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二次元が呼び起こした新たな旅行ブームについてご紹介します
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。近年、二次元文化が中国では急速に発展しています。これまで二次元は「非主流(※)」や「疎外感」という印象でしたが、最近では「若さ」や「巨大な消費力」というイメージに置き換わりました。若い世代が成長するにつれ、二次元文化は徐々に社会に受けられるようになり、不可欠な中国の主流文化の一つになりました。
※非主流:主流ではないトレンド
とあるデータによると、2020年の中国のアニメーション産業の総生産額は2,212億元(約3兆7,508億円)に達しました。そして、2次元ユーザー数は4億9,000万人に達し、そのうち「アニオタ」と呼ばれるようなコアユーザーが100万人います。
二次元文化が急速に発展した結果、二次元が呼び起こした旅行ブームが最近話題になっています。本日は、この話題についてご紹介したいと思います。
現在二次元文化は新興の観光市場を牽引しています。近年、「杭州国際アニメーションフェスティバル」、「ChinaJoy」、「ComiCUP」などの二次元展示会が人気になっています。
とあるデータによると、90年代以降生まれた若者の42%が、旅行の目的地としてアニメーション、映画、テレビの撮影場所に興味を示しています。二次元をテーマにした観光名所や目的地は90年代生まれの若者に非常に好かれているため、「二次元旅游」の市場が大きくなりつつあり、一定の消費能力と消費意欲のある二次元ユーザーがこの市場を支えています。日本で言うとまさに「聖地巡礼」ですね。
《縁結びの妖狐ちゃん》のナイトツアー
2021年、《縁結びの妖狐ちゃん》をテーマにしたナイトツアーが杭州に出来ました。これは二次元分野でのアニメーションIPをテーマにした初の本格ナイトツアーです。今では「网红打卡圣地(ネット上で話題になっているスポット)」と呼ばれ、人気になった最大の要因は、《縁結びの妖狐ちゃん》の背後にいる多くのファンたちです。
Tencent Animationの公開情報によると、《縁結びの妖狐ちゃん》が放送された4年間で、Tencentビデオプラットフォームだけでも再生数が30億回、ネットワーク全体で53億回の記録を打ち立てました。そして、このアニメは中国全土に約1億7,000万人の忠実なファンがいて、オンラインでの「互动率(ファンたちの間のやりとり」の回数は、1日に200万回を超えています。
【ニューカレドニア×中国媒体】中国のバーチャルアイドルの海外旅行企画
2019年6月、フランスのニューカレドニア観光局は、中国国内のビデオプラットフォームと協力して、中国のバーチャルアイドルの海外旅行を企画しました。
ニューカレドニア観光局は、《縁結びの妖狐ちゃん》の主人公・「涂山苏苏(トゥシャンスゥースゥー)」と《兄に付ける薬はない!》の主人公・「时分(シーフェン)」と「时秒(シーミョウ)」の二人をニューカレドニア特別体験オフィサーに任命しました。
その企画の内容は、仮想アイドルツアーグループを形成して島のツアーを体験してもらい、バーチャルキャラクターファンに旅行体験をしてもらうというものです。
具体的には、ニューカレドニア観光局は、バーチャルアイドルの4つの特徴を組み合わせて、バーチャルカップル、兄弟姉妹、友人などの海外旅行シーンを構築すると同時に、4つのバーチャルアイドル専用の旅行ルートマップをカスタマイズしました。実際の顧客グループの旅行パターンに合わせて、さまざまなグループの旅行ニーズを満たすことを目的としています。
以上、二次元が呼び起こした新たな旅行ブームのご紹介でした。将来的には、二次元文化と三次元観光の組み合わせが観光をより魅力的にし、文化体験も魅力に満ちたものになるでしょう。
気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
メール:hashimoto@enjoy-japan.jp