたような感じ。ちょっと道中は思ったよりも位置取りを下げる感じでどうかな？とは思ったが、最後は持ち味の持続力を最大限に生かした形の勝利だと思う。また昨年の天皇賞春でもそうだがコーナーで外から（4角で）一気に加速できるし、有馬記念を見ても内からでも意外と加速が効くタイプ。4角で極端に包まれなければ…という印象を改めて見せつけた感じ。どうしても高速馬場での加速競争に不安を残すが、阪神コースで行われる以上はある程度信頼は出来ると思う。

アイアンバローズ　2着

【出し切る形・得意の展開・正攻法の競馬で・4角一気に動く・勝ち馬とは持続力の差】

【好発】【好位追走・外】【3角で動く】【4角外から一気に動く】【直線しぶとく伸びる】【最後１Ｆ後続に差される】

好発からスンナリと好位追走の形。道中は好位の外で折り合いを重視する感じで追走し、3角で外から動いて進出を開始。3～4角で一気に押し上げて直線入口で2番手付近。4角からの勢いそのままに直線序盤で逃げるキングオブドラゴン（6着）に襲い掛かり、直線半ばで捉えて単独先頭に躍り出る。最後の１Ｆもしぶとく伸びを見せてそのまま押し切るかに見えたが、最後の100ｍで外から来た勝ち馬（ディープボンド）に捕まって結局は2着まで。

3角で仕掛けて4角で一気に加速してスピードに乗せた状態でそのまま先頭に立ったが、最後の100ｍからは勝ち馬の持続力に屈したというような格好。確かに最後は若干だが脚色が鈍った感じもあるが、結局は前々で運んで3角から動いて勝ちに行った分だけ…という差というような気がする。得意の後半のロングスパート戦で良さは見せたし、正攻法の形でこの内容だから地力の高さを示した形になったと思う。

シルヴァーソニック　3着

【出し切る形・立ち回り噛み合う・上位馬には加速の差出る・一定の持続力は見せる・完敗】

【中団待機・内】【3角で動く】【3～4角内通す】【4角馬なり】【直線序盤ジリ伸び】【最後１Ｆしぶとく伸びるも】【Ｇ前追撃封じる・3着】【完敗】

発馬五分から中団内目を追走。道中は中団でスムーズな追走を見せ、3角からはジワッと押し上げの態勢に入る。3～4角は内を馬なりで回して直線入口で追い出しを開始。直線半ばで上位2頭に囲まれる感じになるシーンもあったが、直線での伸び脚そのものがジリっぽく抜け出せない。囲みが解けた最後の１Ｆからの伸びもジリジリでゴール前は4着馬（マカオンドール）に際どく詰め寄られたが何とか封じて3着を確保した。

ソツなく乗られて上手く立ち回った感もあるし、最後もしぶとく伸びを見せて来たと思う。4角の手応え的には直線もっと伸びてもと思えたが、加速力という面で上位には見劣った感じ。それでもこのメンバー相手に一定の内容は示したし、持続力という面でもそこまで大きく見劣らなかったと思う。相変わらずワンパンチ不足するところも示してはいるが、3000ｍを超える距離でも安定した走りを見せている事は評価できると思う。

マカオンドール　4着

【出し切る形？・勝負所の進路取りで？・スムーズな加速態勢得られず？得意の展開・直線加速で見劣る・最後はしぶとく伸びを見せ・完敗】

【後方待機】【道中若干掛かり気味】【3角で動く】【直線入口で外】【直線ジリ伸び】【最後１Ｆ伸びるも】【Ｇ前接戦も・4着】【完敗】

発馬五分も行き脚つかず後方からの競馬。道中は後方で折り合いに専念の形だが、若干行きたがる素振りも見せつつの追走。3角で動き出して外から進出を開始し、3～4角は馬群の中を通したために少し包まれ気味。しかし4角で前が開けて一気に進出を開始し、直線入口で外目に出して追い出しを開始。ただ直線序盤の加速力で見劣って前に居た勝ち馬（ディープボンド）に突き放されてしまう。しかし直線半ばでエンジンが掛かって最後の１Ｆまでしぶとく伸びを見せたが、ゴール前で3着馬（シルヴァーソニック）に際どく詰め寄るのが精一杯の4着。

後方で脚を貯める形からの後半勝負だが、3～4角で馬群に突っ込む形になってスムーズな加速態勢を得られなかったのは多少なりとも響いていると思う。しかし直線もイザ追い出してからモタついたというか加速で上位馬に見劣ったし、最後はしぶとく差を詰めた点は評価しつつも結果は0.4秒差だから完敗だろう。ただ後半のＳＰ持続力勝負という自身の得意とする形である程度出し切った内容だし、ゴール前の感じからもまだ伸びそうな雰囲気もあった。勝負所での進路取りが噛み合っていたら…という感じは多少あるので次戦以降改めて見極めたいところ。

ユーキャンスマイル　5着

【出し切る形・展開向く・立ち回り噛み合うも・直線加速で見劣り・完敗】

【中団待機】【3角で動く】【3～4角内通す】【4角～直線入口で最内】【直線序盤～半ばで外】【最後１Ｆしぶとく伸びるも】【完敗】

発馬五分から中団中目を追走。3角手前から動き出して行って、3～4角は内目を回して進出。直線入口は最内だったが序盤から半ばで外に持ち出して追い出しを開始。しかしイザ追われてからの伸びがジリジリで最後までしぶとく伸びを見せたが、外から来た4着馬（マカオンドール）の方が脚色が良く結局は5着が精一杯という内容。

中団やや後方で脚を貯める格好から3～4角を内を回して…と立ち回りは噛み合ったと思うが、それでも直線の伸び脚で大きく見劣る形で0.6秒差の5着は完敗。確かにここ数戦に比べれば真面な走りを見せて来たと受け取れるのだが、得意条件である程度噛み合った内容で0.6秒差…となるとやはり辛いものはある。まぁこの条件はこの馬にとっては絶好の舞台でもあり、本番でも自身の調子と再度噛み合う形になれば多少の怖さはあるかもしれない。