チャレンジカップ　2021　回顧

【レース展開】

Ｓ（スロー）後半型　SP持続・瞬発型　62.9-58.1
13.3-11.9-13.0-12.5-12.2-12.4-11.7-11.6-10.8-11.6

かなり緩い流れから後半４ＦのＳＰ持続力勝負。その流れの中で直線半ばで鋭く加速を問われる展開。後半４Ｆ目と２Ｆ目の加速にどう対応してくるかが一つのポイントになったと思う。

ソーヴァリアント　1着

【出し切る形・得意の展開・後半ＳＰ持続力で加速力の違い見せる・完勝】

【好発】【好位追走】【4角馬なり】【4角で動く】【直線序盤で伸びる】【直線半ば後続突き放す】【最後１Ｆ伸び続ける】【完勝】

好発からスッと前につける形でスンナリと2番手の位置を確保。道中は逃げるマイネルフラップ（8着）の半馬身後方でぴったりとマーク（牽制？）するように追走。4角で馬なりの手応えで前に並びかけに行って直線入口で先頭に。直線序盤で仕掛けられると加速を見せて楽に抜け出して、直線半ばでは後続を突き放しにかかる。最後の１Ｆもそのまま伸び続けて半ばで築いたリードを保ったまま余裕でゴール。結局後続には3馬身半（0.6秒）の差をつける完勝だった。

自身が得意とする流れでもあり、後半のＳＰ持続力勝負の中で他馬とは違う所を見せての完勝。特に直線序盤から半ばで一気に伸びていた区間のラップが10.8秒という数字であり、鋭い加速力を見せて来たという印象。前半があまりにも緩い流れだから脚が貯まったという面もあるとは思うが、このメンバー相手ではあまりにも違いすぎる脚を見せたと思う。まぁ時計を要する馬場であり、様々な要素がこの馬向きの形になったと思う。これで高速馬場の東京コースにも対応できるようになってくると今後の展望は明るくなると思うのだが…これはまた別の話か。

ヒートオンビート　2着

【出し切る形・得意の展開・直線加速の違い見せる・勝ち馬には完敗】

【出負け】【中団待機】【3～4角内通す】【直線序盤ジリ伸び】【直線半ばで伸びる】【Ｇ前追撃封じる・2着】【完敗】

若干出負け気味だが中団の位置を楽に確保。3角で少し馬群に包まれる格好になってから3～4角は内目を回して進出し、4角で動いて直線に向く。直線序盤では他馬と同じような脚色でさほど目立った伸びを見せられないが、半ばでエンジンが掛かって力強く伸びて来る。最後の１Ｆからは前との差が開いていたが楽に2番手は確保する感見えたが、ゴール前で外から一気にペルシアンナイト（3着）が迫ってきたがこれを何とか退けて2着を確保した。

展開的にはこの馬向きだった感じがあって、後半のスピード持続力勝負の中である程度の加速を見せて来たという印象。ちょっと勝ち馬（ソーヴァリアント）の脚色が違い過ぎたので、印象に残りにくいがこの馬もそこそこの末脚を使ってはいる。ただ最後の１Fでひと押しが利かなかったのか最後は3着のペルシアンナイトに詰め寄られている事からも、使える脚そのものはそこまで長くない可能性はある。緩めの流れなら確実に末脚を使ってくるので安定感はありそうだが、高いレベルの重賞になってくると持続力の差という面でワンパンチ不足する場面が出てくるかもしれない。

ペルシアンナイト　3着

【出し切る形・後半勝負に徹して・直線の加速力で若干見劣り・完敗】

【出負け】【中団待機】【4角で動く】【直線伸びる】【最後１Fしぶとく伸びるも】【Ｇ前接戦も・3着】【完敗】

出負けしたが比較的早めに中団の位置を確保。3角まで中団やや外目でジッと待機して、4角から徐々に進出を開始して直線序盤で外目に出して追い出しを開始。直線は外から力強く伸びては来たが残り１F地点ではもう勝ち馬（ソーヴァリアント）が完全に抜け出している状況。それでも何とか最後までしぶとく伸びを見せて、後方から馬場の中目を衝いて伸びていたヒートオンビート（2着）に際どく詰め寄ったがアタマ差及ばず3着まで。

