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父とシミ

前略
matsuonさんとお父様の「コーヒーチケット」、沁みました。
齢85の我が父もガンを患い、昨年から闘病中なのです。

それで、私もふと思い出しました。
「父とシミ」のことを。
えぇ、シミです。顔に増えてほしくないシワやシミの〝シミ〟。

3年ほど前のことと記憶していますが、
父が左頬に傷を保護する大きなガーゼを貼っていたのです。
転んでぶつけたのかと心配で、「どうしたの?」と尋ねると、
「シミをとってもらった」というではありませんか。
「はぁ!?」と驚いて言葉を失いました。
だって、父が顔のシミを気にして美容皮膚科の門を叩くとは!
……ちょっと、考えられなかったからです。
一瞬想像して、ブッと吹き出してしまいましたよ。

もちろん、父は美容皮膚科になんか行っていません。
話によると、近所の内科医に相談したのだそうです。
「ほっぺたの黒いのが気になるんです。だんだん大きくなってる気がするんですけど、皮膚ガンと違いますやろか?」
すると、医師が市民病院の一般皮膚科に紹介状を書いてくださった。
診察の結果、ただのシミでしたが、
気になるならと液体窒素で除去してくれたそうです。
保険適用で。

おお!その手があったか!!
私もとってもらいたいシミがいっぱいあるんです。
通常、美容皮膚科なら自費のところ、
皮膚ガンを気にして市民病院へ行けば保険適用。
お安くシミとりができるではありませんか。

良い方法だと思いつつ……。
振り返ると、日焼け止めも塗らず、プールや海で遊んで真っ黒になり、
背中の皮をめくっていた私の子供時代。
今、顔にあるのは間違いなく、
紫外線によるダメージで現れるべくして現れたごく普通のシミでしょう。
私はそれを指して、堂々と内科へ行く勇気がほしい。
                              かしこ



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