幸福の木の奇跡
私の職場が徳島経済産業会館に引っ越したのは丁度10年前だった。引っ越し祝いに胡蝶蘭や観葉植物をたくさん頂いた。
10年前頂いた植物で、現在生き残っているのは一本の幸福の木だけだ。幸福の木は役員室の隅っこにひっそりと住んでいる。しかし幸福の木も年々弱ってきていた。半年前くらいに、葉を落とし貧相になった幸福の木を捨てようか?と同僚に相談した。しかしまだ葉が何枚か残っている。全ての葉が落ちてしまった時に捨てることにした。
先日、役員室のソファを動かす機会があった。ソファの裏に住んでいる幸福の木が全身の姿を現した。ビックリした。葉っぱをほとんど落としていた幸福の木の根っこのあたりから新しい元気な葉っぱが伸びていた。役員に尋ねたら、3か月前位に幸福の木の存在に気づき、時々水をあげているとのこと。
もちろん私も10年間、時々幸福の木に水をやってきた。しかし、幸福の木は弱り続けた。
一緒の部屋に住む役員から暖かい愛情を受けたのが嬉しくて、新芽を生やしたのだろうか。
よく植物を育てる時は、話しかけたら元気に育ついう話を聞く時がある。いつも「ヘェ〜」と感心して見せるが、内心信じてなかった。しかし役員室に住んでいる幸福の木の奇跡の復活を目の当たりにして、植物にも人と同じく愛情を注ぐことが大切なのかもしれないと思った。