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母の巻き寿司は日本一🇯🇵
子どもの頃、我が家のご馳走は巻き寿司だった。誕生日やお祭りの日は母が巻き寿司をたくさん作ってくれた。まず寿司飯を作る。柚子やスダチの酢に砂糖を入れ混ぜ合わせる。炊きたての熱々ごはんに合わせ酢を入れる。母がしゃもじで切るように手早く混ぜ合わせる。私は母の横でウチワで湯気のたつ酢飯をあおぐ。酢をまとった米はツヤツヤと輝いていた。
酢飯を冷やしている間に、巻き寿司の具を作る。椎茸を甘辛く煮付け、高野豆腐やかんぴょうを甘く煮込む。卵はさっと焼き、人参を茹でる。時にはほうれん草も塩茹でした。
冷めた酢飯が大好きな私はこっそりつまみ食いする。姉は大好きな卵の具をつまみ食いする。母はつまみ食いを見つけても怒らない。
綺麗な大きな海苔が巻き簾に置かれる。酢飯が乗せられる。海苔が透けて見えるくらいの薄さに酢飯を平らにのばす。様々な具が酢飯の上に乗せられると、くるりと巻き簾で巻きあげる。出来上がった巻き寿司は習字紙で巻かれ、次々ともろぶたに並べられる。
全ての巻き寿司が出来上がると、母が包丁で柚子を切り、柚子の香りをまとった包丁で巻き寿司を切り分ける。
母の巻き寿司は日本一だ!