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歯医者は痛くならないと行けないこと

小さな頃、虫歯ができて痛くなると母に連れられ歯医者に行った。当時歯医者に行くと一日がかりだった。母はいつも編み物を持参して一日セーターを編んでいた。私は退屈しながら漫画や絵本を読んだりしていた。今思えば何故あんなに待ち時間が長かったんだろうと不思議でたまらない。

皆同じだろうが歯医者は苦手だ。定期的に検診に行けば麻酔もせず神経を抜くことなく簡単に治療が終わることは重々分かっている。しかし虫歯が出来たと知っても歯医者に行けない。痛みが我慢できなくなって初めて歯医者に行くことになる。

1年以上前から右上犬歯に虫歯が出来ていることは分かっていた。最近時々痛みがひどくなったり治ったりしていた。ついに今日歯医者に行こうと決心した。仕事を終え行きつけの歯医者さんへ向かった。私の決心は固かった。1年以上放ったらかしにしていた虫歯、絶対に神経を抜くことになると覚悟していた。治療が始まった。もちろん歯茎に麻酔注射を打った。右の目の下まで麻痺した。キィーンキィーン、ダダダダダダ治療が始まった。しばらくすると先生が静かに「神経を抜くまでではなかったので削ったところを詰めておきますね」と言ってくれた。すごく嬉しかった。

私のかかりつけ医は凄く腕が良い。全ての治療を自分ひとりでこなす名医だ。しかも治療が終わったと告げるだけで何も言わない。私から他の虫歯の治療にも来た方がいいですよね?と尋ねた。「いつでも来てください」と一言・・・・・渋すぎる。

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