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この世界は車椅子ばかりが認知され、それ以外には冷たい世界になっている。/車椅子当事者が思うこと。

こんにちは。
橋口竜河です。

ちょっと攻撃的なタイトルにしてしまいました。
でも、これはあながち間違いではないのかと私自身も思います。

その理由を少しお話できればと思います。
※あくまで個人の主観によるものです。
万が一にでも当事者の方への無知やご無礼があった場合、
助言くださいますと幸いです。

まず、こうして、障害の話を書こうと思ったのには
ドラマ《パーフェクトワールド》にて、
車椅子のことが改めて注目されたことにある。

反響を頂いたパーフェクトワールドの感想note.

5日も立たないうちにこの記事で2400超えのPV数。 
私自身、ここまでの反響とは思わず、無我夢中に書いた記事でした。
(早朝に記事がアップされているのもそれが理由)

ただ、ふと離れて見ると思うことがある。

世間は目に見えるものばかりを障害と認知する方が多い。

ということに。

こうして、車椅子のことをとても丁寧に、
事細かくリアルを伝えてくださることに関しては
感謝を申し上げたいとともに
その熱量に尊敬させていただきたいほど。

しかしながら、
車椅子として、障害を捉える機会が増えれば増えるほど、
目に見えない障害と社会の溝が広がっていくように思う。

さて、今回のトピックス✏

①果たして障害とは。
②見える障害・見えない障害
③人は見えるもの以外は補填する。
④ケースではなく個でとらえる
⑤一つの特別が距離を作る
⑥あとがき


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①果たして障害とは。
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実をいうとこれは私も分かっていない。
そもそも私自体は、最初から歩行困難な状況に近かった。
よく取り上げられる障害とはわけが違う。
ドラマで取り上げられるのは比較的、事故で歩けなくなりましたというのが多い。
もちろんそこには、誰にでもその可能性はあるというメッセージ性もあると思うし、否定をするつもりはない。

ただ、これが私にとっては普通なのである。

ということをいうと
普通も人それぞれ尺度が違うから、
普通とはなんだ、障害とはなんだ。ということになる。

ひとえに言っても車椅子という形に見えるものもあればそうでないものもあり、
人それぞれなのだ。

元からこんな感じだったから障害受容という言葉も知らなかった。
今振り返ればあの時だなと思うけれど。
その話は、また別軸で話をしようと思う。

果たして障害とは?
そう言われて私はこう思う。

社会全体におけるただのカテゴライズに過ぎないということである。

そのカテゴライズは問題定義をするときにはとても便利なものであるが、
時に刃物へとなり得ることもある。

しかしながら、今回は一般的に広く言われる障害について、私なりにお話をしたい。
なので敢えて、見える障害と見えない障害として括ることで理解を深めていただけるきっかけとなればと思う。

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②見える障害・見えない障害
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この話をする上で、定義を決めておきたい。
見える障害
→外見で見てわかるもの。
見えない障害
→内臓系や精神疾患。その人を知ることがないとひと目では判断できないもの。

見える障害で言えば、
私のような車椅子や歩行器、杖をついているということこそ、
一番の判断材料と言えるだろう。

しかし、見えない障害というものは一見、健常者と変わらない。
私にも知り合いに見えない障害を抱えている方がいるが
出会った頃は私もわからなかったものだ。

つい最近になりわかったものだが、そのときにはすでに関係が築けていたので
何一つ思わなかった。
・・・いや、びっくりしたのはあるけれど、受け止め切れないことはなかった。

だって何があろうがお前はお前だろ。

そう思った。

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③人は目に見えるもの以外は補填する。
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だって何があろうがお前はお前だろ。

そう思えたのはもちろん、関係性があってのことだろう。
仮にもしそうでなかった場合、障害を持っている私でさえ、
どう思っていたかはわからない。

その人を深く知ることができていたら
受け入れることもできるだろうし、その人にとって何ができるだろうと思うこともできるだろう。
しかし、それはコミュニケーションと時間を掛けてきた結果によるものだ。

