OLTA創業初の全社合宿1(企画編)
OLTA(オルタ)でエンジニアリングマネージャをやっている、橋山です。
OLTAは、2019年10月17日・18日に創業初の全社合宿(1泊2日)を実施し、そのプロジェクトリーダーを務めました。合宿は成功裏に終わったのですが、合宿実施までの様々な議論、合宿実施中に気づいたことや反省点などをまとめておこうと思い、noteを書くことにしました。
OLTAについては、弊社代表取締役の澤岻が記事を公開しておりますので、下記を参考にしてください。
文章全体が1万字近くになってしまったので、企画編・実施編に分割してお送りします。本記事では主に合宿実施までの背景や準備について紹介します。
構想編1:合宿のプロジェクトリーダーになるまで
私は2019年9月1日にOLTAに入社し、およそ2週間で合宿のプロジェクトリーダーを引き受けるチャンスが巡ってきました。プロジェクトは既に動き出していましたが、合宿実施日のみがおぼろげに決まっている状態で、その時点では合宿の内容や施設はまだ決定していませんでした。
私がプロジェクトリーダーを引き受けたのには2つの理由があります。
(1)社内メンバーと広くコミュニケーションできる
(2)プロジェクトマネジメントの経験が応用できそうだった
入社歴が浅い自分が会社に貢献するためには、部署の垣根を超えて周りの協力を得ることが不可欠です。個人的に、全社員と個別にランチに行くなどの活動は行なっていたものの、より深い信頼関係を築くためには合宿のプロジェクトリーダーという立ち位置は魅力的でした。
また、前職ではエンジニアリングマネジャーをやりつつも、わりと大きめのプロジェクトをマネジメントしていた経験があります。そのため、合宿をプロジェクトに当てはめることで、やることがおおよそ想像できました。
構想編2:なぜ合宿が必要だったのか
OLTAは創業3年目となり、社員数も30名近くになってきました。採用時にカルチャーフィットをかなり重視することもあり、社内のコミュニケーションは比較的良好です。
それでも、様々な会社から中途で入社したメンバーを共通のミッションやバリューに基づいて巻き込んでいく上で、日頃の業務で小さな摩擦が生じたり、メンバー間でバリューの解釈に差がでたりするなど、いわゆる「30人の壁」が顕在化しつつあったことが合宿を考えるようになったきっかけです。
カルチャーデックや取材記事などを通じて、代表の澤岻や経営陣の考えるミッションやバリューを発信し続けてはいますが、普段の業務で忙しい中、多様な背景を持つメンバー全員に行き渡らせるのは困難になってきました。
これらの組織の成長痛に対し、日頃の喧騒を離れ、非日常的な空間で寝食を共にすることで、メンバー全員が真摯にOLTAのミッション、バリュー、そして他のメンバーと向き合う時間を作るというのがこの合宿の狙いでした。
構想編3:どんな合宿を目指したか
合宿の設計を行うにあたり、他社の例を含めて調査を行いました。
その中でも、一番下の記事にあるMITダニエル・キム氏が提唱する「成功循環」は合宿の全体設計を考える上で非常に参考になりました(元記事)。
この図は、以下を意味しています。
・レベル1:関係の質が向上すれば、思考の質が向上する
・レベル2:思考の質が向上すれば、行動の質が向上する
・レベル3:行動の質が向上すれば、結果の質が向上する
・レベル4:質の高い結果は、関係の質の更なる向上をもたらす
記事の中では、どのレベルの合宿を実施する場合でも関係の質が高まっていることが重要であると言及されています。またそれぞれのレベルを達成するために必要な時間が、組織のサイズごとにまとまっていました。
今回の合宿の参加者は、正社員・契約社員・派遣社員・業務委託・インターン計33名です。合宿の日程は1日半を予定していたので、レベル2(思考の質の向上)までの実施が妥当であるという結論に至りました。また、全参加者に合宿の説明をするために、目的と目標を整理しました。
合宿の目的
- チームコミュニケーションの強化
合宿の目標
- メンバー同士の理解の深まり(関係の質の向上)
- 事業戦略・バリューへの理解の深まり(思考の質の向上)
この全体設計は、合宿施設や個々のアクティビティを決める際の指針として大変参考になりました。
準備編1:プロジェクトチームのキックオフ
ここからは合宿の実現に向けた準備について説明します。
前述した通りプロジェクトリーダーを引き受けたものの、プロジェクトの体制は整っていませんでした。幸い、プロジェクトチームのメンバーの指名は既に行われていましたが、その時点で合宿まで残り1ヶ月を切っていたので、早急にキックオフを行い、以下の確認を行いました。
・プロジェクト体制
・コミュニケーション方法
