2021年の中国のOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)業界について
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。2020年は新型コロナウイルスの影響で、OTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)のアクティブユーザー数は急激に落ち込みました。しかし、最近では中国の新型コロナウィルスが落ち着いてきたため、OTAの利用者数も徐々に回復をしてきています。
本日は、2021年の中国のOTA業界についてご紹介したいと思います。
2020年世界の観光産業は深刻な打撃を受けましたが、2020年後半から中国国内の新型コロナウィルスは収束に向かい、2020年12月にはOTA全体の月間アクティブユーザー数が1億3,200万人まで回復しました。また、各OTAの新規ユーザーも増加傾向で、2020年8月から2020年12月までの5か月間の新規ユーザー数は1,300万人を超えました。
ユーザーペルソナについて
ここで、簡単にOTA利用者のユーザー層についてご紹介します。
①男女比率:
男性53%、女性47%
②学歴:
大学卒44%、短大卒24%、中学以下19%、高校以下10%、大学院卒6%
また、主にOTAにお金をかけているのは1980年~1995年生まれの「Y世代」と呼ばれる人たちです。上記の画像は、2020年12月に集計されたデータで、オンライン旅行プラットフォームの利用者の中で、Y世代は38%、X世代(1965年~1980年生まれ)は29%、Z世代(1995年~2010年生まれ)は23%を占めています。Z世代は今後消費主力になるのは間違いないですね。
さらに、OTAの利用ユーザーは、3線都市以下のユーザーが最も多く、2020年12月時点で全体の39.3%に達しました。その次に多いのは、「新一线城市(準1線都市)」と1線都市で、ユーザーの割合はそれぞれ21.1%と24.3%でした。
3線都市以下のユーザーの割合は2017年から2019年までの3年間で大きく変動しています。2017年12月は全体の35.9%でしたが、2019年は全体の46.1%に達しました。1,2線都市は何かと競争が激しいため、仕事が忙しく、逆に生活リズムがゆったりしている3線都市以下のユーザーたちは、旅行に使う時間が多いのではないかと推測されています。
ただし、オンライン旅行アプリのインストール率が最も高いのは1線、準1線都市のユーザーたちで、それぞれ全体の51.3%、36.1%に達していました。逆に3線都市はわずか18%に留まりました。
2021年の旅行計画について
2021年に入り、OTAユーザーの半数以上が「周边游(家から3時間以内の場所)」を計画立てています。海外旅行を選択するユーザーの数はまだ比較的少ない傾向です。(各国入国制限されているので、当然ですが)
そして、ほとんどのユーザーは「プライベートツアー」や「少人数のツアーグループ」など、比較的に少人数でも楽しめる旅行プランを選んでいます。逆に、大人数ツアーやクルーズ船などの旅行プランを選択するはわずか2.2%ほどでした。
また、旅行のテーマに関しては、「亲子游(親子ツアー)」、「主题游(テーマツアー)」、「深度探险游(冒険アドベンチャーツアー)」などが人気で、特に親子ツアーが一番の人気となっています。
以上、2021年の中国のOTA業界のご紹介でした。中国の観光客が訪日できるようになるのはもう少し先になりそうですが、少しずつ旅行に前向きになってきていることは間違いないので、今後の展開に注目していきたいと思います。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
メール:hashimoto@enjoy-japan.jp
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