みずから望んで決行したことなのに 偽る余地の無い実感として 女の身になるのは、転落 まるで底の無い沼に沈んでゆくように この地上は男のもの 地上は極度に視覚化された世界で 視覚は男のものだから 女は男の欲望に応えて ただ地上を彩るだけ この世に男尊女卑は必然で 女はただの収穫物
胸の膨らみよりも お尻の大きさよりも 『女になってゆく』ことが 恐ろしく感じられたのは 何よりその身体の柔らかさだった おっぱいは許せるけれど 脚をあげると 柔らかな太腿の肉が揺れる 腕をあげると 柔らかに二の腕が揺れる 性欲の客体として魅惑的な肉 自分がそれである恐怖と絶望