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ネットスーパーの市場を拡大したい

この記事は10Xアドベントカレンダー2024の19日目の記事になります。
昨日はエンジニアのkotaroooo0さんが「検索エンジニアとして入社して1年でやったこと」の記事を公開しています。

はじめに

10X在籍2年目、取締役CGOの橋原です。前回の記事から1年半経ちました。読み返すと、当時は少年野球の監督を続投するか悩んでいましたが、無事サクセッションが成功し、最近は仕事人間と化してます。なので、今回は野球の話はしません。したいけど。

ネットスーパーの市場拡大に必要なこと

私が10Xに入社し、ネットスーパー事業に関わってから約1年半が経ちました。この期間、各社のGMV(流通総額)を成長させるための課題に取り組み、多くの成果を上げることができました。最近では、事業の黒字化を達成し、本格的な店舗展開に舵を切る企業も増えています。

現在、私たちが注力しているのは、各社が黒字化の確度をさらに高めるための支援です。10Xはネットスーパーの売上に連動した費用を受け取るビジネスモデルを採用しています。そのため、企業が利益を増やしても私たちの収益には直接的な影響はないのですが、それでも黒字化の支援を重視している理由は、ネットスーパー市場全体の拡大には、企業が利益を上げ、それが再投資に回る循環が必要不可欠だからです。

黒字化したネットスーパー事業から生まれるキャッシュは、新たな店舗展開や販促投資に使われ、企業の売上拡大を後押しします。この成功が新規参入企業を呼び込み、市場拡大に好循環を生み出します。

私たちが提供しているStailerというプロダクトは、ネットスーパーという事業領域で競争力を持っていると自負しています。市場拡大が加速すれば、10Xの事業機会も広がります。この状況は、私の前職のモノタロウが、市場を拡大することを目的として、2013年からTVCMを放映し始めたときと似ています。競争力のあるフロントランナーは、市場拡大の恩恵を最大限受けることができます。

株式会社MonotaRO 株主むけ報告書 2015年上期 より抜粋
" 会社で使う資材をインターネットで発注できるという認識がない方や、認識があってもこれまでの商習慣を断ち切れないという方がまだまだ多く、業界のEC化率は低い水準にあると考えていました。この方々をうまくインターネットに呼び込み、市場を拡大することが当社の事業拡大につながると判断し、2013年からテレビ広告を開始しました。エリアを限定した小規模なテストを経て、2015年には一部の地域を除く日本全国においてテレビ広告を行っています。その結果、当社の認知度は大幅に上昇し、新規顧客の拡大ペースを速めることができました。"

https://corp.monotaro.com/ir/upload_file/m005-m005_04/20150910.pdf

ネットスーパー市場を拡大させるには、企業が儲け、その利益を再投資に回す仕組みを作ることが鍵となります。

黒字化の課題

既に黒字化を実現している企業は、もともと商圏が恵まれていたり、仕入れが強いため利益率が高かったりと、事業を開始する前から条件が揃っているケースが多いです。10Xでは各社の黒字化の再現性を高めるべく、プロダクトの機能改善や、伴走支援に力を注いでいます。例えば、黒字化を達成するためには、以下の取り組みが重要です。

  1. 優れた顧客体験

    • 注文単価を上げることで、配送費の比率を引き下る

    • 注文件数を増やすことで、オペレーションの稼働率を高める

  2. 生産性の高いオペレーション

    • ピッキングやパッキングのプロセス改善による生産性向上

    • 配送ルートの最適化による、配送効率化

  3. 価格の最適化

    • 商品価格や配送料の最適化による、粗利益率の改善

    • プロモーションの最適化による、無駄な割引の削減

特に最近注力しているのが商品価格の最適化です。このテーマは、私自身が前職で10年以上取り組んできた分野であり、その知見をネットスーパーの領域にも活かしています。

ネットスーパーは老若男女、多様な顧客セグメントが利用し、継続率・利用頻度も高く、購買データとして密度が濃いのが特徴です。また、ECであるため、商品を選定する過程の行動データも蓄積されています。これらのデータを解析すれば、LTVが高い顧客がよく買う商品を特定したり、目的買いとついで買い商品の分類したりと、商品ごとの役割や重要度を定量的に評価することができます。

また、High-Lowの価格戦略(通常価格とセール価格を使い分けながら、需要を喚起する戦略)をとる企業が多く、価格弾力性を測定できるデータも豊富です。このような状況から、データ・ドリブンに価格を最適化し、小売企業とユーザーがwin-winになる最適点を見つけることが可能です。

一方で、店舗や受取日ごとに商品価格が変動するため、扱わなければならないデータ量が膨大で、エンジニアリングの観点でのチャレンジもあります。こうした課題に対し、エンジニアやアナリストと連携しながら取り組むことで、粗利益率の改善し、事業の収益性改善を目指しています。

使命感

ネットスーパーに深くコミットし、プロダクト開発から実行支援まで一気通貫で行っている企業はほとんどいません。私たちは、「日々のお買い物体験に新たな選択肢を提供する」という強い使命感を持っています。この想いを胸に、今後も市場拡大と企業の成功を支えたいと考えています。

これが我々の現在位置です。

最後に

10Xではメンバーを募集しています!採用ページもぜひご覧ください。 明日はkatsuyaさんがポエムを公開するらしいです。お楽しみに!


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