仲間とね、新芽を探しに行く。 私たちは初夏と一つになる。 『初夏』
乳房炎を患っている。すると牛乳の中の体細胞数(免疫細胞)が増加するので出荷基準を満たせない。患った個体の牛乳は出荷できないから一頭個別に搾乳されている。けれど牛体がキレイだし発熱もなく、元気そうだ。早く復帰して欲しい。牛乳は酪農家にとっての唯一の糧であるから。 写真 小幡マキ
牛たちの寝床がキレイになっている。放牧帰りだろうか?気だるくて、スローだ。ゆっくりと動くことにする。牛たちは少しだけ、草が太陽から受けた恵みを人に分け与える事が出来る。 『今からゆっくり仕事をする』 写真 小幡マキ
予感がする。 ピーンと空気が張り詰める。 思考しない。 ただ研ぎ澄ませる。 『予感』 写真 小幡マキ 文 大崎航
春を待ちわびていたら、あっという間に初夏が来た。ささくれ立っていた日々はすっかり忘れさられて。また、景色の一部になる季節が来ていた。 『放牧』