透明
透明(とうめい)とは、物体の反対側や内部にあるものが透けて見えること。曇ったり、歪んだりはしているが見える「半透明」もあれば、極端な場合には間にある物体が存在しないかのように感じられる。(Wikipediaより引用)
唐突だが2/16に無職となった。仕事が何も無い。
これを書いている今は某駅前のベンチで1人座っている。今までの人生でこんな時間は無かった。20歳くらいの頃には実家住まいでダラダラと仕事は何もせず、たまにギャンブルをしては勝ち負けを繰り返す時期もあった。まだ若いしどーせ何とかなるって気持ちが合った。
今回また無職になったわけだがそんなに不安を感じていなかった。今日の面接を受けるまでは。
面接をしてくれたのはその会社の社長さんだった。
そして履歴書を見ながら社長が質問をする。
「何かアピールできるところはありますか??ウチの会社に入って何ができますか??」
面接であるごく普通の質問だ。そしてこの質問が来ることも想定はしていた。
だがその時僕は言葉を詰まらせてしまった。
(何かあるのか??俺は何も出来ないのでは…。)
やっとの思いで口から出たのは
『水商売や雀荘の仕事をしてお客さん相手の仕事が長かったので人との会話は得意です』
社長はニコリともせずに続ける。
「例えば事務系は?エクセルとかワードとかできる?営業系の仕事は?」
全く経験が無い。正直エクセルとかワードってフレーズが出てくるとは思わなかった。
『出来ません。簡単な文字入力とかは出来ます』
(全くダメじゃないか。全く何もアピールできていないどころか印象悪いのでは)
その後色々な話をした。過去の職歴について。履歴書に書いた趣味の麻雀のこと。団体に所属していること。社長もたまに麻雀をすると言っていた。
だからと言って麻雀はアピールにはならない。ここは麻雀とは全く関係のない会社なのだ。
そして面接を開始して20分くらいだろうか。
採用か不採用を判断して後日連絡すると言われ面接は終了。
それからずっとベンチに1人座っている。
何をすればいいのかもわからずこの駄文を書いている。
もしかしたら僕は就活を甘く見ていて、社長はそれを見透かしていたのではないのか??
透明というタイトルが急に滑稽に思えた。
36歳 資格無し 最終学歴 高卒 無職