わたしの出産レポート
※これは記録用の個人的なメモ
※ほぼリアルタイムで書いていた記録
⚫︎2024年8月25日(日曜日
朝晩に1時間散歩
スクワット
猫トイレ掃除
オロナミンCを摂取
ベビーがなかなか降りないという事で、上記のジンクスを全て試した。後でわかるが、トイレ掃除はヒト用のでなくても大丈夫だったらしい
⚫︎26日(月曜日
⚫︎AM1:30
寝ていたところ腹に違和感を感じて起きる。出血混じりの水が出ていた。ナプキンをしていたため布団はセーフ
トイレに行くと、ポタポタと自分で制御できないタイプの液体だとわかった。たぶんこれは破水だ
産院へ連絡。すぐ来てくださいと指示を受ける
やや暑くて汗をかいていたのでシャワーを浴びようか考えたが、破水の場合は風呂シャワーだめなことを思い出しやめた
静かに妹を起こしたが、なぜかめちゃくちゃビビられた。わたしからしたら胸の上に動画を流しっぱなしのスマホを乗せたまま寝ている妹の方が不気味だった
産院に着き破水か否かのチェックをし、すぐに破水と分かりそのまま入院となった
外で待つ妹に連絡してもなぜか返事が来ず、返事待てずしまいでそのままスマホ含めた貴重品はしまわれて準備が進んだ。すまん妹
⚫︎AM2:30
内診では子宮口1〜2cmとのこと。まあまあ開き始めてるな、ベビーが出たがってるんかな?という印象
破水は多くなく、時折ちょろりと出てくるだけで危機感はあまりなかった
抗生剤の点滴開始。破水すると感染症が危ないので内診は必要最低限しかできないらしい
点滴位置が左腕の上のあたりで、ここから左手が不自由になった。そしてわりと痛い。しゃーなし
でかいナプキンを2枚使用した産褥ショーツに世話になることになった。おむつみたいでごわごわする。定期的に提出して破水量をはかるとのことだった
そのまま処置室に寝かされた
前駆陣痛だろうか、生理痛の痛みに似たものがあるもそこまで気にならずやや眠れた
痛むときにソフロロジーの呼吸を使いはじめる
(ソフロロジーは産院が推奨しているためNSTでビデオを見た時に覚えた呼吸法で、前々日にもYouTubeで見ていて、さらに紙にもやり方をメモしていたためよく覚えていた)
(昔はヒッヒッフーでお馴染みのラマーズ法が主流だったが、現在ではソフロロジーが主流になっている。腹の中のベビーに重きを置く呼吸法でわたしは気に入っていた)
⚫︎AM8:00
美味しい朝食
クロワッサンやサラダ、フルーツなど
腹の中のベビーが動きまくると陣痛のような痛みがあり、食事の手がいちいち止まった
クロワッサン美味しいねと体の中で話す
この10ヶ月、ただひたすらにバランスを考えた食事をしてきたからか、温かいクロワッサンにベリーのジャムをつけたものがめちゃくちゃ甘くて美味しく感じた
⚫︎AM9:00
先生の内診。サラっと終わる
最後のお通じが24日だったので、ベビーの衛生のために人生初の浣腸の指示があった。浣腸やばい。すごい出た
その後、お腹が張るたびに痛むようになりソフロロジー呼吸を継続して実行
寝ているよりベッド上部を起こしてあぐらの姿勢になるのが1番痛みを緩和しやすいと気付きそれからずっとその姿勢
少しずつではあるが、羊水が減っているため、よりベビーに酸素を送らねばという意識から、ソフロロジー呼吸がさらに定着した
なぜかベッドに座っていると尿意がなく、定期的に意識してトイレに行く事にした
⚫︎PM12:00
ごはんと煮魚などの美味しい昼食
こちらもベビーがよく動き以下同文
痛みがやや強くなっていたが、まだ不規則
生理痛よりやや重い鈍痛。呼吸で受け入れてかわす
ベビーに、いつでも大丈夫、出てきてもいいよと心で促す。出てきたらあーしよう、こーしようと考えながら呼吸をする
スマホもテレビもなかったのでボーっとしながら痛む度に呼吸とベビーへ話しかけ
⚫︎PM20:00
ごはんとお肉の夕食
ベビーはあまり反応しなかった。ジャムをたくさんつけたクロワッサンが好きらしい。わかる
腹の痛みが強くなってきて、時折刺すようなきついものが混じるようになる。キリキリ、キーンと痛みが骨に響く感じで足や尻に力が入る
呼吸をする際に右手が加わって、吐くときは下にゆっくり下げ、吸う時にスッと上げるを繰り返した
昔やっていた吹奏楽のロングトーンの練習を思い出した。より長くゆっくり息の続く限り吹き、出し切ったら胸ではなく腹を膨らませて息を吸う、腹式呼吸。その習慣がこんなところで生かされるとは
⚫︎PM21:00
歯磨きとトイレを済ませスマホを触らせてもらった
子宮口4cmで少しずつひらいてきているが、定期的な陣痛ではないから出産まではまだまだかかるだろうとのことだったので、その事を家族と旦那にLINEした
