コミュニケーションは、ハイリスク・ハイリターン
コミュニケーションが積年の課題で、「話し方」「聴き方」を含む「コミュニケーション」に関する書籍は、社会人になってから、かなりの数、読んできた。
そんな中で、印象に残っているのが「コミュニケーションは、ハイリスク・ハイリターン」という「ことば」だ。
相手との距離を縮めたいと思ったら、一歩、近づいてみることが大事。だけど、相手がずーっと心を寄せている人だったり、超リスペクトしている方だったりすると、その一歩は、踏み出すのになかなかに勇気が必要だ。
はねのけられたら、怖い。ダメージが大きすぎる。マイナスを想像したら、いたたまれないし、そんな打撃をうけるくらいなら「このまま遠くから眺めていた方が幸せかも。うん、その方がいいに決まってる」など弱気な自分が顔を出す。
もう5年前になるのだけれど、それまでずーっとモヤモヤしていたことを、思い切ってリスペクトしている方に尋ねたことがあった。あまり詳しくは書けないが、ともに学び合ってきた仲間の中で、私だけがメンバーに選ばれなかったことで、すっかり自信を失っていた時のことだ。
でも「なんで私じゃダメなんですか?」なんて聞いたら「あなたのチカラ不足」と言い当てられるかもしれない。あるいは、そんなことを尋ねること自体、呆れられるかもしれない。怖くて、怖くてたまらなくて、ずーっと聞けないでいたのだけれど、会社を卒業することを決めるにあたり、勇気を振り絞った。
結果は、私の杞憂だった。私が「失礼ながら…」と切り出し尋ねたことについて、その場で応えてくれただけでなく、その夜遅くに、ご丁寧にメールまで頂戴した。「ゴメンナサイ、ありがとう」というタイトルのメールを、私は今でも大切に保存している。内容を残しておきたいわけではなくて、私が勇気を振り絞って伝えたことを…その「勇気」を、覚えておきたいからだ。
もちろん、上手くいくことばかりじゃない。思うようにいかなかった時、つまりリスクを背負ってしまった時は、いったんギュッと身体を縮めて、その後、はぁ〜っと大きく息を吐く。ダメージが大きいのは確かだけれど、それでもハイリスク・ハイリターンの両方を予測しておけば、概ね、その範囲には収まるというわけで…「やっぱりうまくいかなかったなぁ」などとつぶやいて、「でもさ、上手くいくことだってあるじゃん」と件のメールを眺めて、もう一度、勇気を振り絞る。
人生なんて、そんな繰り返しなんだよね。
「人生の豊かさは、喜怒哀楽の総量で決まる」というのは、尊敬する出口治明さんの「ことば」だけど、コミュニケーションのハイリスク・ハイリターンも、豊かさに繋がっているってこと!とも考えられる。
だから、あきらめないで、リスクを承知で(笑)
明日も私は「ことば」を届けよう。
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