梅雨真っ只中の曇天の下、一人会社へ向かうバスへ乗る。会社までの約10分、そんな短い時間がなんと長く感じることか。お願いだから、まだ着かないでくれ。そんな思いも虚しくバス停を降りる。今日も一日が始まる。

世界は誰かの仕事で回ってる、そんなフレーズが心地よく音楽に乗って聞こえてくる。腑に落ちた気分であった。世界は、社会は進まずその場でぐるぐると形を変えて回ってるのだ。「誰か」を「誰か」にすげ替えながら。#100文字創作　#創作初心者　#100文字小説　#物書き初心者

ああいい映画だった。自分が主人公だなんてちょっと照れるけれど、君との出会いをあんな劇的に表現するなんて監督には感謝しなきゃ。おや？君も感動してくれたんだね。一緒に見れてよかったよ。ああいい人生だった。

その日は分厚い雲のかかる、見上げるにはちょうどいい仄暗い空だった。車に乗り込み、標識越しに空を見る。もう少ししたら雨が降りそうだ。降るならいっぱい降ってくれ。貴方が少しでも長く、此方へ居られるように。 #100文字創作