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競走馬個別メモ 2022 天皇賞・春 タイトルホルダー


天皇賞・春 勝ち馬 タイトルホルダー
主な戦績:天皇賞・春(G1・2022)菊花賞(G1・2021)

作成日:2022.5.2

競走馬特性面 

SM1【後半型】【前後半型】【万能型】【総合力勝負型】【SP持続力勝負型】
やや緩めから平均寄りで流れる展開での総合力勝負型。ある程度の位置取りからひと脚を使って抜け出す形(後続を突き放す形)で無類の強さを発揮する馬
【専用メモ】先行力 ゲート良 スタミナ型? 
【所感メモ】---
作成日:2022.5.2

過去成績・データ(2022.5.2時点)

前走:天皇賞・春(G1・阪神芝3200m)

タイム・着順・馬場状態・着差
3.20.0 1着(稍重)-1.1秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 SP持続・失速型 60.5-60.3  
平均ペースだが中盤でかなり緩んでいて、さらに後半5F目から再度加速していく後半SP持続力勝負の展開。その中で最後の1Fで大きく失速していて、稍重の馬場状態を考えてもかなりタフな競馬になっている。最終的には持続力勝負のような雰囲気だと思う。

予想コメント
調教◎ ハナ切り菊再現・楽しみ
【調教】馬体充実動き目立つ
★実績上位 緩い流れで加速が効く形を作れれば

個別レース回顧
【出し切る形・主導権握る・ペースの緩急を生かし切る・勝負所で加速、後続突き放す・後半の持続力見せる・後続を寄せ付けず・圧勝】

【押して主導権握る】【単騎逃げ】【3角で動く】【4角~直線序盤で後続引き離す】【直線伸びきる】【圧勝】

発馬五分も押して押して一気にハナを取り切る形。そのまま勢いに乗って単騎逃げの形になった上に前半からマズマズのペースで引っ張って1000m通過で60.5秒の流れを演出。2角から向こう正面に入る頃にはグッとペースを落として後続集団を引き付け、3角手前からジワッとペースアップし、3角過ぎから4角にかけて後続を突き放しにかかって直線へ。直線序盤で伸びを見せて後続を完全に突き放す格好。最後の1F地点では完全なセーフティーリードを得ていたが鞍上は気を抜かさずに最後までしっかりと追い続け、結局は2着以下に7馬身の差をつける圧勝だった。

先手を取って序盤からある程度の流れを作り出すが中盤で緩めて息を入れ、3角手前から再度ペースを上げて4角から直線序盤で一気の加速を見せて完全に後続を突き放してそのままゴール。完璧すぎるレース運びであり、後続の馬はこれに全く対応出来なかったという感じ。特にコーナーのキツイ3~4角付近で11.5秒という加速を引き出していて、ここで明確に後続との差をつけたように見えた。前半からある程度流れる展開を自ら作り出していて、尚且つ後半で加速力と持続力の両面を見せて他馬を一切寄せ付けずそのまま押し切り。3200mという距離もあって後続馬はこの馬の作り出す展開で消耗度が大きく後半要素を引き出せないまま終わっており、展開面での適性の差を見せたと言っていいと思う

陣営・騎手コメント
(横山和生騎手)
「返し馬から雰囲気の良さは感じていたので、タイトルホルダーと仲良く走ろうという気持ちで乗りました。GIを初めて勝ったというよりもタイトルホルダーとこのレースを勝てて嬉しかったです。前走乗せて頂いての今回踏まえての競馬だと思っていたので、しっかり出していって折り合いにも不安はなかったのでタイトルホルダーを信じてリズムよく、と思って乗っていました。息を入れたいと思ったタイミングで馬がスっと息を入れてくれたのでこのペースになりました。まずは結果を残せたことは今回の仕事を果たせたと思うので、タイトルホルダーはまだまだグッとよくなる馬なので応援お願いします」

2走前:日経賞(G2・中山芝2500m)

タイム・着順・馬場状態・着差
2.35.4 1着(稍重)-0.1秒差
レース展開
S(スロー)後半型 SP持続・瞬発型    
緩い流れで後半5F目から徐々にペースが上がって行く形で、最終的には直線の加速勝負の展開。中盤で13秒台が2ハロンあったように中盤での緩みが顕著なレース。稍重ではあったがそこまで馬場に影響を与えるほどの渋化は無かったと思う

