中国のECプラットフォーム「拼多多」が提訴された事件についてご紹介します
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。最近、中国のある弁護士がECプラットフォーム「拼多多(pingduoduo)」を提訴したことが話題になりました。この事件が起きてすぐに、各SNSで多くのユーザーが「拼多多」の割引サービスについて苦情をこぼしていました。
本日は、「拼多多」が提訴された事件についてご紹介したいと思います。
「拼多多」の「砍价(割引サービス)」が消費者を騙している疑いで、現在上海裁判所がこの事件について調査をしています。この弁護士が「拼多多」を起訴した理由は、「拼多多」が主催する「砍价免费拿(割引して無料で手に入る)」という割引サービスに参加し、wechatの友達を動員して、「砍一刀(値下げ)」を友達に手伝ったもらいましたが、いくらやっても成功まであと0.09%が足りないという状態が続いたためです。最終的に、騙されたと感じた弁護士は、虚偽の宣伝を行い、消費者を騙しているとして「拼多多」を提訴しました。
砍一刀(値下げ)とは?
「砍价免费拿(値下げして、無料で手に入る)」は「拼多多」が実施した割引イベントです。ユーザーは「砍价免费拿」のイベント詳細ページに入り、「喊好友砍一刀(友達を読んで値下げしてもらいましょう)」というボタンをクリックして友達にリンクを送り、送られた友達はそのリンクから「拼多多」に入って、商品の値下げを手伝うという内容です。
友達を多く呼べば呼ぶほど、値下げ幅も大きくなるため、最終的に無料で商品が手に入る可能性があります。「無料」という言葉に惹かれ多くのユーザーが「砍价免费拿」に参加しました。
割引イベントの裏
近年「拼多多」が「下沉市场(沈没市場)」のシェア獲得に成功し、DAU(日間アクティブユーザー数)がTaoBaoを上回ることもでてきました。「拼多多」の最新の財務報告によると、2020年年間アクティブ消費者数は、アリババを超えて7.88億人を記録しました。
しかし、「本当にこれだけの消費者が「拼多多」を使っているのか」とネット上で疑いの声が上がっています。今回の「砍价免费拿」を例にすると、消費者は友達から「砍价免费拿」の招待リンクが届いたら、友達を手伝うために、「拼多多」を開いてログインしなければなりません。
そして、「拼多多」のアプリをダウンロードしていない消費者は、友達に依頼されたら断れないと、不本意でも「拼多多」のアプリをダウンロードして、会員登録をします。そのため、友達を招待すればするほど割引額が大きくなるというイベントが、「拼多多」のDAU(日間アクティブユーザー数)を増加させたカギではないかと予想されています。
最後に
「拼多多」はこれまでも度々マイナスな報道がされていましたが、基本的に商品が安くて割引も多いので、3,4線都市の消費者もしくは、年配の方を中心に使われています。一方で、1,2線都市で暮らす若者は普段仕事が忙しいため、友達から頻繫に「拼多多」の招待リンクが届くと、どうしても嫌な気持ちになってしまうようです。今回の起訴事件によって、「拼多多」の信用は一気に下がりました。今後はどうなっていくのでしょうか。注目していきたいと思います。
以上中国のECプラットフォーム「拼多多」が提訴された事件のご紹介でした。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
メール:hashimoto@enjoy-japan.jp
「拼多多」について詳しく知りたい方は、ぜひ弊社のYouTubeチャンネルをご覧ください。