富士Ｓ　2021　回顧

【レース展開】

Ｍ（ミドル）平均型　SP持続型　47.0-46.2
平均的な流れからのＳＰ持続力勝負の形。その中で後半型の競馬に徹した馬が上位を占めた感じ。

ソングライン　1着

【出し切る形・前半でのリカバー効く・勝負所からスムーズさ生きる・ＳＰ持続力生きる】

【出負け】【リカバー・中団待機・前】【3～4角馬なり】【直線入口で外】【直線半ばで伸びる】【最後１Ｆ抜け出す】【Ｇ前詰め寄られるも】

出負けに加えて2角に進入で前をカットされて序盤は後方からの競馬を余儀なくされるが、すぐに押し上げて行って早い段階で中団中目までリカバーに成功。3～4角は馬群に包まれて動けない感じだが、4角から直線入口で外目に出して直線に向く。直線序盤は持ったままの手応えで進出し、坂の上りで追い出しを開始。最後の１Ｆで外からグンと伸びてあっさりと先頭に躍り出て押し切り態勢に入る。ゴール前で外からサトノウィザード（2着）の接近を許したがクビ差封じての勝利。

出負けは致命的に見えたがかなり早い段階でリカバーして中団やや前目という位置で運べたのは大きい。とりあえず今回は後半型の競馬でもやれた事の意味も大きいとは思うが、最後は後半型特化の2着馬に結構詰め寄られている点は気になる。そういう意味でもやはり位置取りのリカバーが効いたのは大きいだろうし、もっと後傾ラップの競馬になると厳しくなる可能性はある。

サトノウィザード　2着

【出し切る形・後半勝負に徹して末脚爆発・勝ち馬とは位置取り、斤量の差・惜敗】

【最後方待機】【3角内通す】【4角～直線入口で大外】【直線序盤モタれる】【直線半ばで伸びる】【最後１Ｆ大外伸びる】【Ｇ前猛追も・2着】

発馬五分も二の足が遅くあっという間に最後方からの競馬。道中は最後方のまま3角は内目を回り、4角から直線入口で大外に回して直線へ。しかし直線入口から序盤は内にモタれて追い難そうな感じ。しかし立て直された直線半ばから追い上げてきて、エンジンの掛かった最後の１Ｆで大外から一気に伸びて、ゴール前では勝ち馬に際どく迫ったがクビ差及ばず2着まで。

後半型の競馬に徹して良さを最大限に引き出してきた印象。3角を内で回って直線入口で大外というコースロスを最小限に食い止めているし、後方待機の直線勝負の形だが最後の使った脚は他馬と比較にならないほど鋭くて見所十分だった。しかし最終的には道中の位置取りが明暗を分けた格好に。勝ち馬はかなり上手く乗られた感じはあるし、斤量も4キロ差あってのもの。今回は惜敗ではあるが後半勝負に徹した時の爆発力は十分にみせつけた内容だったと思う。

タイムトゥヘヴン　3着

【出し切る形・出負け・後半勝負の形で結果残す・持続性の脚が生きる・上位馬には完敗】

【出負け】【後方待機】【3～4角で外】【直線入口で大外】【直線半ばで伸びるも】【最後１Ｆしぶとく伸びる】

出負けして後方からの競馬。3～4角で外からジワッと押し上げて行って、直線入口も大外に出して追い出しを開始。直線半ばでスッと反応して外から伸びて来るが、坂の上りで僅かに脚色が鈍る感じ。その間に外から来たサトノウィザード（2着）にアッサリ交わされたが、最後の１Ｆもしぶとく伸びを見せて3着を確保した。

出負けもあって後方待機という形ではあったが後半要素を問われて案外頑張ったなという印象。元々加速型ではないので、直線の坂で若干伸びあぐねた感があるのは仕方ないだろう。それでも最後の１Ｆで再度伸びを見せているし、後半型の競馬でも持続性のある脚を使えることは見せて来た。3着と言えど勝ち馬には0.4秒差だし、2着馬には末脚の質で全く相手にされなかった感じはある。それでも今回は距離短縮で良さが出たという面もあるだろうし、後半型の競馬である程度の内容を示した意味も今後に向けては大きいかもしれない。

ダノンザキッド　4着

【出し切る形・後半要素で見劣り・初の古馬相手に善戦？・上位馬とは0.5秒差で完敗】

【好発】【中団待機・外】【3～4角で外】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【直線半ばジリ伸び】【最後１Ｆで甘く】【完敗】

好発も少し控える感じで中団の外目を追走。道中はそのままの位置取りで3～4角も外々を回る形から4角で動いて行って直線入口も大外で直線へ。直線序盤から半ばでジリ伸びながらも確実に伸びてはいたが、坂を上り切った最後の１Ｆでやや伸びを欠く格好。最後はダーリントンホール（5着）の追撃を辛うじて凌ぎ切って4着を確保。

マイルの流れでも追走はスムーズで直線で鋭い加速を問われなかったという要素もあったが、初の古馬相手の戦いとしてはまずまずの内容は見せたと思う。ただ大外枠という事もあり終始外々を回る展開で、ちょっと正攻法過ぎたような感じにも見えた。ただやはり後半要素で見劣る面が多くて、上位2頭には0.5秒差だから完敗の様相。後半の決め手という面でどうしても見劣ってしまう印象が強いので、まぁ仕方ない結果とも言えるのだが…。

ダーリントンホール　5着

【出負け】【後方待機→中団】【3～4角内通す】【4角馬なり】【直線序盤前が壁】【直線半ばで伸びる】【最後１Ｆジリ伸び】

出負けして後方からの競馬からだが、向こう正面の終わり頃には中団馬群の内に潜り込んでいく形。3～4角は内目を狙う姿勢を見せてジッと待機して、4角から直線も馬場の内目から進出。しかし直線入口で前が壁になって追えずじまい。徐々に外に出して行って坂の上りで僅かな隙間を見出してそこから抜け出してくるが、肝心の伸び脚もそこまで鋭くなく最後の１Ｆでもジリ伸びのまま。最後は何とか5着を拾うという形でゴール。

ちょっと4角から直線入口の進路取りで嵌り切らなかったなという印象。ただ直線もイザ進路を得てからの伸び脚もそこまで鋭くなくて、進路取りの問題よりも出負けして後方からの競馬になったのが最大の敗因だろう。ここ数戦の内容からは上昇気配が見えるのは良いが、やはり後半型の競馬では決め手で見劣るという事実を再認識させられた感じはある。