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吉本新喜劇の笑いの不思議

私の父は吉本新喜劇が大好きだった。私が小学生の頃、吉本新喜劇の座長をしていた花紀京と岡八郎(京やん、はっちゃん)の2人の掛け合いを見ては家族で大笑いしていた。当時はテレビ番組を録画できなかった時代だった。父は吉本新喜劇の番組をテープレコーダーに録音し、夜寝るときそれを聴きながら大笑いして寝ていた。

吉本新喜劇のネタは何回繰り返し見ても面白いのが特徴だ。芸人それぞれに鉄板の持ちネタがあり、観客は「来るぞ来るぞ」とそのネタを待っている。そして観客はネタの内容を全て知っているのに、そのネタが来ると爆笑する。漫才やコントの場合は、ネタを次々と新しく変えていかなければ笑いがとれなくなる。そう考えると吉本新喜劇の笑いは不思議だ。

最近は吉本新喜劇を見ることがなくなった。私がよく見ていた頃の芸人さんもたくさん亡くなってしまった。今座長が誰なのかも知らない。それでも久しぶりに吉本新喜劇を見たらきっと私は大笑いするだろう。 

私の心は吉本新喜劇の不思議な笑いに侵されてしまっている。


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