痛みは強めだが、呼吸していれば問題なくまだまだ我慢がきく状態だった
日勤の助産師さんにも夜勤の助産師さんにも、呼吸がうまい、普段からヨガをやっているの?と褒められて自己肯定感がぶちあがる。ヨガなんかやったことはない
⚫︎27日(火曜日
⚫︎AM0:00
この頃からウトウトしたり、痛みで起きたりを繰り返して時間の感覚が曖昧になった
暗くて時計が見えなかったせいもあるかもしれない
痛みがまた少しずつ強く、長くなる
キーンとした腹全体に響く痛みが多くなり、これが腰が痛いってことかな?となる
(妊娠中や出産で腰が痛くなるという話を聞いていたが、産まれてこの方、何時間も楽器を吹こうがデスクワークしてようが腰を痛くした経験がないわたしは最後まで結局腰が痛いがわからないままだった。わたしには腰がないのかもしれない)
強い痛みの時は手に力が入り体が震える。吸う時に腹を膨らませる腹式呼吸の動作がつらい
ただ、ソフロロジー呼吸をすることで、この痛みにも終わりが来る事を意識できた
痛みが引くと、バファリンを飲んで急に頭痛がなくなった時のようななんとも言えない幸福感?安堵感?を覚えた
立ち会い出産する人はこんな時間も家族と過ごして励ましてもらったり腰をさすってもらうのだろうが、わたしはひとりで呼吸に集中したかったので居なくて良かったと思ったごめん
時折夜勤の助産師さんが来てくれて痛みの感じを聞いてくれる。わたしはまあまあ痛いけど不規則な感じです〜と話していた
⚫︎AM2:00
この時すでに短い感覚でやばめな痛みに苛まれていたものの、自分の呼吸とベビーのパルスに集中しすぎていたためか時間の感覚があいまいだった
精神と時の部屋にいたらこんな感じだろうか
助産師さんがまた来てくれて内診。子宮口6cm開いていることがわかり、これは陣痛が始まってると判断される
しかし初産は陣痛始まっても早くても14時間くらいは掛かるという話で、ここからがまた長いねなんて話をした
気長にがんばろーくらいの感覚で焦りはなかった
⚫︎AM4:00
助産師さんが様子を見に来た時、痛みの感覚がいつの間にか5分ぐらいになっていて子宮口8cmまで開いていて産まれそうだと驚かれた
わたしは尚も時間の感覚がなく、精神と時の部屋に以下同文
それからすぐに、分娩室だろうか、まさに産む場所ですという設備の部屋に案内されて横になる
でかいテレビが天井についていて、自分の股が映るのではないかとヒヤヒヤしたが最後まで映ることはなかった
それからまたしばしまた陣痛と格闘。陣痛に腹をボコボコに殴られては耐える、少ししてまたボコボコに殴られて耐えるの繰り返し
必殺ソフロロジー呼吸はそろそろ限界だった
助産師さんが慌ただしくなってくる。いろいろな準備を始めた。尿道に管を通して尿の排泄をし、除毛をしてくれた。助産師さん何から何までありがとう
そこに来て、「何かを出したい感覚になったら言って」と言われ、初めてそれを意識する。たしかに、陣痛中に力を抜かずに逆に力を入れるとお腹にぐっと感じる。それを意識してから、本格的にソフロロジー呼吸がうまくいかなくなった。痛みで体の制御できずに力が入ってしまう
目をつむり、陣痛と呼吸とベビーのパルスにだけ集中した。ベビーの心拍が落ちてるのがわかる。わたしよりベビーがつらいだろう。早く出してあげないと、と思った
そんな時、助産師さんがわたしに酸素マスクをつけてくれた。ベビーに届くようにさらに呼吸を意識した
寝ていたベッドが少しずつ形状を変え始めた。最初は普通のベッドだったはずが、気がつくと足部分が開いて固定されて内診イスのような形状になっていた。すごい。最終的には分離してウェイブライダーになるかもしれない
助産師さんは臨戦体制。わたしはいつのまにか両サイドのハンドルを必死に握っている。体の構造を知り尽くしたすごい設計だ
そうこうしているうちに陣痛は短いスパンでやってきて、わたしは体をよじりながら痛みと戦う
痛い、痛すぎる。でも、マイナスな言葉を出さない、心にも思わないと決めていたので無心になって腹の中のベビーにだけ意識を集中した
陣痛はきたり来なかったりして痛みもまちまち。その陣痛はベビーが生まれたいとホルモンを出してるからやってくる。なら出してやらねばな
(実際、今考えたらめちゃくちゃ痛かった。2度と味わいたくはない。みんな無痛や和痛を使おう)
それから陣痛が来るたびに息を吸ったタイミングで踏ん張る事を指示されて踏ん張り始めた。いつの間にか助産師さんは2人になっていた
分娩台がまた変形する。半分寝転んだ姿勢でもしっかり踏ん張れる形状になった。やはり最終的には以下同文
