日経賞 2023 レース回顧
【レース展開】
S(スロー)後半型 持続力・瞬発型 重馬場 62.3-62.0
6.9-11.7-12.0-12.9-12.6-13.1-12.9-12.7-12.8-12.4-12.5-11.9-12.4
少し平均寄りのスローという流れの中での持続力勝負という感じ。その中で直線半ばで11.9秒とひと足を要求される展開だが、不良馬場でもあり基本的に持続力が問われた内容。
タイトルホルダー 1着
【決め手】得意の直線再加速戦に持ち込む・持続力勝負で他馬寄せ付けず
発馬五分から押して前に行ってハナを取り切る形に。道中は前半で62秒台の流れを作ってレースを進め、3~4角もジワッとペースを引き上げるも手応えは持ったまま。直線入口で仕掛けに入って直線序盤で加速を引き出して後続を一気に突き放す形。最後1F地点で完全にセーフティーリードを得たが、それでも最後までシッカリと追われて更に後続を突き放す形に。ゴール前では流石に流したが、それでも後続に8馬身もの差をつけて完勝。
序盤でレースを支配して自分の形に。不良馬場の中でのレースでもあり後続の出方も甘かったという面はあるが、得意の直線再加速戦の形に持ち込んで8馬身差の圧勝は流石の内容。まぁ2周目3角の時点で後続馬が迫ってこなかったし、当面の相手と目されたアスクビクターモア(9着)が出負けもあって後方からの競馬になったのでかなり楽な形になったと思う。不良馬場の中でも持続力を引き出すことが出来ることを証明したし、59キロの斤量を背負っての内容だと考えれば前哨戦としては最高の形と内容を示した形。後は改修後の京都競馬場に対する対応が出来れば…という感じになると思う。
ボッケリーニ 2着
【決め手】3角過ぎで積極的に動き出す・勝ち馬に完敗も2着確保で地力示す
まずまずの発馬から中団内目追走。道中は中団内目で進めて、3角過ぎで中目を通って一気に進出を開始して4角から直線入口は外を回して直線に向く。直線序盤から半ばにかけてそれなりの脚色で伸びを見せるものの、前を行く勝ち馬(タイトルホルダー)に対しての差は詰まるどころか、加速の違いを見せつけられて逆に突き放されてしまう。。それでも自身は最後までしぶとく伸びきって2着を確保したが、勝ち馬とは1.3秒(8馬身)の差をつけられての完敗の様相。
3角過ぎから動く形だったし不良馬場の中の競馬で最後は少し消耗した感じ。勝ち馬とは直線序盤から半ばの加速で地力の違いを見せつけられる事になったが、それでも何とか2着を確保してこのメンバー間での力上位を示した形。自身の走りとしては前後半のバランスを問われる中で強みを引き出せたと思うし、不良馬場という事もあって時計面を問われなかったのも大きかったと思う。さらに距離延長や高速馬場になりやすい京都競馬場でどうか?という面はあるが、この面子では力上位という事を示したので一定の評価は必要になると思う。
ディアスティマ 3着
【決め手】好位追走で持続力を生かし切る形・勝ち馬に1.5秒差という差では
好発と二の足の速さでスッと前へ行って好位追走の形。道中は逃げるタイトルホルダー(1着)を射程圏に入れての追走。ただ3角からジワッとペースを引き上げに掛った前に対して、こちらは若干ではあるが置かれ気味で、4角から仕掛けに入って直線へ。直線序盤から半ばでも一定の加速を見せてはいるが、勝ち馬(タイトルホルダー)に対しては完全に突き放される格好に。最後の1F地点では外から来た2着馬(ボッケリーニ)に交わされて2番手後退も、最後までしぶとく粘りを見せて3着を確保。
前目の位置取りから直線もしぶとく粘り込む形で3着。不良馬場で後方差し馬が不発という展開と、自身の位置取りの良さを生かし切ってという内容になる。まぁ前々で運んで持続力勝負で良さが出た形だし、ステイヤーとしての資質の高さを伺わせる内容。直線は勝ち馬(タイトルホルダー)に突き放されたのは地力の違いだとは思うが、1.4秒差という内容はやはり現実的に受け止めなくてはならないと思う。重賞ならまだしも現状ではG1となると荷が重いと見ていいだろう。
ライラック 4着
【決め手】最後方待機で後半の持続力見せ・コーナー加速で他馬と違い見せ
出負けして最後方待機。道中は終始最後方で控える形から3角から外を回って一気に進出を開始。3~4角の中間で一気に押し上げて直線入口では中団前目の外まで上がって来て直線は大外へ。直線半ばでは流石に苦しくなったのか脚色が鈍ったかに見えたが、最後の1Fもしぶとく伸びきる形を見せて4着。
まぁ勝ち馬には1.4秒差だから完敗の様相。出負けもあって最後方からの競馬となった時点でかなり厳しい形になっているが、それでも3~4角のコーナーでの押し上げが最大限に効いた形の内容。この不良馬場の中で持続力の高さを見せたし、牡馬相手に見せたのも大きい。さらにコーナーの加速で他馬との違いを見せたのも収穫の一つでもあり、勝ち馬には完敗と言う内容ではあるが結構前向きになれる要素は多かったと思う。ただ他馬と違って牝馬なので54キロ(斤量差は3~5キロ)あったことは覚えておきたい。
マカオンドール 5着
【決め手】道中掛かり気味、最後1Fで脚色鈍る・得意馬場も出し切れず?
