『風の神話4』 「来たか…」 冷気を纏ったボレアスが近づいて来たのを感じる。 「主様。お久しゅうございます」 「息災で何よりだ。が、あまり荒ぶるでないぞ」 「私とて不本意なのです。しかし、人には時に試練が必要でございましょう」 憂い顔のボレアスを、アイオロスは不憫そうに見送った。