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気持ちのいい場の編集/ものを売るということ

本が出てからはじめての出張ということで、京都と岡山では恐る恐るいくつかの本屋さんや本を扱う場もめぐりました。

流通は版元の千十一編集室ツバメ出版流通さんの仕事ではあるので、基本的にはおまかせしているものの、どのように扱っていただいているのか(いないのか)はやはり気になるところだし、そもそも本屋さんや本を扱う場のことをまだまだ知らなさすぎるので、これを機に勉強モード。棚の見えかたが変わってきました。

大きな本屋さんと小さな本屋さん

前提として…
・そもそも多くの部数を刷ってない
・専門性の高い小取次を通しているので、(契約してない場合など)どの書店からでも仕入れられるわけではない
・直取引へ積極的には対応していない
という感じだったりします。

だからそもそも大きな書店さんで、ツバメ出版流通さんの扱いがある、あるいは今回を機にわざわざ契約をしてくださる。岡山だと丸善 岡山シンフォニービル店のようなところ。中小規模でも芸術、思想、文学にもともと力を入れていて積極的に扱いがある。京都だとMEDIA SHOPさんのようなところ。そんな感じのお店を中心にまわらせていただいています。

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丸善 シンフォニービル店の芸術書コーナー

帰省中に芸術書チェックする時はまず寄らせていただいていた、岡山の丸善 シンフォニービル店では面出しにて取り扱いいただいていて、これはもう、とてもうれしかった! 棚をよく見ると、中村政人さんの新刊はわかるのですがタイトルに「アートプロジェクト」と入った研究書寄りの本や、奥能登国際芸術祭のカタログなど、わざわざ取り寄せないといけないであろうものも置いてあって(でも瀬戸芸つながりもあるから売れそう)、きちんとわかっている担当の方(タイミングが悪くご不在でした)がいらっしゃるのだろうなと思いました。長くお取り扱いいただけるよう、岡山界隈の皆様はぜひこちらでお買い上げをお願いします。

タイトルもデザインも内容も一癖ある本だと思うので、たぶんどこでも置いてもらえればよしというわけではなくって、置いてないお店にガンガン営業するみたいのことはしてないです。アート・デザイン系の棚が微妙だけれども、アート思考系含めビジネス系の棚にいろいろ置いてある書店さんには、ご挨拶をさせていただいたりしました。

小さくても素敵なお店はたくさんあって、そういうところは悩みます。そもそもたくさんの種類の本は置けないはずだし、アート・カルチャー系でもお店自体にとても個性がある。そんなところとこの本の愛称は、実はあんまり良くないかもしれません汗。

本のある気持ちのいい場

今回はじめてお邪魔した中で、いわゆる本屋さんとは違う場は京都のマガザンキョウトと、岡山の本屋aru

マガザンキョウトは、今回の本を一緒に編著した影山さんつながりの編集者界隈では知られている、宿泊できるショップ兼編集事務所みたいな感じで、夜間は宿泊者が専有できる共有スペース?にもいろんな物や本・雑誌が置いてある。空間を編集するという考えで、期間を設けた「特集」コーナーがきちんとあるのもいい。そして置いてあるものを買って帰れるという。宿泊はAirbnbを使うのだけど、ひと晩楽しんで欲しいと思ったものを持ち帰り無人チェックアウトしたかったとしても、Airbnb経由で精算できるという仕組みも面白かったです。

マガザンキョウト現在の特集は「物泊」

本屋aruは、デザイナーの知人つながりでSNSをフォローしていたあかしゆかさんという方がオープンした、営業日少な目の本屋さん。お隣のゲストハウスfloatには行ったことがあったので、瀬戸内を望む景色が抜群の立地であることはわかっていたのだけど(なんならその辺で海を眺めながら読書とかできる)、お店も小さくてシンプルながら素敵なつくりでした。

もちろん「本屋」と銘打っているし、お店なんだけど部屋のような空間。コンパクトな空間の真ん中のテーブル、そしてそれを囲むいくつかの棚へ丁寧に本が並べてあり、あかしさんがその傍らのすぐ声をかけられる場所に座っているのでした。本当の意味で目が行き届くというやつで、行く方も全部の本を手に取ることができるくらいの物量だし、私的、小さいからできることってあるなぁ、と思わされました。

そして、恥ずかしながら451BOOKSにもはじめて足を運びました。絵本関係多そうなイメージでしたが、それ以外にもまちがらみや文化的なにおいのする多様な分野の本が可愛らしい2フロアにびっしりと。地元関係含めリトルプレスもめっちゃありました。本を通して、何かつくり手とのつながりを感じさせられるお店。こちらも素敵です。

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