花見の季節――白幡洋三郎さんの『花見と桜』(PHP新書)によると、それは「①たくさんの桜の木、②それを愛でる群衆、③酒とご馳走の饗宴」の三要素で成立します。こうした習俗は日本以外には存在しません。寒い冬の後の春の訪れを貴賤・貧富を超えて共に喜ぶ日本人の特質を見事に映し出すのです。