中団からの競馬だったが比較的追い出しを我慢する形で直線勝負に賭けるような感じの乗り方。この馬自身としては後半勝負の形である程度末脚も引き出してはいるのだが、あくまでも勝ち馬との比較ではやはり完全なキレ負け。時計の掛かる馬場傾向ではあったが、直線半ばで鋭く加速を問われる形ではこの辺りが限界というところだろうか。それでも一時期に比べて末脚は安定して出せるようになっているし、緩やかな下降線を辿ってはいるがまだまだやれそうな感じはある。ただこのメンバー構成なら着順はともかくとして、もう少し前との差をつめて欲しいのだが…。

ジェラルディーナ　4着

【得意の展開も・少し折り合いを欠く？。内外の馬場差？・末脚発揮出来ず・勝ち馬には完敗】

【中団待機・内】【道中若干掛かり気味】【3～4角内通す】【直線最内から伸びるも】【直線伸びきれず】【最後１Ｆしぶとく伸びる】【完敗】

発馬五分から中団内目を追走。道中は若干行きたがる素振りを見せ、やや折り合いに苦労するような感じも。3～4角は内目を通して直線も最内のラチ沿いから伸びて来る。しかし直線序盤での加速でモタつき、半ばでようやく伸びを見せたがそこまでの加速を見せられない。しかし最後の１Ｆでしぶとく内から伸びを見せてゴール前で4着にまで浮上したが、勝ち馬には0.8秒の差がつく完敗だった。

終始内々で立ち回って勝負所でやや包まれ気味になって…という印象もあったのだが、鞍上の方が馬群に入れて折り合いを重視したかったのかなという感じ。実際少し行きたがっていたし、折り合い面を重視したが故の結果と内容になったような気もする。その折り合い面がどこまで尹狂したかは分からないが、直線も最内を衝いたものの進路の確保そのものは楽だったはずだが、馬場の悪い所という事もあって少し伸びを欠いた感じ。それでも最後の１Ｆでも脚色が衰えずむしろ逆に少し伸びていたのでは？と思える脚色を見せていたは評価したいところ。次走また異なる条件で改めて見直してみたいと思う。

スカーフェイス　5着

【後半勝負に徹するも・展開向かず・直線加速力の差出る・力負け】

【中団待機・後】【3～4角内通す】【直線入口で動く】【直線外から伸びるも】【最後１Ｆしぶとく伸びる】【Ｇ前バテ差し・5着】【完敗】

発馬五分から中団内目やや後方という位置取り。3角で他馬が動き始めても自身は後方内目でジッと待機。4角でもまだ我慢して直線入口ようやくゴーサイン。直線序盤から半ばで進路を探し探しの状況ながら外目に出してようやく伸びを見せ始める。最後の１Ｆはさらに大外に持ち出してさらに伸びを見せたが、上位の馬を捉えきれるだけの脚は見せられず。ゴール前で内の馬の脚色が鈍った所をバテ差しのような形で突っ込んで何とか5着を確保。

内々を立ち回る形で勝負所でも追い出しを我慢して直線勝負に徹する形。それでも直線の加速で他馬と違った面を見せることが出来ず、最後はバテ差しの形でようやく5着確保。勝ち馬からは0.8秒もの差がついたし同じく後方から差し込んだ2.3着馬に対して0.2秒差という内容で、直線の加速力という面でまさしく完敗の内容になったと思う。まぁスローの流れがあっていた感じもないし、もう少し流れる展開で加速力を問われない形が理想なタイプだけにこの展開では仕方ない結果とも言えるだろう。

マイネルウィルトス　6着（3人気）

【出し切る形？・中途半端な競馬？・展開向かず・後半要素、直線加速力で見劣り・完敗】

【後方待機→中団・外】【3角手前で動く】【4角外から動く】【直線伸びきれず】

発馬五分も下げて後方からの競馬。3角手前で外から動いて中団外まで押し上げ一旦ここで待機。4角で再度外から動き出して行って直線入口で外に持ち出して追い出しを開始。しかし直線半ばの加速競争に対応出来ない感じで伸びを欠き、最後の１Ｆも大した脚色では無く雪崩れ込むようにしてゴール。結果は掲示板を確保できずに6着だった。

3角で早めに動いていく形だったが位置取りを上げた地点で一旦待機する形。そして4角で再度動き出していく…という形で少しチグハグな競馬にしてしまった印象。結局後半のＳＰ持続力勝負になって、しかも緩い流れのままだったので直線で加速を問われた地点で対応できなかった感じ。3角で動いて行った後にそのまま捲って持続力勝負に持ち込めていれば…という感じはある。まぁこの辺りは鞍上の判断に委ねるしかないし、緩い流れを後方からの競馬を選択した時点で勝負は決まっていたのかもしれない。