002|厳しさの奥から聞こえたエール
はじめに
みなさん、こんにちわ! 福島ファイヤーボンズ16番・橋本尚明です!!
とうとうBリーグのシーズンが開幕しました!!
10月11日現在では1勝1敗。試合の内容も良かったですし、まずまずのスタートが切れたと思います。
ぼく自身も、昨年12月の怪我からようやく復帰が近づいてきており、コートで動き回りたくてウズウズしています。
特に今年は年齢的にも結果を出さないと絶対にダメだという、強い緊張感を持っているのでモチベーションは例年以上。
フィジカル、メンタルをしっかり整えて毎試合、結果を残せるようにがんばります。ぜひ、応援のほど、よろしくお願いいたします!
さて、今回のお話は安定した結果を出すために大切にしていることをお話させてください。
そして何より、それを教えてくれた先輩のことも!!
ぼくの人間的未熟さ、不器用さであふれたお話となっています。何かうまくいかないことがある方のヒントになれば幸いです!
本編
「自分って、スゴいかも?」
ある程度、試合で結果が出せるようになった時、気持ちがうわついたことがありました。
挙げ句の果てには、プレースタイルをめぐって監督・コーチに反抗してしまったことも。
「なぜ、自分の考えが分かってもらえないんだろう・・・」
と、悩んだ時期がありました。
監督もコーチも、自分よりも責任ある立場。チームが勝つための役割を期待してくれていたはずです。今思えば、ぼくが幼すぎました。
そうこうしているうちに次第に結果が出なくなったり、周囲との関係性がうまくいかなくなることも出てきました。
日常的な態度にも出てしまっていたのか、家族にも変な気を遣わせてしまいました。心配かけたと思います。
そんなぼくを見かねて、チームのある先輩が声をかけてくれました。
「練習するぞ」
と。
ありがたいという思いと、ちょっと納得できない思いがぶつかって、モヤモヤしていたのですが、このままじゃいけないと、一緒に練習させてもらうことに。
何かに八つ当たりをするように激しい練習を繰り返しました。
「もっとうまくなりたい!」「自分はこんなモンじゃない!」
ですが、焦りからか無駄な動きも多く、すぐに疲れてしまいました・・・。
倒れそう・・・しんどい・・・。意識も朦朧としていきます・・・。
「クッソ・・・! どうすれば、前に進めるんだ!!」
精彩を欠いたプレーを先輩が見逃すハズがありません。
辛辣なアドバイスを覚悟したところ、案の定、強い口調で言われました。
「ユニフォームをきれいに畳め」
「靴を磨け」
「身だしなみを整えろ」
「バッグの中は常に整理された状態に」
バスケ以外の生活についての注意です。
「・・・なぜ、そんなことまで指摘されないといけないのか」
と、すぐには受け入れられませんでした。
でも、他にどうするべきかが全く見えなない。
イラ立ちつつも、ワラにもすがる思いで応えていきました。半信半疑でバッグの中を整えていると、自然と気持ちが落ち着き始めました。
部屋の掃除も積極的にするようになりましたし、家を出る前には、鏡の前で身だしなみを整えることに時間をかけるようになりました。
周囲の話も、きちんと受けとめようという姿勢で聞くようになりました。
ひとつ整えた気持ちよさを覚えたぼくは
「何事もきちんと整えたい!」
と、整理することにハマり始めました。
整理することで心が整うことはもちろん、物事の全体像が見え始めるんです。
有頂天になっていた時は、自分しか見えていませんでした。だから、先輩のやさしさにも気づくことができなかった。
しかし、その後は
「今のおまえは下位レベル」
「シュート力がない」
「ノーマークの時、何してんねん!」
と、どれだけ厳しい言葉をかけられても食ってかかるような気持ちにはならなくなりました。
なぜなら、彼はぼくを、誰よりも何とかしたいと思ってくれていたからです。そうじゃなければ、こんなに時間を使ってもらえていない。
やさしい言葉では変わらない。だから、強い言葉を使ってくれていました。
自分のことをちゃんと見てくれている。状況を整理できたことで、言葉の奥のエールに気がつけたんです。
結果が出せない時こそ、生活が乱れないように。そして基本的なプレーを疎かにしないように。
毎日、充実した様子で家に帰ることも増えたからか、家族もほっとしてくれました。
その後も現役を続けることができており、2021年現在もチームにお世話になっている状態です。
今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
困った時は一度、状況を整理してみると、新しい発見があるかもしれません。そして、それが「たたかう力」に変わることも多くあるはず。
追い込まれたらまず整理。ぼくの場合は。
【PROFILE】
橋本尚明(はしもとなおあき)
ツイッター/https://twitter.com/hashimotonaoaki
インスタグラム/https://www.instagram.com/aaa16ccc/?hl=ja
1992年、愛媛県松山市生まれ。大学在籍時は新人戦にて最優秀選手賞とアシスト王を獲得。その他、西日本選手権、関西学生選手権で優勝を経験し、関西学生選手権と関西学生リーグ戦では優秀選手賞を受賞するなど実績を積む。
その後、2015年に大阪エヴェッサと契約。主力選手として活躍。プレーオフにも出場。2017年、富山グラウジーズへ移籍。主にシックスマンとして、チームのB1残留に貢献した。
2018年には横浜ビー・コルセアーズへの移籍。アメリカの伝統的スポーツ用品メーカー・スポルディングと、ブランドアドバイザー契約を締結。
2021年、島根スサノオマジックへ移籍するもシーズン中盤に故障により離脱。現在は福島ファイヤーボンズと契約。
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