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【自動車市場編】她経済(ウーマノミクス)について

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。先日の投稿で、她経済(ウーマノミクス)が中国のお酒市場に与える影響についてご紹介いたしました。本日は、她経済が中国自動車市場に与える影響をご紹介したいと思います。

㈠ 女性が消費の決定権を握っています。
時代の流れによって、男女の格差が縮まり、男性に頼らず、結婚より仕事のほうを大事にしている女性が増加しています。「経済的自立」「生活的自立」は現代の中国人女性が求めている生き方になっており、男女平均月収の差も年々縮まる一方です。

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Mob研究院が発表した「2020“她経済”研究報告」によりますと、中国人女性消费者の毎年の消費潜在力は約10兆元に達しており、ドイツ、フランス、米国を合わせた小売市場全体の消費額に相当します。
そればかりか、中国では女性に家計の管理を任せている家族は全体の63%を占めており、家族においての消費に関する決定権を女性が握っている家族は約全体の80.6%を占めていました。つまり、女性は自らの消費に対する意思決定だけではなく、家族に関する消費の決定権も握っている女性が多いということです。こういったことが背景にあるため、一人の女性が自動車を購入しようとするときも、一つの家族が自動車を購入しようとするときも、女性の意見が重要になってくるということが言えます。

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㈡ 自動車消費市場における消費者の変化
今まで、中国ではよく自動車は「男性の大型おもちゃ」「男性の第二の家」と呼ばれるほど、男性向けの商品だと認識されていました。女性は助手席に座るイメージが強かったのですが、近年、女性運転免許保有者数が増加するに連れ、自動車市場における消費者の男女比率も変化しています。2016年と2020年のデータを比べてみると、中国の女性運転免許保有者数9,738万人から1.48億人と増加しました。全体の割合から見ても、女性運転手の比率は全体の27.23%から32.43%へと拡大しました。中国の女性運転手がどんどん多くなっており、今後も増加する見込みです。女性運転手が増加するにつれ、女性の自動車に対する支出も増加しています。データによると、2015年から2018年にかけて、女性がアウディ、メルセデスベンツ、BMWなどの高級車市場への売上貢献度は34.22%から44.07%に増加したそうです。こういった背景から、自動車市場はますます女性のニーズを重要視するようになりました。

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㈢ 自動車メーカーの動き
男性消費者と異なり、女性消費者は車を選ぶ際に自動車の品質と実用性より、「精神的な満足感」「自分を喜ばせる」ことを重視しています。自動車メーカーは女性消費者のニーズに合わせ、外観機能にいろいろ工夫をしています。また、近年、SNSを使ったマーケティングプロモーション活動は多くの業界で使われていますが、今回ご紹介する2つの自動車メーカーも、中国版TIKTOK「抖音」「小紅書」(RED)でインフルエンサーマーケティングを行ったことで、新たに発売された車が中国で話題になり、売上が伸びています。

⑴ 欧拉(オラ)
中国の大手自動車メーカーである長城汽車(Great Wall Motors)が2018年に女性消費者をターゲットとした、小型電気自動車ブランド「欧拉(オラ)」をリリースしました。「世界一女性を愛する自動車ブランド」というキャッチコピーを使っているオラは女性の心をつかむため、車種名や車の外観にいろいろ工夫をしています。オラは車種名を付ける時に、普段使われている英語と数字の組み合わせではなく、「黒猫」「白猫」など女性に好まれそうな言葉を使っています。新車種の「闪电猫」にL3+自動運転システムが搭載しており、運転手の負担を減らし、快適な運転を楽しむことができます。車の外観が可愛く、選べる色も多いのが特徴です。今年4月の売上台数7,476台、前年比324%増となりました。その中、一番人気のモデル「欧拉黒猫」の売上台数は4,613台、前年比プラス162%で、4月の5万〜10万元の純電気自動車部門の国内売上No.1になっています。また、オラ全体の売上から見ると、1月から4月の4ヶ月間の累計販売台数38,159台で、前年比754%増となりました。

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⑵ 宏光MINI EV
「宏光MINI EV」は上汽通用五菱汽車(ウーリン)が2020年に発売した小型電気自動車です。小型なので、比較的楽に運転ができ、駐車スペースが狭い駐車場でも簡単に駐車できるのが特徴です。価格帯は安めに設定をされていて、外観が可愛いことで、女性に好まれています。上汽通用五菱汽車の公式データによると、宏光MINI EVを購入した人の中で、女性が60%を占めています。今年、五菱汽車が勢いに乗って、「宏光MINI EV」マカロンカラー版を近々発売する予定です。予約販売期間内には既に36,000台の注文を受けました。今回発売される予定の新車種の購入者も加えると宏光MINI EVの女性ユーザーの比率全体の65%に拡大しました。

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近年、多くの新規企業が自動車製造業に参入しようとしています。女性向けの自動車製品も多く見られるようになってきましたが、宏光MINI EVのように爆発的に売れた自動車はまだまだありませんでした。

以上自動車市場編でした。上記以外にも、ベンツなどの高級車メーカーが自社製品の多様化、細分化することによって、女性市場に目を向けて真剣に動き始めるようになっています。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

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