「本屋で待つ」(佐藤友則・島田潤一郎著)を読んだ

広島県の田舎町で本屋を営む著者の私小説である本作。
とにかく読んでいて優しい気持ちになれた。
著者自身の遊び惚けていた学生時代から本屋での下積み時代を経て、現在に至るまでが描かれている。著者の価値観の変化が分かりやすく、読んでいて面白かった。
店舗では元引きこもりなど様々な事情を抱えた青少年が従業員として働いている。初めはいろんなことがうまくいかず、著者と従業員との対立が生まれる。しかし、従業員たちと向き合っていく中で、少しずつ成長していく様子がありありと描かれていた。
全編を通して、文章からにじみ出る著者の優しい人柄が心地良かった。

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