部屋には恐い鬼がいる
小学6年生の時、詩を書いた。
題は「部屋には恐い鬼がいる」
部屋には恐い鬼がいる
勉強しててもジロジロジロ
漫画を読んでもジロジロジロ
居眠りしててもジロジロジロ
恐い鬼はいつも私を見つめている
記憶は曖昧だが、こんな感じの詩だった
私の詩は珍しく特選に選ばれた
多分卒業文集にも特選作品として載せてもらえた
卒業式の日、この詩を特選に選んでくれた教頭先生に話しかけられた
「典子ちゃんの部屋には、どんな鬼が住んでるんかな?」
私「私の部屋には鬼のお面があります」
教頭先生「鬼のお面?!鬼のお面があるのか…」
教頭先生は何だかガッカリした顔をして去って行った
今思えば、教頭先生は私が部屋に想像上の鬼を住まわせいると勘違いして、私の詩に特選を与えてくれたのだろう
今日59歳の私は里帰りして、今もなお居間に飾られている鬼のお面を見上げながら、今は亡き教頭先生を懐かしく思い出した