好発も控えて中団前目の位置取り。終始少し行きたがる感じを見せつつの追走で、3~4角は最内を通して4角で動き出しを見せて直線へ。直線は最内を衝く形で半ばでは一瞬良い脚を見せてきたが、最後の1Fでは他馬と同じ脚色になって5着止まり。
道中終始掛かり気味の追走になったのは痛い。3~4角も最内を衝く形だが、道中の消耗を考えてか意識的に仕掛け待って感もあるし、実際最後の1Fで甘くなって伸びきれずという内容。こういう馬場は向いたはずだし、折り合い面さえ何とかなればもう少し上の着順があったかな?という雰囲気はある。勝ち馬は異次元の内容を示しているので比較対象にはならないが、2~4着馬とはそう差の無い結果。終始掛かり気味だった事を考えれば渋馬場の長距離重賞ならば…という所は見せたと思う。
ヒートオンビート 6着
【決め手】好発、控えて中団外目・3~4角外から動く・最後1F脚色鈍る
キングオブドラゴン 7着
【決め手】好位内目追走・3~4角置かれ気味・直線半ばで失速
マイネルファンロン 8着
【決め手】後方待機・3~4角内通す・最後1F脚色鈍る
アスクビクターモア 9着(1人気)
【決め手】出負けで後方待機策・不良馬場の持続力勝負で良さ引き出せず
そこそこ大きな出負けもあって序盤は最後方も、正面スタンド前までに中団後方の位置まで押し上げてくる。道中はそのまま中団後方で控える形から3~4角は内々を回して、4角から直線入口で外に持ち出して直線へ。しかし直線は内にモタれるなどして全く伸びず。最後1Fは失速気味でそのまま流すような感じでゴール。
まぁ結構大きな出負けで位置取りが後方になったのは痛い。道中押し上げるタイミングも無くそのまま中団後方で進めて、3~4角は内を回るなどの工夫をしてみたものの肝心の直線がサッパリという内容。最後方待機だったライラックが4着、自身より少し前目だったボッケリーニが2着に来るなど後半で持続力を発揮した馬がいるだけに、位置取りだけの問題では無いのは明らか。まぁ不良馬場で力の要る馬場が向いていない可能性は高いし、同時に持続力勝負で全くダメという事も証明した内容。1人気を裏切る結果となって残念な内容ではあるが、馬場と展開の適性面である程度の判断材料が出来たという事で前向きに受け取るしかないだろう。高速馬場、後半SP持続力勝負の展開という自身が得意の形になれば当然巻き返しは出来ると見る。
カントル 10着
【決め手】中団前目追走・3~4角置かれ気味・直線半ばで余力ナシ
アリストテレス 11着
【決め手】行き脚つかず中団後方・3角で動く・4角余力ナシ、ヤメ
コトブキテティス 12着
【決め手】後方内目追走・4角で動く・直線余力ナシ、後方侭
【見直しの余地アリ】
マカオンドール 5着
(道中終始掛かり気味、2~4着馬とは僅差で折り合いついていれば?という内容)