・スケジュールとマイルストーン
プロジェクト体制の確認では、私がプロジェクトチームのリーダーであることを明言し、各メンバーがプロジェクトチームとして合宿に一定のコミットを期待されていることを確認しました。
コミュニケーション方法の確認では、どのようなツール・会議体を用いるかを決定しました。Google Drive上に保存されたDocsやスプレッドシートをオンラインで編集することを基本としました。
また、普段の議論はSlackの専用チャンネルで行います。プロジェクトチームの共通認識として、できるだけオンラインで完結する議題はSlackで決定し、大きな議題を決める時のみオフラインの会議を開くようにしました。
スケジュールとしては、3週間という限られた時間の中で進める必要があったため、1週間ごとに以下のような大まかなマイルストーンを設計しました。
1週目:プロジェクトキックオフ、合宿の設計を確認
2週目:全体の流れについての合意、担当分け、施設の選定
3週目:アクティビティの概略、施設・バスの予約
4週目:アクティビティの詳細設計、事前準備の実施、そして合宿へ
2週目までは可能な限り全員で集まる時間を設けて、プロジェクトメンバー間の認識合わせに注力しました。3週目以降は、担当分けに従って各メンバーに作業を委譲し、全体設計との乖離を定期的に確認するのみとしました。
時間の制約がある中でかなり急ピッチで進める必要がありましたが、振り返ると、全体設計とプロジェクトメンバーが決まれば、4週間で合宿の実施にこぎつけられることがわかりました。
準備編2:合宿施設の選定
合宿施設の選定は頭を悩ませる問題です。プロジェクトチーム発足時は、以下のような選定基準がありました。
・35名程度収容可能
・研修可能(会議室、プロジェクター、ホワイトボード等あり)
・予算は移動費込みで1人2万円程度
・オフィス(青山一丁目)から1-2時間
・レクリエーション施設あり
・温泉大浴場あり
この基準で、当初施設を検討したところ、以下のレクトール湯河原が候補に上がりました。
しかし、全体設計と照らし合わせた時に、どうしても拭えない懸念が生まれます。それは関係の質を向上するための環境としては不十分ではないかというものです。
「関係の質」とはすなわち、メンバー同士が仲良くなり、お互いを理解し、本音で語り合えるようになることです。そのためには、懇親会やそのあとの自由時間の過ごし方がとても重要となり、合宿施設には多様なコミュニケーションニーズを満たす設備や導線が求められます。
レクトール湯河原はレベル2以降の研修施設としては条件を満たしているのですが、談話室の利用制限、コンパクトな部屋、レクリエーション設備が施設内に存在しない、などの点が不十分に思えました。
上記を再度検討した結果、以下のマホロバマインズ三浦が見つかりました。
最大10名まで宿泊可能な大部屋があり、卓球台・カラオケルームを施設内に完備していました。静かに寝たい人、大部屋で酒盛りしたい人、みんなと遊びたい人、部屋で議論をしたい人、など多様なコミュニケーションニーズを満たすことが想像できたので、最終的にここに決定しました。
なお、部屋の予約としては、大部屋を基本としつつも、体調が悪化した場合や個人的事情に配慮して、念の為個室を2部屋確保しておきました(マホロバマインズ三浦はシングルの部屋がなく、追加料金を払って通常の部屋をシングルとして使う必要があるので要注意です)。
準備編3:アクティビティの設計と事前準備
全体設計に従いながら、1日目は関係の質を、2日目は思考の質を高めることを目標に合宿全体を4分割しました。そしてプロジェクトチーム内で担当を決めて、それぞれのアクティビティの詳細を考えることにしました。
各担当から提案された具体的なアクティビティを元に、以下のようなタイムテーブルを作成しました。
また、事前準備として、以下を用意しました。
- 参加者全員が入ったSlackチャンネル
- 事前にタイムテーブルが確認できる旅のしおり(行程さんを利用)
- バスレクで利用するクイズの事前アンケート(Google Formを利用)
- 当日のバスの座席表、施設案内図&部屋割り(プリンターで印刷)
- 持ち物リスト(着替え、常備薬、遊び道具など)
その他、合宿のアクティビティで使うプロジェクター、マーカー、A3用紙などを準備しました。当日の写真撮影は社員の中でカメラを持っている人がいたので、依頼しました。
準備編は以上です。
実施編では、実際のアクティビティの詳細について紹介しながら、合宿当日のことを振り返ろうと思います。
実施編はこちら。
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