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【酒市場編】她経済(ウーマノミクス)について

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。本日は、中国の社会現象ともいえる「她経済(ウーマノミクス)」についてご紹介したいと思います。

「她(ター)」は中国語の中で三人称女性を表す漢字です。「她経済」は2007年に、中華人民共和国教育部が発表した171個の新しい中国語の一つです。

近年、中国では働く女性が増え、女性の社会的地位の向上と共に女性を対象とした商品やイベントが増えてきています。一般的に男性よりも女性の方が購買力が高いと言われているため、企業側は商品のパッケージを女性ウケしやすいようにかわいくしたり、「女王節」等女性をターゲットしたイベントを企画するなどして、女性の購買意欲を駆り立てる施策を次々と実施しています。

その結果、女性マーケットだけでなく、中国全体の経済が発展していくことを「她経済(ウーマノミクス)」と呼ぶようになりました。

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また、話は変わりますが、近年、酒造メーカーは新たなビジネスチャンスを迎えていると言われています。若者の健康志向が高まっている中、「ほどよく酔いたい」という消費者ニーズにこたえるため、酒造メーカーが自社商品を細分化した上で、若者(特に女性)をターゲットにした低アルコール飲料が続々と発売されています。この新しいビジネスチャンスに投資家や創業者からも注目を集めています。

ここで、この「低アルコール飲料」について簡単にご紹介します。

コンビニカクテル

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2021年の3月に中国SNSアプリ小紅書(RED)に投稿された、「コンビニカクテルガイド(※)」というテーマの記事がネット上で広がり、一時的にブームになりました。

※コンビニカクテルとはコンビニで購入したジュースやお茶などソフトドリンクをミニボトルのお酒と混ぜて作ったアルコール飲料のことを指します。

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小紅書(RED)から始まった関連トピック「#コンビニカクテル」というハッシュタグはこれまでの閲覧数が2,048万回を超え、中国版TikTokの「抖音」でも「コンビニカクテル」に関連するトピックが9,300万回再生されたほどブームな話題となりました。

今回の「コンビニカクテル」ブームは一瞬で終わってしまいましたが、現在の若者の飲酒事情が反映されていると考えられます。

(1) ミニボトルが好まれる
ストレス社会に生きている若者たちにとって、家での一人飲みは、「数少ない楽しみ」となっている人が、近年多くなってきています。ミニボトルのお酒は浪費を防ぎ、かつ健康に影響しない程度でお酒を楽しめると考えられています。

(2)低アルコール
「自分を喜ばせる」という価値観が現在の若者にはあり、痛飲よりは自分が楽しくなる程度に軽く酔っぱらうという健康的な飲み方が好まれまています。

(3)革新的
とにかく「新しいものを試してみたい」というのはいつの時代でも若者の特徴です。そのため、新しいパッケージや斬新な食感などが重要視されています。

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女性、若者が酒類の消費主力になりつつある

中国最大のビジネス・クロスメディアCBNDataのデータによると、90/95後(1990年代生まれ)の若者たちの酒消費が増えていて、酒市場をけん引する存在になってきています。さらに、ネットでお酒類を購入する女性消費者数が大幅に増加しており、男性よりも多い割合を占めるようになっています。

2015年、日本を訪れる中国観光客が多かった頃、サントリーのほろ酔いも中国のネット上で、特に女性たちに「おいしい」、「飲み心地がいい」という口コミが多く投稿され、当時の「網紅飲料(※)」でした。

※「網紅」とは中国のネット用語で、ネット上で人気のある物事を指す言葉です。当時、日本へ旅行しに行くことになると、「ほろ酔いを絶対に一回飲む」という人もが多くいました。

以上酒市場編でした。上記のように、現在中国の酒造業メーカーにとっては、いかに若者、女性のニーズにこたえ、心をつかむような商品を市場に出すかが勝負のカギになっています。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

中国に関する情報を知りたい方は、ぜひ弊社のYouTubeチャンネルもぜひ観てください!!


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