予想コメント
調教◎【休み明け初戦】貫禄の違いを・この馬向きの条件
【調教】仕上がり万全
★休み明け初戦 中山実績豊富 実績上位 相手関係は楽に 地力の高さで

個別レース回顧
【出し切る形・主導権握る・自身の得意パターン?・直線の加速と持続力見せる・相手関係に恵まれ?・辛勝?】

【好発】【押して主導権握る】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前追撃振り切る】

まずまずの好発から押して押して主導権を取り切る形。ただハナを取り切るや否やペースをグッと落としにかかって序盤から緩い流れを演出。2角から向こう正面でさらにペースを落とし込んで13秒台のラップはで刻む流れから、後半の5F目からジワッとペースを上げて3角からは11秒台の加速ラップを刻んで4角から直線へ。4角で後続に迫られ直線半ばで加速を引き出して突き放しにかかるが中々振り切れない。最後の1Fでえは内外の馬に迫られて捉えられたかに見えたが、ゴール前でもうひと踏ん張りが効いて2着以下をクビ差退けての逃げ切り勝ち。

逃げ切り勝ちを収めたものの道中のペースを緩めすぎ…という感じで最後の1Fではスローの加速型の馬に肉薄されて捉まりそうな雰囲気だったが、最後は何とか押し切った格好。本来はもう少し流れる展開や、持続力勝負の中での加速勝負という形に持ち込んでも勝ち負けできそうのだが、鞍上も前走(有馬記念)で最後は止まった経験もあってかスローの加速勝負を選んだような感じ。ただこの形でも押し切ってしまう程なので地力の高さを認めつつも、この形で差し切れない他馬を指してレースレベルの低さも認める必要があるかもしれない。

陣営・騎手コメント
(横山和生騎手)
「ホッとしています。有馬記念で乗せていただいたイメージを大切に、次もあるので、この馬のリズム、雰囲気を感じながら競馬をして直線を迎えました。(直線は)さすがですよね。道中の走りも課題があるような走りで直線を迎えたので、正直厳しい戦いになると思ったんですけど、底力というか、タイトルホルダーの力に助けられました。今後? 次が本番なので。ここで満足することなく、少しでも良い絆をつないで、次に向かえればと思います」

(栗田徹調教師)「気持ちで動くタイプで、最終追い切りでは手前を替えなかったり、芯が無い感じの動きだったりしました。このメンバーなら何とかしてくれると思いましたが、馬がよく仕事をして、地力で粘ってくれました。良い時は芯が入ってアクションが良いのですが、まだブレがある感じです。今日は休み明けもありますし、更に状態が上がっていって欲しいです」

3走前:有馬記念(G1・中山芝2500m)

タイム・着順・馬場状態・着差
2.32.5 1着(良)0.5秒差
レース展開
H(ハイ)前半型 持続型   
序盤から程度流れる展開からの後半持続力勝負の展開。後半というか正面スタンド前からほぼ12秒台半ばから12秒台前半を最後まで刻み続けるロングスーパート戦。最後まで大きく失速していないし高い次元の持続力が求められた形。前半が速い流れなのは逃げたパンサラッサのラップ推移になるが、2番手追走のタイトルホルダーの位置でも平均ペースに近い流れになると思う。

予想コメント
調教○ 夏を越し成長・枠順よりレースの形重視
【調教】躍動感出る
★高い先行力がある馬で、大外枠からでもある程度前目の位置につく事は出来そう。ただ基本的に前々で運んで要所の加速の鋭さで後続を突き放す形を得意としているだけに、同型や後続の勝負所での出方が最大のカギとなるタイプ。自身は高い次元での持続力にはまだ?がつく印象で、直線序盤でいかに楽な形で迎えられるかがカギ。

個別レース回顧
【出し切る形・展開向かず・脚貯めきれず?・後半持続力勝負で見劣り・一番厳しい競馬・地力の高さは示す・完敗】

【好発】【好位追走】【3角で動く】【4角先頭】【直線伸びるも】【最後1F脚色鈍る】【最後1F後続に交わされる】【完敗】

好発から押して好位を取りに行く形になって1周目の3角で早々に好位のインを確保し、最終的には逃げるパンサラッサから4~5馬身離れた2番手を追走する形。2周目の3角で押し上げに行って逃げ馬との差を詰め、4角で一気に仕掛けて行って前を捉えて先頭に立って直線を迎える。しかし直線での伸びが今一つで最後の1Fで1.2着ばに交わされると残り100m付近で3.4着馬にも交わされて結局は0.5秒差の5着完敗。

