今中国で大人気の「盲盒(ブラインドボックス)」市場について
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。中国トレンドの最先端にいるのは「Z世代(00年以降生まれ)」と呼ばれる若者たちです。彼らは消費者市場の主力として、流行の商品に敏感で、常に新しい文化を生み出し続けています。最近では彼らの間で「潮玩(チヨウワン)※」が人気を集めています。
※潮玩:フィギュア、Eスポーツ、コスプレ、盲盒などの関連商品を含めて「潮玩」と呼びます。
「潮玩」の急速な発展により、その市場は2017年749億元(約2,742億円)、2019年には1,247億元(約2兆1,213億円)に達し、2023年には2494億元(約4兆2,427億円)に達すると予想されています。
そして、「潮玩」の中では「盲盒(ブラインドボックス)」が最も発展しています。
本日は、今中国で大人気のこの「盲盒(ブラインドボックス)」についてご紹介したいと思います。
(1)泡泡玛特(ポップ マート)
ポップマートは2010年に創業された中国のフィギュアメーカーです。そのグッズは「ブラインドボックス」になっていて、箱を開けるまで中に何が入っているか分からないワクワク感も人気の理由の一つです!
近年、ポップマートの売上業績は急成長を遂げ、総収入は2017年1億5,810万元(約27億円)、2018年は5億1,450万元(約87億円)、2019年は16億8,340万元(約286億円)、2020年は前年比479.3%増の25億1,350万元(約427億円)と右肩上がりで増加を続けています。
2020年新型コロナウィルスがあったにもかかわらず、ポップマートは2019年末の114店舗から2020年末の187店舗まで、76の新店舗をオープンしました。また昨年、新規登録会員数が520万人増加し、その勢いに乗って「上海国际潮流玩具展(上海国際おもちゃフェア)」まで主催してしまいました。
ポップマートの最大な魅力は「IP+ブラインドボックス」です。アニメIPを融合させることでコレクターの興味を惹きつけることができ、ブラインドボックスにすることで、商品を開ける時のワクワク感を体験することが出来ます。
これまでポップマートは数多くのIP商品をリリースしてきました。例えば、「ハリーポッター」、「NARUTO -ナルト-」、「Skullpanda」などで、中でも最も人気のシリーズは「Molly」です。とあるデータによると、2020年「Molly」の売上高は3億5,700万元(約61億円)、ポップマート全体の売上の14.2%を占めました。
そして、ポップマートの消費者ユーザーの中で70%が高収入の女性となっています。女性は可愛いものに目がないので、値段が少々高くてもコレクションしたいのでしょう。
(2)文房具ブラインドボックス
最近、中国の各小学校、中学校周辺の文房具店で、「文房具ブラインドボックス」が設置されていることが話題になりました。メモ帳からしおり、時計、ボードゲームなど、ブラインドボックスの価格によって、中身のグレードが異なります。
文房具店のオーナーによると、現在文房具のブラインドボックスは子供たちにとても人気があり、購入頻度も非常に高いそうです。子供たちはお小遣いをもらったらすぐに文房具店に来てブラインドボックスを購入しているようです。
そして、一番値段が高いブラインドボックスは約80元(約1,360円)で、これはボードゲームや時計が入っている可能性が高く、逆に値段が安いブラインドボックスは、ほとんどがノートブック、蛍光ペン、ブックマークなどの低価格商品となっています。
この文房具ブラインドボックスの対象は子供たちとなっているにも関わらず、子供たちは欲しい物を入手できるまで、買い続け、借金してまでブラインドボックスを購入し続けるという事も起きているそうです。このような出来事があったため、文房具ブラインドボックスは「子供のお金を騙し取ってる」と言われるようになってしまいました。
(3)宠物盲盒(ペットのブラインドボックス)
数多くのブラインドボックスの中で、最も批判されているのは「ペットのブラインドボックス」です。最近、中国の配送業者である「中通エクスプレス」の成都営業所は、規制に違反して160匹以上の猫と犬を郵送物として配達をしたことがネット上で批判されました。
5月3日、密閉された暗いボックスの中に入れられた小動物たちが郵送される動画が微博に投稿され、「微博热搜(ホットトピックス)」に乗るほど一気に話題を集めました。また、ネットユーザーたちは、動物を救助するためにボランティアを招集し、「生き物のブラインドボックス」のボイコットを始めました。
本来であれば、ペットの輸送には専門のルートがありますが、今回話題となったペットのブラインドボックスは通常の速達で発送されるため、規制に違反するだけでなく、小動物の生命の安全を保証することも難しくなります。
そして、なによりペットのブラインドボックスを販売する業者決して許せるものではありません。ブラインドボックスのトレンドに便乗し、グレーゾーンでお金を儲けようとする行為は決してあってはならないものですね。
以上、今中国で大人気の「盲盒(ブラインドボックス)」市場のご紹介でした。ブラインドボックスは若者に人気で、それなりの収益も見込むことができますが、動物のグレーゾーンで儲けようとするのはよくないと思いますね。皆さんはどう思いますか?
気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
メール:hashimoto@enjoy-japan.jp