ただ生きる、即ち、ただ生命を維持することに何の意味があるのだろうか。自分のことだけ考えれば、そんな発想に至ってもおかしくはないのかもしれない。だが僕は、祖母の死を経験した時、臨終の間際まで生きて欲しいと願った。本人は、早く逝かせて欲しいと思っていたかもしれないが、僕は願ったのだ。