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宝を手にするまでの一年
noteやspotifyでこれまで何回か取り上げたが、勤めている劇団で、三ヶ月ほど前から「短編作品を創っている」という話題をしてきた。稽古が楽しい、という話をしたり、ベテランの先輩から学ぶことが多い、という気づきを共有したりしてきた。その短編作品の発表を昨日、劇団の拠点がある京都の大山崎で行った。とても楽しい時間だったし、自分の専門能力について自信も持てた。
実は一年前の11月にも大山崎で同じイベントをしている。その時、自分はまだ劇団に入って2ヶ月ぐらいだった。新しい組織の中に入っていく、というのは...しかももうすぐ40歳になろうとしている中で「新入り」として関わるのは...思ったより苦労するものなのだなあ、と実感した。何に苦労したか書くと具体的になりすぎるのでやめておくが、自分で選んだ道とはいえ、自分を惨めに感じることもあったと思う。
それから一年が経ち、環境は大きく変わった。色々な仕事を任せてもらえるようになった。車の運転、音響機材や照明機材の仕込み、役者としての出番も増えたし、ある催しでは独唱もさせてもらえた。たった一年で、ここまで状況は動くものなのだ(劇団も世代交代の過渡期だったりするのだろう)。そして昨日、短編作品の初演を経験したことで、役者としても自分が培ってきたキャリアを信じられる時間となった。
稽古してきたことを過不足なく人前で表現することが出来るか(これは自分の芯となるいわば縦の力と言えるかもしれない)。その瞬間の客席や共演者の空気を感じて、その空気に反応することが出来るか(他者との関わりとなる横の力と言える)。それらを昨日は発揮することが出来たと感じて、この道をまだまだ磨いていこうと思えた。
今回は、作品を作るにあたって、その多くをベテランの先輩に導いてもらった。原作を脚本にする方法や、脚本という文章の世界を、いかに舞台の世界に立ち上げていくか、など学ぶことが多かった。なるほど、そうやって完成させていくのか、と身を持って体験することが出来た。これを一般のワークショップで経験しようと思ったら、おそらく10万円以上はするコースを受講したと思う。それを仕事でお金を頂いてやらせてもらったのだから、それはもう宝を頂いたと言っても過言ではない。
一年前は惨めに感じていた自分は、今、宝を手にしている。持ち腐れにならないように、一年後を目安に、今度は自分の世界観を形にしていく取り組みを始めたい。
2024年11月24日(日)大山崎
仕事のない休日にnoteで文章を書いたり、Spotifyで音声を配信したりしています。次回は12月1日(日)にSpotifyを更新する予定です。来週の発信もお楽しみに...
それでは素敵な休日をお過ごしください!