「新入社員」と「新しい価値観を受け入れられない会社」はどちらが甘いことを言っているか?
新入社員の時期になると、聞こえてくるのは「最近の若いやつは」という言葉だと思います。
この言葉は本当に古くから存在していて、古代ギリシャの時代からあったようですが、この話を少し深堀りしてみたいと思います。
「最近の若いやつは」の意味
この言葉につながる言葉は「マナーがなっとらん」とか「XXXが出来ていない」というニュアンスの言葉が多いと思います。
つまり、意味としては 過去の若い人たちは出来ていたが、最近の方々はできていないから駄目になってきている という事です。
実際に衰退しているか?
2000年から2018年までの学力国際比較順位について確認したところ、下記のように実際に低下しているように見られます。
読解力 :8位→15位
数学的リテラシー:1位→6位
科学的リテラシー:2位→5位
また、点数自体も下がっていることもわかるため、学力は少しずつ低下していると思います。
その結果、過去と比べると見劣りする場合がある事は多いのかもしれません。
この結果は若い人が悪いのか?
学力が低下している問題は、若い人たちの努力不足なのか?
ここは、少し私の個人的な意見になるのですが 生まれてきたタイミングで人の優劣はそこまで大きくないと考えています。
つまり、この場合は「若い人たちの性能が低下してきている」のではなく「教える環境や教え方が学習低下を引き起こしている」ということです。
あくまでも環境全体なので、学校が悪いということではなく家庭環境や地域環境など全体を含めて原因になっていると思います。
言ったら解決する問題か?
人を批判すれば解決することは非常に少ないです。
それどころか、良くない結果しか存在しません。
過去に行われた心理学の実験で、ある学校で学力のテストを行い、その結果として先生に「今回のテストで分かったのですが○○君と○○君は成績が良かったです」と伝えました。この時に、これらの生徒は完全にランダム(成績に関わらず)に決めていたにもかかわらず、1年後の再試験では選ばれた生徒は殆どが学力が向上していたという話があります。
つまり、他者の思い込みに影響を受ける事があります。
例えば、上司が「よくない部下だ」だと思うと近い結果を出してくる可能性が高まる事があるかもしれません。
甘い事を言っているのは「言っている方」ではないか?
つまり、言っている側が甘い話をしていると感じます。
料理屋に入ってご飯を頼んで、出てきた飯が不味いと亭主に言ってもすぐには改善は難しいでしょう。
厨房に入って作り方を教えてあげるか、別の店で料理を頼むのはどうだろうか?