それから陣痛が来るたびに痛みに耐えながら踏ん張る。が、すぐにゼーハーと息が切れる。体力と筋力のなさを感じる
陣痛がない合間も膣を遠慮なくグリグリされて痛む。そのグリグリが陣痛を促しているらしく、すぐに波が来る
助産師さんが「あたまが見えるよー」とどこかで聞いたことのあるセリフを言う。でも言われるとがんばろってなる
「上手!すごい!もうちょっと!」とはげましてもくれる。ありがたい。こんな時にも自己肯定感があがるわたしはちょろい
口がカラカラに渇いていて、喉がひゅーひゅーなっているのに気付いた。「水をください」とお願いしたらすぐにストローさした水がもらえた。そういえば部屋に入って初めて発した言葉がそれかもしれない。味気ない妊婦だな
そんな中、男性の先生がぬっとやってきた。多分6時過ぎくらい
おもむろに会陰部に麻酔をうち切開しだす。チクッと痛んだがそれだけだった
それまで基本的に目を瞑り続けていたが、目を開けて力を入れてと言われた。はじめて天井を見て踏ん張る
もう少しもう少し、と言われていたが、わたしには出てる感覚は何もなく、ただ痛み地獄の中で闇雲にお腹に力を入れていきんでいる感覚だった
それからすぐに最高の激痛が始まった
あ、これ何回も繰り返したらやばい。と謎の危機感感じて最後の力を使って踏ん張り倒した
それからすぐ、下見て!と言われ地獄の苦しみの中でなんとか下を見る
私の中からズルズルと引っ張り出される真っ赤で小さな赤ちゃんの姿を見た
⚫︎AM6:33
わたしと旦那の遺伝子を合わせ持った子が産まれた
出た瞬間に大泣きを始めて、先生たちがおめでとう御座いますとみんな声をかけてくれた。写真を撮ったりワイワイしている
そんな様子を見ながらわたしは、よく聞く感動して泣いたり、そんなことはまったくなく、痛みからの解放感で放心状態。脱力。抜け殻
ただそんな中でもベビーの健康状態は気になり身体的な特徴はないか、鳴き声はどうかなど冷静に見ているところもあった。いやな妊婦だ
産んだら終わりと思った?残念、まだまだ続くよ痛い事
助産師さんと先生がいろいろな処置をしていくのだが、胎盤を体の中から取り除くために外からグリグリするマッサージがこれまた痛い
産後の解放感をしっかり遮るめちゃくちゃな痛さに、お産でも出さなかったうめき声が出た
ここから足もつりだし、最悪なコンディションに加えて処置は続く。切った会陰の縫合だ。麻酔をしても痛い部分は痛い。お産の痛みで有耶無耶になってはいるが、普通だったらそんなとこチクチク縫うなんて気がおかしくなる怖さだろう
出産時の先生の仕事って妊婦に痛いことばかりで大変な役回りだなと思った
助産師さんが母や旦那に連絡を入れてくれた。久しぶりに昔の携帯を触った
⚫︎AM8:00
処置も全て終わったが、今度は後陣痛が痛い。点滴によって子宮がものすごい速度で縮小していく
これしないとどうなるとか、いろいろ話を聞いたが全然覚えていない。すいません
助産師さんは動けないわたしを介助しながら体や顔を温かいタオルで拭いてくれた。本当に何から何までありがたい。助産師さんという職業の人は仏様の生まれ変わりかもしれない
⚫︎AM9:00
分娩室でそのまま遅めの朝食
「まさかもう産まれると思わなくてお弁当なのごめんね」と言われた。中身はクロワッサン
やったねベビーと思ったけど、そういえばベビーはもうお腹にいないんだと思い出した。なにやら寂しく感じた
落ち着いたところで、小綺麗になったベビーが運ばれてきた。抱かせてもらう。よく寝ている。温かくて重い。さっきまで自分のお腹の中に居たなんて信じられない
正直、かわいいとかはわからない。不思議な感覚だった
しばらくして悪露の不快感と貧血でフラフラしながら入院の部屋に案内された。ひとりになって、やっと気が安らいだ。
結果から見たら、初産で約4時間での出産。安産だった。
わたしは割と優等生妊婦だったようだ。体重管理よし、血圧管理よし。元々の体格、骨格が良く、基礎体温も高く、冷えもなかった。さらにうまく呼吸をつかえたため安産につながったのかもしれない
とは言えこれから授乳が始まる、まだまだ気は緩められないだろうと思う。からいものや脂っこいものはまだしばらくやめておこう
⚫︎PM12:00
昼食がやってきた。豪華な御膳。美味しかったけど、やはりひとりで食べている感覚が慣れない
外は台風の影響か天気が悪そうだった
こんな感じでわたしの長い10ヶ月は終わり、そして明日からさらに長い月日が始まる
わたし、頑張った
帰ったらジャムを付けたクロワッサンが食べたい
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