世間の目は戸惑いや、冷たい視線が多い。
それは無理もないだろうなとは思う。
皆が皆、障害に対して耐性や経験があるわけではない。

いまでこそ、車椅子というのは
時間をかけ、認知されるものの一つとなってきた。
そう、認知は。

ただ、人間というのはみな、見たものの情報で判断するということが多い。
もちろん、それは当たり前で見ているものに関してはいま現実に起きている
真実であるからだ。

それによって、良いところもあるにはある。
お声がけもらうことがあったり、サポートをいただくこともあるだろう。
しかしながら悪い面も少なからず、存在する。

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④ケースではなく個でとらえる
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それは、障害をケースで捉えてしまうこと。にあると思う。
車椅子の人はこうだとか、精神疾患の人はこうだとか。
視覚障害である人はこうだとか。

もちろん、ある程度は、
障害を認知してもらう段階においてはケースで覚えることは何よりも大事だと思う。
しかし、こうやって接したほうがいいなというものこそ、
障害を持っている人(もしかしたら私だけかもしれないが)にとっては
心苦しいものはない。

ケースで覚えるということは、
やはりその人のお気持ちが私達に取っては過剰な気遣いに映ってしまうことがある。
もちろん、誰が悪いというわけではないというのは強く言いたいけれども
必要以上に周りを動かすというのは申し訳無さがあるのだ。

私は車椅子なので例えは車椅子でのお話になってしまうけど
例えば電車内などで
車椅子の方がいるのでスペースを空けてくださいということを
大声で伝える人。
しかも満員電車の状態で。

安全にご配慮いただけていることはとてもありがたい。
だからこそ、うまくは言えないのだけれど、私は

必要以上の迷惑がかかるからやめてくれと思う

満員電車でストレスのかかっている状態で
人にやさしくできるわけがない。
特にラッシュであればなおさらで。
善意が相手へ渡った瞬間に嫌悪感に変わることがあるのを知っている。
準備ができていない。そもそもあまり関わりたくない人もいるだろう。
必要以上に迷惑を掛けたくない自分からすれば
穏便にしたいのである。

だからこそ、
コミュニケーションが大事なのだと思う。
障害の度合いも人それぞれ違う。それと同じようにもしくはそれ以上に
求めるサポート箇所は異なる。

とはいえ、求めることで圧をかける気はない。
あくまでもサポートはその人ができる範囲でいいと思っている。

相手と言葉を交わすことが苦手が人は無理をする必要もないと思う。
だから無理のない範囲で困っているその人を助けてあげてほしい。

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⑤一つの特別が距離を作る
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最近、困った人を見かけたら助けましょうという風潮がある。
駅の構内放送が良い例だろう。
間違ってはいないし、実際にそのことでお声がけくださることもある。

ただ、この人はこういう障害をもっているからといったことや
障害でその人を見ないであげてほしい。
意外と、それ以外は普通の人間と変わらないことも多い。

その人ではなく、持っている障害で判断して
こういうサポートをしなきゃいけないよねというある種の特別感が
社会との距離を作る可能性もある。
先程申し上げたようにケースでの対応だけで動くことが
必要以上に申し訳無さを生み一番距離を作ってしまう。

だから何も特別ではない。
たまたま、付属品があるかないかの違いだということだと思う。

特別を生まないために
これを読んでくださった皆様にはより、色んな意見をのぞいてほしい。
そしてできることならばあなたはあなたのサポートの仕方を作って欲しいと思う。
それが完成する頃には
距離という見えない障害はなくなるのだと思う。

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⑥あとがき
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私が今回の記事を書くことにあたっては
車椅子=障害者という考えを生まないことと、
見えない障害を抱える皆さまが心のない言葉を浴びないように幅広く知ってほしかったからと思う。

それに見えない障害を持つ当事者がこういったことを書くと
「甘え」という言葉のナイフを浴びせられることもあるだろう。
だからこそ、車椅子である人間がいうことのほうが理解を深め、
すこしでも知っていただける機会になるのではないか。
そう思い書きました。

目に見えるものだけではなく、
見えないこともある。そのことをぜひ知っていただけたらと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
皆様が心を通わしやすい社会になることを願います。

✏筆者プロフィール

橋口竜河 (はしぐちりゅうが)
1996.02.02 生まれ 神奈川県出身
車椅子での生活をしながらシンガーソングライターとして活動している。
《ハートフルシンガーソングライター》として心情に嘘のない歌を歌い続ける。
過去には自主企画ライブを開催し、ライブオーガナイザーとしての経験もある。
配信Single《ガーネット》がApple Musicをはじめとする各種音楽配信サイトにて配信中!!
公式サイトはこちら

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