麻雀放浪記3:作者・阿佐田哲也は麻雀で徹夜をすることが多く、ペンネームは「ああ、朝だ。また、徹夜か」との言葉からと言われている。また、本名の色川武大(たけひろ)の「武大」は父親が中国の小説『金瓶梅』の登場人物・武大(藩金蓮の夫)から名付けたもの。武大は水滸伝の武将・武松の兄。
明華:武田を殺す為日本に派遣された3人は中国の暗殺集団・明華のメンバー。中国四大奇書の一つ『金瓶梅』の登場人物からコードネームを取っていて、長女が李瓶児、次女が藩金蓮、三女が龐春梅と名乗っている。金瓶梅は富豪・西門家で起こる当主と女性達の関係、女性同士の争いを書いた小説。
金瓶梅:きんぺいばい。中国四大奇書の一つ。四大奇書とは「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」「金瓶梅」を指す。四作品の中で金瓶梅が特殊なのは一人の作者によりプロットも展開もきちんと練られた作品となっていること。他の作品は複数の作家による文章の集合体と言われている。
章回小説と詩 -4 前回の結果を元に、章回小説の大まかな形式をまとめてみました。どこかに章回小説の定義があるのを見たという訳ではなく、あくまでも筆者の解釈です。章回小説を書いてみたい方、参考になさってください。基本、白話(口語)小説なので馴染みやすい文体で書けばよいと思います。
章回小説と詩-3 簡単ですが、章回小説の副題の対句と始まりと終わりの決まり文句をまとめてみたので特徴を述べます。まずサブタイトル。封神榜だけ対句ではありません。終わりの決まり文句は紅楼夢は決まり文句のバリエーションが多く、三國演義、水滸伝、西遊記はほぼ同じ様に見えます。
章回小説と詩 -12 そして次は金瓶梅です。本作は、内容的にはいわゆる叡智小説として知られていますが、講談を先祖に持つ水滸傳等と違い、最初から作者が聴衆ではなく読者を意識して書いたという点、当時の庶民の文化や生活描写が豊富で文化史の研究的価値が高いという点で画期的です。
章回小説と詩-2 中国の有名な章回小説としては三國演義、水滸伝、西遊記、紅楼夢、金瓶梅、封神榜があります。共通点としては、全編を通じて詩が散りばめられている事です。日本人は詩心が薄いのか、完全訳以外では詩の部分を省略する場合が多く、筆者も原文を見るまで存在すら知りませんでした。