ポップミュージック史上、最良の芸術品 The Beach Boys / Pet Sounds
どうも。神保町の音楽LOVERのGです。
少し遅くなりましたが、ブライアン・ウィルソンさんハッピーバースデー!
今日は6月20日に77歳のバースデーを迎えたブライアン・ウィルソン氏が生みだした超名盤『Pet Sounds』を今更激押ししてみます。
まずはじめに、稀代の音楽家ブライアン・ウィルソン氏や超名盤『Pet Sounds』に関連する書籍や評論、研究はこれまでに数え切れない程、世に送り出されています。それだけ偉大な音楽だということと、ひとつひとつ丁寧に語っていったらエンドレスで続いてしまうので、端折りまくってます!その点ご理解くださいね。
まず、個人的にこの『Pet Sounds』というアルバム、これまでに通しで、最低でも1,000回は聴いた本当に大好きな作品なんです。なんでそんなに聴くのか?理由は単純、いつどんな状況でも聴けるから。人間って常に変化していく精神状態と一緒に日々の生活を送ってるじゃないですか~。自分が好きな音楽でも、今はちょっと聴きたくないなと思うことって結構あって、それでも何か聴きたいと思うわがままな気分のときは迷わず『Pet Sounds』なんです。卓越した楽曲と演奏、コーラスワークを多用したヴォーカルが心地よく、温かく包み込んでくれる至福の音楽なわけです。
『Pet Sounds』がリリースされたのは、1966年5月16日。名義は❝he Beach Boys❞となっていますが、実際にはメンバーのブライアン・ウィルソン氏がほぼ一人で作り上げています。ブライアン・ウィルソン氏は1942年6月20日カリフォルニア州イングルウッドに生まれ。1961年に弟のデニス、カールと従妹のマイク・ラブ、友人のアル・ジャーディンと共にThe Beach Boysを結成。優れた作曲・編曲能力、さらには美しいファルセットまでも併せ持つ彼は、デビュー以来、数々の楽曲を次々と作曲し、当時は珍しかったセルフプロデュースの手法によりThe Beach Boysをナンバーワンアメリカンバンドとして世に送り出す。ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ジョージ・マーティン、大滝詠一、山下達郎など、多くの天才から天才と称えられるガチの天才。
そんな彼が頭の中から湧き上がってくる音楽を伝説のセッションミュージシャン集団「レッキング・クルー」、作詞家トニー・アッシャー等の協力を得て自身のプロデュースで制作された作品が『Pet Sounds』。
当時リリースされたばかりのThe Beatles『Rubber Soul』や尊敬する音楽プロデューサーPhil Spectorの音楽制作手法「Wall of Sound」を超える、誰も聴いたことがない音楽を志し順調にレコーディングが行われていた。そのとき他のバンドメンバーは日本をはじめとしたワールドツアーに汗を流していた(ブライアンは既にツアーへの不参加を表明していた)。そして帰国後、ブライアンの指示のもとヴォーカルとコーラスパートのみ吹き込みを行う。しかし、ブライアンが自信満々で作り上げた音楽を聴いたメンバーは困惑し、とうとう不満が爆発「こんなのビーチボーイズのサーフミュージックじゃない!」「誰がこんなもの聴くんだ?犬にでも聴かせるのか?」と…。
そりゃ当然ですよね。今まで「Surfin' USA」のような陽気なポップミュージックを作っていた奴が、急に「God Only Knows」なんて訳のわからん音楽作るんだから。
The Beach Boys - Surfin' USA
The Beach Boys - God Only Knows
『Pet Sounds』リリース後、当然作品に対しての賛否両論が交わされ、売り上げも芳しくない状況。鋭い感性を持ったブライアンは徐々に精神を病み、次回作『SMiLE』の制作にも影響を及ぼし、結局頓挫。ブライアンの精神は完全に崩壊してしまいます…。
その後、重度の鬱病を患った彼は廃人のような生活を送り、かかりつけの精神科医に騙されたりと数々の困難を乗り越えていくのですが、これも語ると莫大な時間が必要なので、もっと知りたいと思われた方にはこんな本人公認の自伝映画もあるので、是非ご覧ください。
なにはともあれ、そんな彼が魂を削って作った音楽が悪いわけないんです。現在では“ポップミュージック史上最高傑作”と評される『Pet Sounds』をひとりでも多くの人と共有できたら。それだけで「素敵じゃないか」と思うわけです。
それでは、まず1曲目からオススメのポイントを紹介します!…といきたいところですがいくら時間があっても足りないので、下記のリンクより、まずは皆様の耳で体験してもらえたら幸いです!
暑くても寒くても、朝でも昼でも夜でも、元気なときでも疲れているときでも、良いときも悪いときも、嬉しいときも哀しいときも、何時でも何処でも。
そんな聴き方がおススメです。
神保町で働く音楽好きによるディスクレビューなど。 洋・邦、ジャンル、年代関係なく、グッときたものを縦横無尽に駆け巡ってご紹介していきます。