何が美しいのか、何が最高なのか、基準は自分の中にある(あの時聴いた「サンタ・ルチア」)
私には、「あれもいい、これもいい」と思う感覚のほかに、「こういうのこそがいい」と思う感覚が、少なからずある。
言葉で説明すると「あー、そういうのが好きなんだね」で、終わるやつだけれど、
いや、もう、ほんと、めっちゃ好きやねん!!!!!!!!!!!!というのがある。
その1つが、「自分の知人友人家族が奏でる音楽」
音楽は、クラシックもJ-POPも、ジャズもパンクも、基本的に全部好き。その中でも特に好きな音楽は、ジャンルではなくで、「自分と関係がある人がやってること」。もう最高ーってなる。
その原体験は、5、6歳の頃に聴いた、サンタ・ルチア。
歌うのは、高校の音楽教師(声楽専門)をしていた祖父の教え子さん、当時50歳くらいの男性。ソロ。プロの音楽家ではないが、祖父の影響で、歌がとても好きな方。
うちによく遊びにきてくれ、祖父のピアノ伴奏で歌ってくれたサンタ・ルチアの、衝撃たるや。
体にびりびりと、衝撃を感じた。
大きく、私のお腹に響いてくる低い声、流れるリズムと音程。
そして、めちゃくちゃ楽しそうに歌っていた。
感動したというか、衝撃的で、戸惑った。
すげー、かっこいい、楽しそう、面白い、なんで歌ってるだけなのにこんなに力あるの?私も幼稚園で歌うけど、歌ってなに?
世の中の「おじいちゃん」って、歌を歌える人のことも指すんだなあ
「おじちゃん、歌上手でしょ?」と祖母が私に言ってくれ、うん、としか答えられなかったけど、ああこの感覚が上手ということなのか、上手っていうかびっくりした。今言葉にするとしたらそんな感覚だったと思う。
その後も何度か、「サンタールーチーアー歌って!」と頼んで歌ってもらい、そのうちに、「もうおじいちゃんだから歌えないなー」と言われて、そうか、何かできる時期って短そうだなとも感じた。