自動車教習所の思い出〜地獄の登所拒否〜
大学2年の時、親から自動車免許を取るように言われた。下宿から一番近い中央教習所に通い始めた。教習所の先生の大半は無愛想で優しくなかった。しかも私は運転が下手だった。当時はまだオートマのみの教習がなかった。坂道発進が恐怖だった。だんだんと教習所通いが嫌になり予約を取らなくなった。もともとサボり癖がある私は教習所に全く通わなくなった。
自動車教習所は前払いだ。親が何十万円もの金を払ってくれた。恐ろしいことに教習所はある一定の期間を過ぎれば一からやり直しになる。払った金は無駄になり、また更に何十万円もの金が必要になる。もし、このまま登所拒否を続ければ親が払ってくれた何十万円もの金が無駄になる。金を無駄にすることが大嫌いで真面目な両親を思い浮かべた。私は勇気を振り絞り教習所の予約を取った。実技試験で何回か落ち期限が迫って来た。雨の日横断歩道で人が立っているのに直前で気づき急ブレーキをかけて一発アウトになったことは今でも強烈に覚えている。
意地悪な教習所の先生達の冷たい対応に耐え、両親の顔を思い浮かべながら、私はついに卒検を迎えた。凄く嬉しかった。そして合格した後、一人でチャールストンステーションというレストランでハンバーグ定食を食べ自分を祝った。
我が娘も大学生時代に自動車免許を取ったが、私と同じく登所拒否になった。そして母と同じく期限ギリギリで合格した。遺伝子って面白く恐ろしい。