道中の運びや動き出しの位置に問題は無かったと思うのだが、単純にこの流れる展開では直線で後続を突き放すだけの余力が無かったという事だろう。ラップ推移的には中盤で12秒台半ば、後半で12秒台前半を最後まで刻み続ける展開であり、その中を好位追走という形だから後半の脚を貯めきる余裕は無かったように思える。ただ自身も6着以下には0.5秒もの差をつけている訳で、しかも前述のように好位で運んで自分から動いて行っての結果。自身の得意ではない展開で、さらに結構次元の高い持続力勝負という流れで0.5秒差なら地力の高さを十分に示したと思う。

陣営・騎手コメント
(横山和生騎手)
「調教の時から不安はありませんでしたし、その通りの競馬ができました。リズム良くいい競馬ができて、一瞬夢を見ました。目標にされる立場でも、一線級の相手に力のあるところを見せられました。プラス12kgも成長分です」

過去見所レース(ベストレース)
2021.10.24 菊花賞(G1・阪神芝3000m)

タイム・着順・馬場状態・着差
3.04.6 1着(良)-0.8秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 後半SP持続型 60.0-59.2
平均ペースの後半SP持続力勝負という形だが、中盤区間でかなりのペースダウンが起こっての後半の再加速戦という形。結果的に3000mという距離に対する対応力というよりも単純な位置取りの差が明暗を分けたような気がする。

予想コメント
調教○ 前走無視見直す・持ち味生かしたい
【調教】好気配示す
★距離対応カギ 展開カギ 立ち回り嵌れば 前走度外視 内枠好都合

個別レース回顧
【出し切る形・自分の得意の展開に持ち込む・要所の加速力生きる・完勝】

【好発】【押して主導権握る】【4角から後続突き放す】【直線序盤から半ばで後続突き放す】【G前後続の接近を許さず】【完勝】

好発から押して押してハナを奪取する形。ハナを奪うのに行き脚がついた影響もあったが前半からそこそこの流れになって前半1000mは60.0秒の流れを演出。1角から向こう正面にかけてペースをグンと落として3角では後続の接近を許すが、2周目の3角以降で再度ペースを引き上げて4角から直線入口では後続を突き放して直線に向く。直線ですでに後続に2馬身のリードを築き、半ばでは再び突き放してリードを広げるとそのリードを保ったままゴール。終わってみれば後続に5馬身の差をつける完勝だった。

押してハナを奪取して自分の形のペースを演出。序盤こそ脚を使った感はあったが、中盤で息を入れての3角からの再加速戦という形で自身の強みをより引き出してきた印象。特に3角以降でペースが上がった時に脚を使って後続を突き放すことに成功するなど、要所の加速力を最大限に生かしてきた印象は強い。主導権を握ってコースロスの無い競馬が出来たにせよ、最後は後続を突き放す形を見せたのだから当然完勝と言っていいだろう。ただ3000mの距離ではあるが展開的には後半のSP持続力勝負の中での加速力がモノを言った形の内容。長距離での純粋な持続力勝負となるとまだ何とも言えない所はあると思う。

陣営・騎手コメント
(横山武史騎手)
「前走(セントライト記念13着)がひどい競馬だったので、そのぶんのリベンジというか、より一層勝ちたいという思いがあり、それを結果に出せて良かったです。この距離は長いと思ったのですが、終わってみれば強かったです。馬の力を信じてあげられず、恥ずかしいです。いつも力みやすいというか、真面目すぎるところがあるのですが、行ってしまえばリラックスできるので、無理してでもハナに行こうと思っていました。馬が結構やる気でケンカしてまでペース落とすより、リズム良く運ぶことを心がけました。馬は余裕あったかもしれませんが、ジョッキーは余裕なかったです。(自身は皐月賞のエフフォーリアに続く2冠となり)できればダービーも取りたかったのですけど、違う馬ですが、こうやって2冠を取ることができ、何より頑張ってくれた馬に感謝したいです。真面目すぎるところが長所でもあり、欠点でもあるので、それを使い分けられるようにスタッフと一緒に馬と歩んでいけたらいいと思っています」

【競走馬個別データに関する注意事項】

☆ここで掲載している競走馬個別メモは個人的な予想メモと見解を纏めたものです
☆予想コメントと調教は当時の専門紙のもので、★欄のコメント、レース回顧は羽柴の個人的なメモになります。
☆各種コメントは主に重賞レースのものになります。オープン、条件戦などは予想、レース回顧をしておりませんし、騎手コメントもありません

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