ヤクルトジョアの思い出
徳島県立中央病院にはヤクルトの自動販売機があった。子供の頃お見舞いに行くといつも母におねだりしてヤクルトジョアを買って貰った。一番のお気に入りはパイナップルのジョアだった。細いストローをギリギリ通ることが出来るくらいのパイナップルの果肉が入っていた。もちろんプレーンもミカンも苺のジョアも大好きだった。
就職した職場にはヤクルトレディーが来てくれた。毎日、ジョア、ソフール、ヤクルト、ミルミル、様々なヤクルト商品の中から一つ買うのが楽しみだ。しかしある日ジョアのパイナップルが廃止されてしまった。理由は分からない。悲しかった。
最近期間限定でパイナップルジョアが復活すると知り狂喜乱舞した。そして久しぶりにパイナップルジョアを手にし飲んだ。果肉は入っていない、香料の味だった。ガッカリした。
子供の頃の記憶にあるパイナップルジョアは夢のように美味しかった。もしかすると私が記憶を改ざんして思い出を美化していたのかもしれない。
思い出の中のパイナップルジョアは今も薄暗い病院の自動販売機の中で輝いている。
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