わがまま/瀧川ありさ を読み解く|車椅子SSWの歌詞から主人公分析
はじめまして。
車椅子でシンガーソングライターをしています。
橋口竜河(はしぐちりゅうが)です。
音楽をやる上でボーカルや作曲の音楽理論といったものは一定のルールが存在します。だからこそ、メゾットが構築され、発表しやすいものですし、多くの方の
「やりたい!」
その真っ直ぐな思いを形にしてきたわけです。
・・・しかしどうでしょう?
作詞となるとテーマ決めやフレーズを考えるといったことに焦点が当たることが多く、書きたいものを書く方法や心情や場面を投影する。
そういった参考文献が「比較的」多くはないのかなと筆者は感じています。
作詞ってどうやって心情を投影していったらいいの?
ということを毎回、一つの作品を題材にお話できればと思います。
参考の一つとして、また読み物としてお楽しみいただけたらと思います。
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TOPICS.
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1.作品のご紹介
✏YouTube
✏AppleMusic
✏概要
2. 歌詞をみてみよう!
3.歌詞分析
✏時間軸
✏scene / 情景
✏主人公プロファイル
✉YouTube
✉Apple Music
✏概要
瀧川ありさ さんの2019年3月6日発売となった7th Single.
テレビアニメ『ドメスティックな彼女』エンディングテーマ
PVではドラムを演奏する姿が話題となっている。
✏歌詞をみてみよう!
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歌詞 / Lyrics
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あぁ君にだけわがままになっていく
些細な日々の何でもない優しさを
大事にしまって何度も開けて眺めている
君の本心聞けずに空回りしたりして
簡単なことほど難しくなってる
大人になれば こんなことで悩まずに
上手く生きられるかな
あぁ君にだけわがままになる
どんどん自分らしくもなくなって
あぁまた気持ちが先走って
どんどんまともじゃなくなってくから
そっちを見ないで
ほどけてしまった靴紐で歩くみたいに
危なっかしくてそれでももう立ち止まれない
清く正しくいたいと思うほど下手になる
いつからかこんなに大切になってる
君が笑うと
心が軽くなるのに
胸は苦しくなるから
あぁ君にだけわからなくなる
どんな言葉を選んでみたって
あぁこんな気持ちになるなんて
どんどん弱気で泣きたくなるから
こっちを見ないで
大人になれば
こんなことで悩まずに
上手く生きられるかな
あぁ君にだけわがままになる
こんな姿は見せたくないよ
あぁずっとすれ違ったままで
いっそ嫌いになろうとしたって
あぁ君にだけわがままになる
どんどん自分らしくもなくなって
あぁまた気持ちが先走って
どんどんまともじゃなくなってくから
「そっちを見ないで」
言えたらいいのに
✏歌詞分析《時間軸🕓》
この曲を時間で分けてみるとこんな感じ。
日々更新される思い出の整理
↓
自身の気持ちに気づき始める
↓
意識してしまうことで生じるこれまでとのギャップに葛藤する
↓
自分の気持ちに嘘がつけなくなっていく。
↓
すこしずつ違う自分になることへの戸惑いがでてくる
↓
言えない思いにもやもやを抱えてしまう
突然のふとした瞬間から歯車が合わなくなるような。
心のチューニングが狂わされていく。
そんな心情の乱れが表現されているような気がします。
「これって、恋?」
とても繊細に描かれたストーリーだと思います。
✏scene / 情景
歌詞の内容的に詳細なシーンは特にないと推測します。
特にこの歌詞自体が主人公の心にフォーカスしていて、シーンとして
なにかあげるとするならば
普遍的な日常の中にあった気づいてしまった想い
というのが近しいのではないかと私は思う。
✏主人公プロファイル
まずは年代。
ポイントとなるのはこの部分。
大人になれば
こんなことで悩まずに
上手く生きられるかな
器用に生きられたらという理想とのギャップ。
自分の気持ちに戸惑いが生じている。
一見、主人公自身、この気持ちが何かということに気づいていないようにも見受けられるのだが、「こんなこと」と称しているあたり、客観的にこの気持ちに気づいて冷静に見ている自分自身とどうしたら平常心でいられるのかということを模索しているように思える
となるとある程度は俯瞰して見れるようになってくるあたりから
高校2年生のような気がする。
次に主人公の性格。
ポイントとなるのはこの部分。
些細な日々の何でもない優しさを
大事にしまって何度も開けて眺めている
清く正しくいたいと思うほど下手になる
この2つからとても誠実さが見える。
それに加えてそれをひけらかさないおっとりした性格でありながらも
自分はこうあるべきという理想を持ち合わせながらも不器用。
そんな愛すべき、主人公だと私は思う。
大切に思い出をしまうというあたりから男の子の可能性が高い
記録型恋愛ともいえるけれど、女の子にも当てはまることなので性別までは断定はできないのがもどかしい。
✏プロファイル結果
高校2年生の男子(女子)
真面目で誠実。おっとりとした性格。
俯瞰的に自分を見ることができる人だけれど自分の事となるとうまくいかない。
そんな人だと思います。
ちなみに、
「そっちを見ないで」
複雑な恋愛感情のなかで生まれる
「いつもの自分」と「”君”に見せている自分」
その中で思う「君に見せたい自分」
その複雑さをこの一言でまとめられることにぐっときます。
✏筆者プロフィール
橋口竜河 (はしぐちりゅうが)
1996.02.02 生まれ 神奈川県出身
車椅子での生活をしながらシンガーソングライターとして活動している。
《ハートフルシンガーソングライター》として心情に嘘のない歌を歌い続ける。
過去には自主企画ライブを開催し、ライブオーガナイザーとしての経験もある。
配信Single《ガーネット》がApple Musicをはじめとする各種音楽配信サイトにて配信中!!
公式サイトはこちら
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