「三菱電機 ロボットで手ぶら観光の実証実験」の仕組みと課題とは?
概要
手ぶらで観光する仕組みを、自動配送で実現する試みです。
店舗で購入した商品をロボットが回収し、ホテルまで運搬してくれるものらしい。
今回は、仕組みとかかった費用、これを実施することで明らかになりそうな課題などを私の個人的な推測としてまとめる。
手順
ここでは、今回の実証実験で実際に行われているであろう、手順を推測する。
1.(観光客)宿泊するホテルからユーザ固有な番号を観光客へ共有する。
このユーザ固有な番号が、どのホテルに宿泊しており どの場所に届けるべきかのキーとなる。アプリケーションなどを開発している場合は、QRコードなどかもしれないが、実証実験であれば3桁の番号や英数字が管理が簡単であろうと推測される。
2.(観光客)ユーザがお土産を購入し、店員に渡す。
(店員)この時、ユーザ固有な番号を店員と共有する。
実際にお土産などを購入し、購入した店舗の店員に配達を依頼する。この時に、(1)で取得した番号を店員に共有する。店員はこの番号と荷物の紐付けを覚えておく必要があり、袋などに入れておきユーザ固有番号などを貼り付けて別の店員も判断がつく形で保管しておく必要がある。
当然ながら、この店舗が今回の取り込み参加していることを入り口に明示するべきだし、店員へのフローの周知も必須な取り組みとなる。
3.(店員)端末への配送依頼入力
配送を依頼するため、端末へ配送依頼とユーザ固有な番号を入力する必要がある。これを入力すると、配送用のロボットが次回の周回のときに店舗まで荷物受け取りに来る。
4.(店員)荷物の詰め込み
配送用ロボットが周回時に店舗まで来る。店員はそれを認識して予め袋詰されておりユーザ固有番号が記載された荷物をロボットに詰め込み、ロボットに詰め込んだ内容を入力する必要もあるだろう。
5.(ホテル店員)荷物入れ替え
配送された荷物は各店舗を周り、各ホテルに配送される。
ホテルについた場合、ホテル店員が手作業にて配送ボックスに積替えを行う。
6.(環境客)荷物受け取り
観光客がホテルに帰ってきた時に、ホテルに設置されている配送ボックス内の荷物を確認して受け取る。
これで、本仕組みとしての手順は完了である。
登場人物
手順が明確になったため、各種登場人物をまとめておく。
観光客
本仕組みを理解して利用する
ホテル店員
観光客に本仕組みの説明を行う。
配送用ロボットから荷物の入れ替え。
荷物が無いなどの問題発生時の対応も必要と思われる。
店員
観光客から荷物の受け取り。
荷物の配送依頼。
受け取った荷物のロボットへの入れ替えを行う
仕組み
モバイルアプリケーションを作成するとコストがかかるため、今回はWebアプリケーションのみで完結する仕組みを構築する。
画面推移
今回は、実証実験であることも考慮して、システム管理者とログインフォームを分けない形としている。また、システム管理についても詳細は複雑であるため、詳細は割愛している。
利害関係
私の想像する収益モデルはホテル側のサービスとして提供する形である。
この場合は、ホテル側から料金を受け取ればいいのでシンプルであり、その料金内で店舗への販促や仕組み提供を順次行っていけばいい形となる。
ただし、仕組み的に超高級志向の仕組みというより、少し上位のミドル層への提供になると思われるため、顧客に仕組み提供した場合に受け取れる額は1日あたり5000円程度かと思われる。
ホテル全体で仕組み提供する場合は50部屋ある場合は、常に50%埋まっている場合は売上は17.5万円であると想像する。
顧客(ホテル)への提供額は物理的な宅配ボックスと自動宅配ロボットのレンタル、仕組みの提供と操作タブレットのレンタルも含まれるかもしれないが総額でも月額20~30万円程度に抑えたいところである。(もう少し取りたいところでもあるが…)
これでもクラウドシステムとしては高価なので、かなり柔軟なサポート体制と運用体制も望まれる物と思われる…(大変だぁ)
課題
荷物が紛失する可能性
本システムのどこかで荷物が紛失する可能性があり、その場合にどこがどのように責任を取るかを明確にしておく必要がある。
また、荷物が実際にどこまで存在したのかを仕組み上で追えるようにしておいたほうが良いだろう。
配送ロボットに店員が気づかない
説明内でも記載したが、ロボットに気づけない可能性は高いと思われる。
気づけない場合、配送の遅れが発生して仕組み全体への問題へ波及する可能性もあるため、何らかの形で店員へ気づかせる仕組みは必要と思われる。
悪意ある店員
ホテル定員はある程度問題ないと思われるが、店員はアルバイトなどが対応する可能性がある。店員側が悪意がある場合に、荷物の盗難などの可能性が内在している。
総括
仕組み自体はシンプルだが、実際の仕組みとして動かそうとすると課題が大量にある事がわかる。いろいろな問題を個別に解決していき、柔軟な発想の元仕組みを変えなければ、ビジネス化する事はかなり厳しいと感じた。